「避難準備・高齢者等避難開始」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 10:27 UTC 版)
「避難準備」の記事における「「避難準備・高齢者等避難開始」」の解説
日本においては水害・土砂災害発生の可能性があるときに、災害対策基本法第56条の規定に基づいて、市区町村長が避難の準備を呼びかける情報を発表していた。 2004年(平成16年)に新潟・福島豪雨などの風水害により高齢者の被害が相次いだことから、2005年(平成17年)に内閣府のガイドラインで「避難準備情報」として制定され、同年6月28日に新潟県の三条市と長岡市ではじめて適用された。しかし、2016年(平成28年)の台風第10号において情報の意味するところが伝わっていなかったことにより被害が起きたことから、高齢者等の避難を開始する段階であるということをより明確にするために、同年12月26日より「避難準備・高齢者等避難開始」に名称が変更された。気象情報などに注意していつでも避難を始められるように準備すること、危険を感じる人や避難に時間を要する人(高齢者等)は避難を開始することを呼びかけるものである。 さらに2021年(令和3年)5月20日(改正災害対策基本法が施行)より、避難行動の対象者をより明確にするため、情報の名称を「高齢者等避難」(英: Evacuation of the Elderly, Etc.)に改称しており、水害・土砂災害においては「避難準備」という情報は発表されなくなっている(これらの災害以外では、噴火警報などでも「避難準備」という情報が規定されていた)。 いずれも避難指示の下位の情報として位置付けられており、防災気象情報の警戒レベル3の情報に相当する。 避難は、学校や病院・福祉事務所などのそれぞれの機関で作成されている「地域防災計画」や「防災業務計画」に基づき行われる。「人的被害が発生するおそれ」という不確実な段階で地域の人々の避難準備をさせる、すなわち災害が発生しない可能性も内在しながら、人々の生命を優先させるために発令することに意義がある。なお、この情報が発令されたとしても、事業所の活動や商店などの営業は可能となっている。 テレビやWebサイト等による伝達の際、ガイドラインではISO 22324等を参考に危険度をカラーレベルで表現することが望ましいとされている。一例として2021年4月時点で避難準備は、NHKのテレビ放送では警戒レベルの配色に合わせて 赤系統、Yahoo! JAPANの避難情報のページでは 黄色系統(※高齢者等避難に改称後は 赤系統)を使用していた。
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