ひょんな

デジタル大辞泉

ひょん‐な

［連体］思いがけないさま。意外な。妙な。「—縁で知り合いになる」「—気を起こす」

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ひょんな

出典:『Wiktionary』 (2021/08/14 13:00 UTC 版)

連体詞

ひょんな

1. 予期できない。
   • 始め、恭二を養子にする時だって、もう少しいい家から取るつもりで居た目算が、ひょんな事からはずれて先の見えて居る家などからもらってしまったし、（宮本百合子『栄蔵の死』）〔1899年-1951年〕
   • よく列車などで、向い合せに坐った女性と「ひょんな事」から恋愛関係におちいったなど、ばからしい話を聞くが、「ひょんな事」も「ふとした事」もありやしない。はじめから、そのつもりで両方が虎視眈々、何か「きっかけ」を作ろうとしてあがきもがいた揚句の果の、ぎごちないぶざまな小細工に違いないのだ。（太宰治『チャンス』）〔1946年〕
2. 妙な。異様な。
   • 「ひょんな侍が女を連れて泊り込んだと、さっきお前が言ったのはその客か？」 （林不忘『煩悩秘文書』）〔1900年-1935年〕
   • それはそうと、あけて前の朔日、ひょんな騒ぎがあったことをご存じですか（久生十蘭『顎十郎捕物帳』）〔1942年〕

語源

「凶」の唐宋音から転じたとの説がある。新井白石著・新井白蛾補『同文通考』（1760年）巻二「漢音呉音」の項、白蛾による補のなかに「俗に物の好からざることをすべてひよんなことと云ふ、凶の字の華音凶（ひよん）と云より、言ひ傳へて常語となり」とある。松葉軒東井『譬喩尽』（1787年）には「凶（ひょん）なこととは凶の字の唐音なり」とある。

異説として、イスノキの別名「ひょん」から来たとする説もある。安原貞室『片言』（1650年）では、「ひよんなことといふを、ひよがいなこと、ひようげたことなどいふは如何と云り。是はひよんといふ木の実の、えもしれぬ物なるよりいへること葉歟。又瓢のなりのおかしう侍るより、しれぬことの上になぞらへて、ひようげたことと云初たるか。 又は、へんなことと云こと歟」としている。

『日葡辞書』（1603年-1604年）に収録されていることから、少なくとも中世に遡る語である。日葡辞書は Fionna （ひょんな）について、Fionna cotouoyŭ. l, suru. （ひょんなことを言う。-する）と例文を示し、「常軌を逸して人の目にとまることを言う、あるいはする」と説明している。

用法

古い用法では、不都合なことについて使う。

発音^(?)

東京アクセント

ひょ↘んな

京阪アクセント

ひょ↗ん↘な

関連語

• ひょん

類義語

• ひょうげた
• 妙な
• 変な
• おかしな

翻訳

• 英語: unexpected ^(en), accidental ^(en), by chance ^(en)

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「ひょんな」の例文・使い方・用例・文例

• まったくひょんなことから彼はその鳥の巣を見つけた
• ひょんなことからほんとうのことがわかったんだ、ほとんど手を引きかけたときに。
• 昨日、ひょんなことで父親の戸籍抄本のコピーを見てしまいました。
• 今は私のだんなさんとなった彼とはメールで知り合い、ひょんなことで付き合うようになってから１ヶ月もしないうちにあれよあれよと私たちは結婚する決心をしました。
• ひょんなことから，彼らはタケやテツと一緒に暮らし始める。