【Tu-95】(てぃーゆうきゅうじゅうご)
旧ソ連のツポレフ設計局がTu-4の後継機として開発・生産した長距離戦略爆撃機。
NATOコード名は「Bear(ベア)(熊)」。
冷戦時代に空中給油なしで米本土を直接爆撃できる長距離爆撃機として開発され、1952年11月に初飛行。
1955年の航空記念日にモスクワの「赤の広場」上空を編隊飛行したことで全世界にその存在が明らかにされた。
機体は内翼部が37度、外翼部が35度の大きな後退角を備えた主翼を持ち、二重反転式プロペラを持つターボプロップエンジンを4基搭載し、プロペラを低速回転させることにより高速力を得る方式を採用している。
そのためプロペラ機としては世界最速を誇り、最も成功したプロペラ機の一つとして挙げられる。
最終的に1990年代まで生産が行われ、派生型も含め総生産機数は500機以上である。
ソ連/ロシア空軍のほか、ウクライナ空軍、カザフスタン空軍で運用されたが、ウクライナ空軍、カザフスタン空軍の保有機は1990年代に退役し、ロシア空軍でも初期型は退役しており、Tu-95MSと転換訓練機のTu-95H/Uのみが配備されている。
海外輸出はされなかったが、インド海軍が派生型である海洋哨戒機型のTu-142Mを導入している。
スペックデータ
乗員 | 7名(機長・副操縦士・航法士・航空機関士・兵装担当士官(爆撃手)・無線士・尾部銃手) |
全長 | 49.13m |
全高 | 13.3m |
全幅 | 50.04m |
主翼面積 | 289.9㎡ |
空虚重量 | 120,000kg |
最大離陸重量 | 187,000kg |
最大兵装搭載量 | 12,000kg |
エンジン | KKBMクズネツォフ NK-12MAターボプロップ(推力11,033kW)×4基 |
速度 (最大/巡航) | マッハ0.83/384kt |
海面上昇率 | 600m/min |
実用上昇限度 | 12,000m/9,100m(兵装満載時) |
フェリー航続距離 | 8,100nm(無給油時) |
戦闘行動半径 | 3,455nm(無給油時)/4,480nm(空中給油1回) |
固定武装 | NR-23 23mm機関砲(尾部銃座)×1~2門 |
兵装 | 各種空対地/空対艦ミサイル: Kh-20(AS-3),Kh-55(AS-15A),Kh-65E(AS-15),Kh-22(AS-4),Kh-35(AS-20、Tu-142Mのみ) 各種爆弾: FAB-100/-250/-500/-1000通常爆弾,RBK-250/-500クラスター爆弾,TN-700/-1000核爆弾等 |
派生型
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