「スピリチュアル・ビジネス」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/24 05:18 UTC 版)
「スピリチュアリティ」の記事における「「スピリチュアル・ビジネス」」の解説
スピリチュアルを商材とするビジネスは、「スピリチュアル・ビジネス」と呼ばれ、日本でも市場規模は正確に不明であるが、1兆円ほどといわれ(2011年時点)、拡大傾向にある。有元によれば、スピリチュアル・ビジネスは健康産業、娯楽産業、コーチングまたはコンサルティングなどの多角的な側面を持つ産業分野であり、目に見えない力を扱うため、常識を超えた解決方法が見つかるかもしれないという期待感を抱かせるという点に最大の魅力と強みがあると指摘した上で、商品に期待される主な価値として、次の3点をあげている。 努力することなく、それまでの人生をガラッとリセットして全く違う本来のすばらしい自分になれるという変身願望。 透視能力を備えた専門家の肯定的な言葉や静寂、香り等によってもたらされる深い安心感とリラックス、神秘体験。 超越的な非日常の中で遭遇する特別な自分や特別な人生が与えてくれる、人生や自分の存在の意味付け、優越感。 スピリチュアル・ビジネスは、自身の霊的成長や心身の鍛錬など自己啓発的な用途は少なく、ヒーリングや瞑想、古武術などの教室、オーラソーマなどヘビーユーザーが比較的多いもので若干みられる程度である。マーケットの主な関心は、開運や心身の不調の改善など現世利益と実益に関わる用途である。(有元は健康オタクとスピリチュアル・コンシューマーの特性は重複するところが多いと述べている。)スピリチュアルやスピリチュアル・ビジネスでは、パワーストーン、オーラソーマ、フラワーレメディ、ホメオパシー、アロマ商品といったヒーリンググッズ、サイトから配信されるエネルギーを与えるという映像や音楽、瞑想の誘導支援を行うWebヒーリング・オーディオヒーリングなどの関連商品の占める位置が大きい。ニューエイジは物質主義を敬遠して精神性を重視する文化として日本に導入されたが、それを受けついだ日本のスピリチュアルでは、物質的な豊かさの実現や人間関係改善の手段としてスピリチュアリティを用いるという現象が起きていると有元は論じている。 被害も発生しており、2017年には占い師が信奉者の女性を風俗店で働かせたとして、9800万円の賠償金を払うよう命じられた。
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