『トワイライト・オブ・ジ・イノセンツ』期
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「アッシュ (バンド)」の記事における「『トワイライト・オブ・ジ・イノセンツ』期」の解説
『メルトダウン』がリリースされた2004年前後は、ちょうどリバティーンズからフランツ・フェルディナンドに至るポスト・パンク系バンドが台頭し、以来、堰を切ったように次々とインディ・ギターバンドが頭角を現す空前の若手バンド・ブームが到来した時期だったせいもあって、英国メディアからは“アッシュは時代遅れのロック”などといった論評が散見されるようになった。 さらに2006年に、前年からソロ活動を始めていた シャーロットが突如脱退し、再び結成時の3ピースに戻るという事態に直面する(実際は、ソロ活動とアッシュの活動を並行させることの折り合いがつかなくなった彼女への、他のメンバーからの脱退勧告であった。現在のところ、声明では脱退後も彼女とメンバーとの関係は良好であると説明されている)。加えてレーベルとの契約問題やティムの婚約解消などといったネガティブな出来事が降りかかり、バンドは混乱状態に陥る。そんな辛い経験を経て、「大人になり、理想やロマンチックな気持ちだけでは物事を見られなくなった」という想いを込めたニュー・アルバムの製作が進められた。 そして2007年6月、3人体制へ戻ってから最初の作品となる5作目『トワイライト・オブ・ジ・イノセンツ』を発表。メンバーが最高傑作と口をそろえる先行シングルの「ユー・キャント・ハヴ・イット・オール」(全英16位)を筆頭に、キャッチーさを追求したポップなロックナンバーが揃った。しかし一方では彼らの「深化」を象徴するように、サイケデリックな要素を持ち込み、ストリングスを大きく導入した壮大な展開をみせるなど、これまでにない実験性も覗かせている。このアルバムは、snoozer誌編集長の田中宗一郎からは「キャリア15年目の最高傑作」と絶賛され、ファンからも好意的なレビューで迎えられたが、英プレスからの評価はそれに比べるとやや辛辣で、商業的には全英32位と前作までに比べるといまひとつに留まった。 なお、このアルバム発売前に、これからはダウンロードによる作品発表を行っていくため、今作がCDという形ではラストアルバムになることが公表された。以降は、第一線での音楽活動から少し距離を置く、独自路線のバンド運営をしていくようである。 このアルバムの発表に伴って同年のフジ・ロック・フェスティバルへ出演。トリ前のホワイトステージにも関わらず同ステージは満員札止めの入場規制となり、これまでのホワイトステージでの最多動員記録(約1万2千人)を作った。 翌2008年には、札幌から福岡までを巡る長期の単独日本縦断ツアーを敢行した。さらに間髪入れず、7月にはアジアン・カンフー・ジェネレーション主催のNANO-MUGEN FES.に出演。
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