水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)とは? わかりやすく解説

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水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/22 05:02 UTC 版)

護衛艦「しらぬい」(DD-120)に搭載された水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)

水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)(すいじょうかんていようきかんじゅうか"えんかくそうさがた")は日本国海上自衛隊で調達、運用されているRWS(Remote Weapon Station、遠隔操作式銃塔)の呼称である[1]

来歴

護衛艦「しらぬい」甲板上の説明板

水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)は主として省人化、省力化及び隊員の安全確保の観点から採用されたもので、海上自衛隊は、既存の12.7mm機関銃を自動化したものと位置付け、従来と同等の運用が行われるものとしている。

2009 - 2011(平成21 - 23)年度に当時の防衛省技術研究本部(現装備庁)が、日本製鋼所を主契約社として、12億円を投じて研究試作を行なった陸上自衛隊の車輌搭載型RWSをベースに開発された。 この車輌搭載型RWSにはサーマルイメージャー、ビデオカメラ、レーザー測距儀、自動追尾装置、安定化装置などが組み込まれており、5.56mm7.62mm、12.7mm機銃及び、40mm擲弾発射器を搭載して評価試験が行なわれたが、搭載を想定していた装輪装甲車 (改)の開発が中止されたため、現時点では陸上自衛隊には採用計画が存在していない。

海上自衛隊はRWSを選定するにあたって、ノルウェーのコングスベルク製の「シー・プロテクター」と日本製鋼所が試作したRWSの比較を実施。その結果国産品は輸入品に比べて維持整備が容易であること、海上自衛隊の要求に合致していたことなどから、「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」は日本製鋼所の試作品をベースに開発されることとなった。

「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」はレーザー測距装置や自動追尾装置、映像記録機能などを省略してコストの低減を図っている。火器は住友重機械工業製のM2 12.7mm機関銃が搭載されるが、日本製鋼所が開発した動力付きの20mm機関砲はM2よりも発射時の反動が小さいため、この機関砲の搭載も可能とされている。なお20mm機関砲搭載型は平成29(2017)年度に防衛装備庁からの受注(受注額8,754万4,800円)により試作も行なわれている。

もがみ型護衛艦の水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)

「水上艦艇用機関銃架(遠隔操作型)」はもがみ型護衛艦及び、あさひ型護衛艦2番艦「しらぬい」に装備されている。調達コストはもがみ型護衛艦用が2隻分4基で1億5215万400円、調達単価約3,800万円で、「しらぬい」用には2基が各2,160万円で調達されている。同型艦の「あさひ」にも搭載されるかは明らかにされていない。いずれも機銃は官給品として支給され、この価格には含まれていない。

脚注

  1. ^ 海自の新型護衛艦、国産RWSを搭載”. www.tokyo-dar.com (2018年11月19日). 2022年11月4日閲覧。

参考文献

関連項目




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