へし切長谷部
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へし切長谷部(へしきりはせべ、圧切長谷部、ヘシ切り長谷部[1]とも)は、南北朝時代に作られたとされる日本刀(打刀)である[2][3]。日本の国宝に指定されており、福岡県福岡市早良区にある福岡市博物館に収蔵されている(所有者は福岡市)[2][3][4]。国宝指定名称は「刀 金象嵌銘長谷部国重本阿花押 黒田筑前守(名物へし切)」である[4][注釈 1]。
注釈
- ^ 官報告示掲載の国宝指定名称は、以下のように割注形式で表記されている(原文は縦書き)。
- 「刀金象嵌銘長谷部国重本阿花押(名物へし切)
黒田筑前守」
- 「刀金象嵌銘長谷部国重本阿花押(名物へし切)
用語解説
- ^ 「造込」は、刃の付け方や刀身の断面形状の違いなど形状の区分けのことを指す[11]。
- ^ 「鍛え」は、別名で地鉄や地肌とも呼ばれており、刃の濃いグレーや薄いグレーが折り重なって見えてる文様のことである[12]。これらの文様は原料の鉄を折り返しては延ばすのを繰り返す鍛錬を経て、鍛着した面が線となって刀身表面に現れるものであり、1つの刀に様々な文様(肌)が現れる中で、最も強く出ている文様を指している[12]。
- ^ 「刃文」は、赤く焼けた刀身を水で焼き入れを行った際に、急冷することであられる刃部分の白い模様である[13]。焼き入れ時に焼付土を刀身につけるが、地鉄部分と刃部分の焼付土の厚みが異なるので急冷時に温度差が生じることで鉄の組織が変化して発生する[13]。この焼付土の付け方によって刃文が変化するため、流派や刀工の特徴がよく表れる[13]。
出典
- ^ 『第二回 日本名宝展覧会目録 並解説』読売新聞社、1930年4月19日、63頁。 NCID BA34435788。
- ^ a b c d e f g h i j k l m 刀〈金象嵌銘長谷部国重本阿花押/黒田筑前守(名物へし切)〉 - 国指定文化財等データベース(文化庁)、2015年10月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 国宝刀 名物「へし切長谷部(きりはせべ)」 | アーカイブズ | 福岡市博物館、2015年10月18日閲覧。
- ^ a b 文化庁 2000, p. 338.
- ^ a b 長谷部国重(はせべくにしげ) - 刀剣ワールド 2020年10月25日閲覧
- ^ a b 堀本一繁 著「108 国宝 金象嵌銘 長谷部国重本阿(花押)/黒田筑前守 名物 圧切長谷部」、福岡市博物館 編『特別展 侍 もののふの美の系譜』2019年9月7日、222頁。 NCID BB29348637。
- ^ a b c d e f 飯田意天『織田信長・豊臣秀吉の刀剣と甲冑』宮帯出版社、2013年、27頁。
- ^ 【ふくおかの名宝】観賞ガイド⑧ 国宝 刀 名物「圧切長谷部」(へしきりはせべ) 2024年1月6日閲覧
- ^ 『官報 1933年7月25日』 - 国立国会図書館デジタルコレクション、4コマ目、文部省告示第274号。2015年10月18日閲覧。
- ^ 福岡市博物館『福岡市博物館所蔵 黒田家の甲冑と刀剣』(第二)福岡市博物館、2001年、2頁。
- ^ 刀剣春秋編集部 2016, p. 165.
- ^ a b 刀剣春秋編集部 2016, p. 174.
- ^ a b c 刀剣春秋編集部 2016, p. 176.
- ^ 朝日新聞社(1998)、pp.71 - 72
- 1 へし切長谷部とは
- 2 へし切長谷部の概要
- 3 概要
- 4 作風
- 5 脚注
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