『九章算術』の注釈本とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 『九章算術』の注釈本の意味・解説 

『九章算術』の注釈本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 02:31 UTC 版)

劉徽」の記事における「『九章算術』の注釈本」の解説

263年数学問題とその解法をまとめた有名な書『九章算術』の注釈本を著した劉徽は、平方根具体的に計算せずに近似よりも正確な解を求めた最初数学者1人である。劉徽数学的解を(度量衡単位使い十進分数表した。後の楊輝1238年 - 1298年)は、完全な十進表現数学的解を表している。 劉徽注釈本の中で、ギリシアピュタゴラス紀元前580年 - 紀元前500年)のピタゴラスの定理と全く同じことを記述している。その定理表した図について劉徽は、「この図は斜辺その他の2辺の合計差分の関係を表したもので、3辺のうち2辺が既知であれば、残る1辺を求めることができる」と記している。平面および立体図形取り扱いについて、劉徽経験主義的な立体幾何学多大な貢献をしている。例えば、(くさび)の形状四角錐三角錐分けられることを明らかにしている。さらに、底辺台形両面傾斜している四角錘と2つ三角錐分割できることも示した。 『九章算術』の注釈本の中で、次のようなことを記している。 1章注釈の中で、円周率の計算アルゴリズム取り尽くし法)を示している。彼は192 (= 25 × 6) 辺の多角形使い円周率を 3.141024 < π < 3.142074 {\displaystyle 3.141024<\pi <3.142074} と求めたアルキメデス外接する96角形使って π < 22 7 {\displaystyle \pi <{\tfrac {22}{7}}} という不等式求め次に内接する96角形から 223 71 < π {\displaystyle {\tfrac {223}{71}}<\pi } を求めている。劉徽求めた不等式アルキメデスそれより若干正確である。ただし、注釈の中で 3.142074 は大きすぎるとして、3.141024 から先頭の3採用して円周率は約3.14(徽率)」とし、 π = 157 50 {\displaystyle \pi ={\tfrac {157}{50}}} という分数形式表した。後にもっと素早く円周率求めアルゴリズム考案し、 π = 3.1416 {\displaystyle \pi =3.1416} という値を得た。この値を3072角形 (= 29 × 6) を使って検算し、結果満足した。『九章算術自体円周率を3として計算しているが、張衡紀元78年 - 139年)は10の平方根円周率の近似値としていた。 ガウスの消去法 カヴァリエリの原理使い円柱体積求めている。 注釈本はしばしば、ある算法使えて他の算法使えない理由記してある。しかし、彼の解には間違いもあり、後に唐代数学者淳風劉徽間違い正している。 『九章算術』には運河建設干拓堤防建設に関する問題もあり、劉徽建設必要な資材労働力時間などの総量注釈本示している。

※この「『九章算術』の注釈本」の解説は、「劉徽」の解説の一部です。
「『九章算術』の注釈本」を含む「劉徽」の記事については、「劉徽」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「『九章算術』の注釈本」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「『九章算術』の注釈本」の関連用語

『九章算術』の注釈本のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



『九章算術』の注釈本のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの劉徽 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS