【F-11】(えふじゅういち)
Grumman F-11(F11F)"Tiger"
グラマン社がアメリカ海軍向けに開発した艦上戦闘機。
F9F-6「クーガー」の改良型(F9F-8)として1952年4月から開発が開始され、試作機のF9F-9が1954年7月に初飛行した。
元となった機体がF9F「パンサー/クーガー」シリーズであるため、原型機は「YF9F-9」の名称で呼ばれたが、実際には全く別物と言っても良い機体に仕上げられている。
胴体は発見されたばかりのエリアルールに基づき再設計され、F9Fシリーズでは垂直尾翼中程に取り付けられていた水平安定版は胴体後部に移されている。
また、主翼付け根にあった空気取り入れ口も胴体に取り付けられた他、主翼の外板も新技術を使用して加工されていた。
エンジンにはライト社製のJ65-W-18(推力3,380kg)が搭載された。
1957年から部隊配備が開始されたが、機体重量に対してエンジンが非力だったため、速度・加速・上昇性能において劣り、さらには全天候性能や多用途性に欠けたため、196機で生産終了となった。
実戦部隊では1961年に退役した。
しかし、離着艦性能、操縦性、運動性においては非常に優れていたので、アメリカ海軍の曲技飛行隊「ブルーエンジェルス」の使用機として1969年まで使用された。
また、日本の航空自衛隊における第一次FX(F-86後継)の候補機としても選定され、いったんは採用が決まったものの、関係する政治家の汚職が発覚して白紙に戻され、輸出も幻に終わっている。
スペックデータ
乗員 | 1名 |
全長 | 14.31m |
全高 | 4.03m |
全幅 | 9.64m |
主翼面積 | 23.2㎡ |
空虚重量 | 6,090kg |
最大離陸重量 | 10,052kg |
エンジン | ライト J-65W-18ターボジェット(推力33.1kN/46.7kN(A/B使用時))×1基 |
最大速度 | 652kt |
実用上昇限度 | 12,770m |
航続距離 | 1,104nm |
兵装 | コルト Mk.12 20mm機関砲×4門 AIM-9「サイドワインダー」AAM Aero 6A または Aero 7Aロケット弾ポッド 150galドロップタンク等 |
派生型
- えふじゅういちのページへのリンク