のしろ (護衛艦・2代)とは? わかりやすく解説

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のしろ (護衛艦・2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/10 00:02 UTC 版)

のしろ
引渡式・自衛艦旗授与式を終え、三菱重工業長崎造船所を後にする「のしろ」
基本情報
建造所 三菱重工業長崎造船所
運用者  海上自衛隊
艦種 多機能護衛艦(FFM)
級名 もがみ型護衛艦
建造費 約460~470億円
母港 佐世保
艦歴
発注 2019年
起工 2020年7月15日
進水 2021年6月22日
就役 2022年12月15日[1]
要目
基準排水量 3,900 t
満載排水量 5,500 t
全長 132.5 m
最大幅 16.3 m
深さ 9 m
機関 CODAG方式
主機 ロールス・ロイス MT30 ガスタービンエンジン × 1基
MAN社12V28/33D STC ディーゼルエンジン × 2基
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
最大速力 30ノット
乗員 約90名
兵装 62口径5インチ単装砲 × 1門
Sea RAM × 1基
水上艦艇用機関銃架 × 2基
17式艦対艦誘導弾 (SSM-2) 4連装発射筒 × 2基
Mk.41 VLS(16セル)× 1基
07式 SUMほか)※後日装備
HOS-303 3連装短魚雷発射管 × 2基
搭載機 SH-60K 哨戒ヘリコプター × 1機
C4ISTAR OYQ-1 戦術情報処理装置
(リンク 22対応)
レーダー OPY-2 多機能型
ソナー OQS-11 対機雷戦用ソナーシステム
OQR-25 水上艦用ソナーシステム(VDS+TASS)
電子戦
対抗手段
NOLQ-3E 電波探知妨害装置
Mk.137 デコイ発射機 × 4基
その他 無人機雷排除システム(USV+UUVOZZ-5)+EMD)
簡易型機雷敷設装置
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のしろローマ字JS Noshiro, FFM-3)は、海上自衛隊護衛艦もがみ型護衛艦の3番艦。艦名は米代川の下流の別名である能代川に由来する[2][3]。この名を受け継いだ日本の艦艇としては、旧海軍阿賀野型軽巡洋艦能代」、海上自衛隊のちくご型護衛艦のしろ」に続き3代目にあたる。

本記事は、本艦の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはもがみ型護衛艦を参照されたい。

艦歴

中期防衛力整備計画に基づく令和元年度計画護衛艦として、三菱重工業に発注され[4]2020年7月15日三菱重工業長崎造船所で起工、2021年6月22日に「のしろ」と命名され、進水した[4][5][6][7][8][9][10][11][12]。進水後は艤装工事と海上公試を行い、2022年12月15日に就役し、護衛艦隊直轄第13護衛隊に編入され、佐世保基地に配備された[1]

2023年9月30日から10月7日にかけて、関東南方から東シナ海において護衛艦「ゆうだち」とともに日米共同訓練に参加した。米海軍からは空母ロナルド・レーガン」、巡洋艦「アンティータム」・「ロバート・スモールズ」、駆逐艦「シャウプ」が参加し、各種戦術訓練(LINKEX等)、PHOTOEXを実施した[13]。また、同年10月16日から18日にかけて東シナ海において、米海軍空母「ロナルド・レーガン」、巡洋艦「アンティータム」・「ロバート・スモールズ」、 駆逐艦「シャウプ」と各種戦術訓練(LINKEX等)の日米共同訓練を実施した[14]

2023年11月29日屋久島沖米軍オスプレイ墜落事故に伴い自主派遣。墜落から約2時間40分後の17時19分に佐世保基地を出港[15]。翌11月30日の深夜1時9分に現着[16]し、以後、同じく自主派遣された艦艇や自衛隊部隊、海上保安庁などと共に12月4日まで捜索救難活動に従事。機体の一部などを発見揚収するなどした[17]。その後、12月12日12時に捜索活動に再投入され、12月13日まで艦載機のSH-60K回転翼哨戒機も運用しつつ捜索に従事した[18]

2024年6月11日、令和6年度インド太平洋方面派遣(IPD24)第3水上部隊として佐世保基地から出港した[19]。同年7月1日から2日にかけて、フィジー沖からトンガ沖に至る南太平洋において、イギリス海軍哨戒艦テイマー」、オーストラリア海軍揚陸艦チョールズ」とともに日英豪共同訓練を実施した。訓練項目は戦術運動、人員交流及びPHOTOEX[20]。同年7月2日から7月8日の間、トンガ王国ヌクアロファに寄港し、7月4日にヌクアロファ沖で実施されたトンガ海軍国際観艦式に参加した[21]。同年7月10日から11日にかけてヌメア沖においてフランス海軍フリゲートヴァンデミエール」と日仏共同訓練(オグリ・ヴェルニー24‐3)を実施した。訓練項目は各種戦術訓練(対空戦、LINKEX、戦術運動)及びPHOTOEX[22]

2025年2月12日にオーストラリア派遣が発表され[23]、同月17日から同年4月3日にかけて「自由で開かれたインド太平洋」の実現に資するべく実施される令和7年豪州方面派遣訓練に参加する。オーストラリア連邦及びフィリピン共和国に寄港する予定で各国海軍等と共同訓練等を実施する予定[24]。2月25日、モルッカ海峡においてインドネシア海軍哨戒艇「マディディハン」と日インドネシア親善訓練(通信訓練)を実施した[25]。同年3月3日、ダーウィン沖においてフランス海軍フリゲートヴァンデミエール」と日仏共同訓練(オグリ・ヴェルニー25)を実施した。訓練項目は各種戦術訓練(近接運動、CROSS DECK、戦術運動)及びPHOTOEX[26]。同年3月26日にフィリピンルソン島中部にあるスービック海軍基地に寄港し、3月28日には南シナ海において実施された日米比共同訓練に参加した。米海軍からはミサイル駆逐艦「シャウプ」、P-8Aが、フィリピン海軍からはフリゲート「ホセ・リサール」、C-90が参加し、各種戦術訓練を実施した[27]

歴代艦長

進水時点では、クルー制導入のため艤装員長は決められなかった[28]

歴代艦長(特記ない限り2等海佐
氏名 在任期間 出身校・期 前職 後職 備考
1 渡邊真史 2022.12.15 - 2024.3.3 のしろ艤装員長
2 堀 哲暢 2024.3.4 - 2025.4.20 防大49期
3 福岡弘晃 2025.4.21 -

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b 今度は長崎だ! 海自の最新護衛艦「のしろ」就役 次世代多用途艦の3番艦 三菱重工”. 乗りものニュース. 2022年12月15日閲覧。
  2. ^ 高橋浩祐 (2021年6月22日). “海上自衛隊の新型3900トン「もがみ型」護衛艦3番艦「のしろ」が進水――艦名は能代川に由来”. Yahoo!ニュース. https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ea26abf90ef025ac011f8f3f6ee7164feb8d66ff 2021年6月23日閲覧。 
  3. ^ 防衛省・自衛隊 [@ModJapan_jp] (2021年6月22日). "護衛艦の名称は、気象、山や川、地方などの名を付与することが標準とされており、「のしろ」は、岩手県北西部の山岳地帯に源流があり、秋田県北部を流れ日本海に注ぐ米代川下流の別名である「能代川」に由来しています。". X(旧Twitter)より2021年6月23日閲覧
  4. ^ a b 令和元年度計画護衛艦の命名式・進水式について』(プレスリリース)海上幕僚監部、2021年6月15日https://www.mod.go.jp/msdf/release/202106/20210615FFM.pdf2021年6月19日閲覧 
  5. ^ 乗りものニュース編集部 (2021年6月22日). “海自の最新鋭護衛艦「のしろ」進水 新多用途護衛艦の3番艦”. 乗りものニュース (株式会社メディア・ヴァーグ). https://trafficnews.jp/post/108283 2021年6月23日閲覧。 
  6. ^ “海自の新型護衛艦「のしろ」進水 もがみ型3番艦、長崎”. 一般社団法人共同通信社. ノアドット株式会社. (2021年6月22日). https://web.archive.org/web/20210622024451/https://nordot.app/779899466514825216 2021年6月22日閲覧。 
  7. ^ “海自新型護衛艦「のしろ」進水式”. 産経ニュース / 産経WEST (株式会社産業経済新聞社 / 大阪本社). (2021年6月22日). https://www.sankei.com/article/20210622-LQ7XFFSGRFNXBIJPDAMZ6DZ7CQ/ 2021年6月23日閲覧。 
  8. ^ 防衛省 海上自衛隊 [@JMSDF_PAO] (2021年6月22日). "6月22日、三菱重工 長崎造船所において、もがみ 型護衛艦3番艦の命名・進水式が行われました。". X(旧Twitter)より2021年6月23日閲覧
  9. ^ 海上自衛隊佐世保地方総監部【公式】 [@jmsdf_srh] (2021年6月22日). "三菱重工業株式会社 長崎造船所で もがみ型(FFM)護衛艦「のしろ」の命名・進水式が行われました". X(旧Twitter)より2021年6月23日閲覧
  10. ^ 防衛省・自衛隊 [@ModJapan_jp] (2021年6月22日). "【松川防衛大臣政務官の動静】". X(旧Twitter)より2021年6月23日閲覧
  11. ^ 防衛省向け3,900トン型護衛艦「のしろ」の命名・進水式を長崎で実施』(プレスリリース)三菱重工業株式会社、2021年6月22日https://www.mhi.com/jp/news/210622.html2021年6月24日閲覧 
  12. ^ “新型護衛艦「のしろ」進水式”. 讀賣新聞オンライン (株式会社読売新聞東京本社). (2021年6月23日). https://www.yomiuri.co.jp/local/nagasaki/news/20210622-OYTNT50135/ 2021年6月23日閲覧。 
  13. ^ 日米共同訓練について 海上幕僚監部(2023年10月10日) (PDF)
  14. ^ 日米共同訓練について 海上幕僚監部(2023年10月19日) (PDF)
  15. ^ 鹿児島県屋久島沖における米軍オスプレイの捜索救難活動について”. 統合幕僚監部 (2023年11月29日). 2023年12月6日閲覧。
  16. ^ [公表]鹿児島県屋久沖における米軍オスプレイの捜索救難活動ついて”. 統合幕僚監部 (2023年11月30日). 2023年12月7日閲覧。
  17. ^ 鹿児島県屋久沖における米軍オスプレイの捜索救難活動ついて”. 統合幕僚監部 (2023年12月5日). 2023年12月7日閲覧。
  18. ^ 鹿児島県屋久沖における米軍オスプレイの捜索救難活動ついて”. 統合幕僚監部 (2023年12月14日). 2023年12月16日閲覧。
  19. ^ @JMSDF_SDF (2024年6月11日). "6月11日、インド太平洋方面派遣 #IPD24 第3水上部隊 護衛艦 のしろ が佐世保を出港しました。". X(旧Twitter)より2024年6月11日閲覧
  20. ^ 日英豪共同訓練について 海上幕僚監部(2024年7月3日) (PDF)
  21. ^ トンガ海軍国際観艦式への参加について 海上幕僚監部(2024年7月5日) (PDF)
  22. ^ 日仏共同訓練(オグリ・ヴェルニー24-3)について 海上幕僚監部(2024年7月12日) (PDF)
  23. ^ 「もがみ」型護衛艦を豪州派遣 政府、建造計画受注にらみ”. 時事ドットコム (2025年2月12日). 2025年4月3日閲覧。
  24. ^ 令和7年豪州方面派遣訓練について 海上幕僚監部(2025年2月12日) (PDF)
  25. ^ 日インドネシア親善訓練について 海上幕僚監部(2025年2月28日) (PDF)
  26. ^ 日仏共同訓練(オグリ・ヴェルニー25)について 海上幕僚監部(2025年3月7日) (PDF)
  27. ^ 日米比共同訓練の実施について 統合幕僚監部(2025年3月28日) (PDF)
  28. ^ “もがみ型護衛艦3番艦は「のしろ」と命名”. WING (航空新聞社). (2021年6月23日). https://www.jwing.net/news/39932 2021年7月24日閲覧。 

外部リンク


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