「名誉殺人」の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 14:03 UTC 版)
「インドにおける性に関する問題」の記事における「「名誉殺人」の問題」の解説
名誉殺人とは、女性の婚前・婚外交渉(強姦も含む)を女性本人のみならず「家族全員の名誉を汚す」ものと見なし、この行為を行った女性の父親や男兄弟が家族の名誉を守るために女性を殺害する風習のことである。 詳細は「名誉の殺人」を参照 アムネスティ・インターナショナルは、名誉殺人が行われている国および地域として、バングラデシュ、トルコ、ヨルダン、パキスタン、ウガンダ、モロッコ、アフガニスタン、イエメン、レバノン、エジプト、ヨルダン川西岸、ガザ地区、イスラエル、インド、エクアドル、ブラジル、イタリア、スウェーデン、イギリスを挙げている。 名誉殺人は、主に中東のイスラーム文化圏を中心に行われているため、イスラーム教と関連した風習と見なされることが多い。しかし、実際にはイスラーム教とは無関係で、イスラーム教徒以外の間でも行われており、専ら地域の因習によるものであるとされる。 ヒンドゥー教の伝統において、異カーストでの結婚・性的関係を持つことは固く禁じられていたが、特に経済成長が著しいインドでは、近年異なるカーストの男女が恋愛関係になることが増えている。インドでは、異なるカーストで関係を持ったカップルを親族らが殺害する「名誉の殺人」が相次いでいる。社会学者プレム・チョードリーによれば、インドの名誉殺人の犠牲者数は、あくまでも推計であるが年間数百 - 千人で、近年は増加傾向にあるという。インド政府は、これまで罰則のなかった名誉殺人の「教唆」に罰則を設ける刑法改正案を準備中である。名誉殺人そのものにも厳罰を下せるよう法改正を検討している。 なお、カーストはヒンドゥーの教えを元にする区分であるが、インドに於いては、ヒンドゥー以外の宗教の信徒も、カーストを持つことがある。そのため、ヒンドゥー以外の信者の中でも、カーストにまつわる名誉殺人が起こることがある。 なお、名誉殺人の被害者の性別は圧倒的で男性である。[要出典]
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