肖像権(しょうぞうけん)
個人の顔や姿などの肖像は、ひとつの権利として保護される対象になっている。個人の写真をみだりに公開されない人格権のほか、財産権としての利用価値がある。
特に、タレントやスポーツ選手といった有名人の場合、その人物の写真や映像には経済的な価値があると考えられている。そのため、これらの肖像を無断で営利的な目的に使われないように、権利(パブリシティー権)として保護されているわけだ。
競技している場面がよく放送されるスポーツ選手の肖像権は、例えばスポーツ用品などの広告の分野で商業的な利用価値が高い。そこで、日本オリンピック委員会(JOC)は、所属選手の肖像権をスポンサーに販売することで、強化費などを捻出するという一括管理を行ってきた。
ところが、今月17日の理事会で、条件つきで一括管理の適用除外について選手個人に広く認めることを決定した。すでに適用除外を認められているマラソンの高橋尚子選手に続き、柔道の田村亮子選手やスピードスケートの清水宏保選手なども適用除外を求めている。適用除外が認められると、肖像権を使ったCMの出演料などは、JOCではなく、個人のものとなる。
(2002.04.26更新)
肖像権(しょうぞうけん)
肖像権
【独】 das Recht am eigenen Bild
人が自らの肖像を,他人によって写真,絵画,彫刻等においてみだりに利用されないことを内容とする権利。わが国にはこれを正面から規定する法条はないが,プライヴァシーと同様,幸福追求権(憲13条)に由来する人格権の一種として解されている。肖像権の違法な侵害は不法行為を構成し(ただし,違法性の限界は必ずしも明確でない。),これに対して被害者は差止めもしくは損害賠償またはその双方を請求することができる。
なお,刑事訴訟法においては,身体の拘束を受けている被疑者の写真を令状なしに撮影することが認められており(刑訴218条2項),また,速度違反車両の自動撮影のように,現に犯罪が行われている場合になされ,証拠保全の必要性・緊急性があるなどの一定の要件を満たす場合には,本人の同意ないし裁判官の令状なしに個人を写真撮影することが許されるとされている(最大判昭44・12・24刑集23巻12号1625頁,最判昭61・2・14刑集40巻1号48頁)。
関連項目
(注:この情報は2007年11月現在のものです)
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