未来少年コナン 登場人物

未来少年コナン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 18:06 UTC 版)

登場人物

記載内容は、1. キャラクターの日本語名、2.( )丸括弧内に補足情報(a. 必要に応じて読み仮名などの補足情報〈別名は 4.で記す〉。b. 確認できる英語版での名称[21]〈※対訳語とは限らない〉)、3. 声優の情報、4. 作中における特徴、および、作中に限らない特筆すべき事象。以下、人物に限らず同様。

主要人物

コナン(Conan)
- 小原乃梨子
主人公。のこされ島で誕生した、自然を愛する12歳(2016年生)の快男児。脚力・腕力・肺活量・反射速度・瞬発力・動体視力など、どれをとっても大人以上の人並み外れた驚異的な身体能力と、命の危険を目前にした状況でも冷静さを失わない不屈の根性を持つ。頭の回転も早く、強い意志と決断力も備えているが、その心根は優しく、自分を殺めようとしたモンスリーの命を救っており[注 5]、こうした行動はモンスリーが改心するきっかけとなった。また、同じく自分を殺めようとしたレプカに対しても墜落を待つのみとなったギガントから部下共々救おうとしたが、救うことは叶わなかった。
両親はすでに亡くなっている(母親のみ第2話の回想シーンに登場する)。生まれてからずっとのこされ島で暮らしており、おじい以外の人間を見たことがなかったが、ラナとの出会いによって大きく運命が変わる。のこされ島時代からに使っていたを自在に操る。
ラナ(英:Lana)
声 - 信沢三恵子
ヒロイン。12歳になる、ラオ博士の孫娘。テレパシー能力を持ち、アジサシテキィと心を通わせたり、ラオ博士と意思疎通を図ることができる。そのためにレプカから目を付けられており、功を焦ったダイスによってそれまで住んでいたハイハーバーから拉致される。バラクーダ号から逃亡を図り、漂着した先ののこされ島でコナンと出会う。両親はすでに亡くなっており、ラオ博士の娘で叔母にあたるメイザルの家に親の写真と母の形見が残されている。原作での名前は「ラナ英:Lanna)」。
ジムシィ(表記揺れ:ジムシー[注 6]英:Jimsy)
声 - 青木和代
コナンがのこされ島を出て最初に漂着したプラスチップ島で出会った10歳(2018年生)の小柄な少年。首にコナンの乗ってきたの帆をまとっている。コナンと互角に渡り合う運動能力の持ち主で、大の食いしん坊で狩りの名人。最初は食料を盗み食いされたことに怒ってコナンと衝突したが、実力を認め合いすぐに意気投合する。コナンと同様、女性を見たことがなかったため、「泣き虫で、意気地なしで、大食い」という偏見をもっていたが、ラナと会ってからは考えを改め、ハイハーバーではテラと心を通わせるようになる。コナンほどの熱血漢ではなく、やや打算的で気分屋のところもあるが、友情に厚く常にコナンと行動をともにする。好物はカエル干物で、ハイハーバーでは養豚に関心を持つ。後半ではダイスとの名コンビぶりで活躍した。
ダイス(英:Dyce)
声 - 永井一郎
ダイス船長英:Captain Dyce)。インダストリア貿易局員で、機帆船「バラクーダ号」の船長。普段は採取したプラスチップをインダストリアに運搬している。密航しようとしたコナンとジムシィを見とがめるが、コナンの熱意を汲んで二人をバラクーダ号で働かせる。「海の男」を自負しているだけあってインダストリア周辺の海域を正確に把握しており、船員達からも信頼されているが、反面ほら吹きで軽薄なところもある。作業用ロボット「ロボノイド」を自在に操るなど、機械の扱いに長けている。ハイハーバーに上陸後、ラナを最初に拉致した張本人でもあるため、これがハイハーバーでのバラクーダ号受難の一因となった。
当初はラナに愛情を寄せ、そのために結果を顧みずに行動して船員達を危険に晒すこともあった。レプカに反逆し、ラナを連れてインダストリアから脱出しようとするが、追手により部下共々捕らえられて投獄される。その後、日干し刑にされていたところをコナン達に救われ、以後はコナンと行動を共にするようになる。レプカが太陽エネルギーでギガントを復活させた際には、コナン、ジムシィと共闘し、ギガントを破壊した。
モンスリーとは犬猿の仲だったが、次第に好意を寄せ合うようになり、最終話にてモンスリーと結婚した。最終話時点での年齢は35歳(1993年生)。
企画段階の初期設定では「ヒトラーのような極悪人」と設定されており、世界征服をたくらむ悪の親玉であった[注 7]
モンスリー(英:Monsley)
声 - 吉田理保子
インダストリア行政局次長。レプカの命令により、のこされ島からラナを連行する。美人かつ聡明で判断力にも優れている人物。また格闘戦術を得意とし、武器の扱いや乗り物の操縦にも長けるため、上司であるレプカや部下からの信頼は厚い。コナンの強靭な意志と身体能力の高さに惚れ込み、インダストリア市民として教育しようとしたが、ハイハーバーでの敗北とコナンの信頼を得たことで、コナン達と共闘を決意する。インダストリアに帰還後、レプカに独裁的なやり方を改めるよう進言するが、裏切り者と見做されて処刑されそうになる。処刑寸前のところでコナンたちに救われ、レプカとは完全に決別した。
敵対していた頃は気が強く無愛想な性格で、ダイスには「高慢ちきな女」と評されていた一方、心の内には最終戦争での悲惨な体験の記憶を秘めていた[注 8]。ハイハーバーに上陸して以降は、コナンとの関わりを経て改心。性格や口調も穏やかになっていき、第23話ではラナとラオ博士を救ってくれたコナンに涙を流して感謝する。また、終盤ではコナンの帰りを待ち続けるラナを気遣っている。
ダイス相手には「バカね! 」とよく口にしているが、最終話で彼と結婚。最終話時点での年齢は28歳(2000年生)。原作での名前は「マンスキー英:Dr. Manski)」で家族を戦争で喪った設定などはこの時点からあるが「息子が西側の人間に殺された」という趣旨の説明をしており、戦争当時子供だったアニメ版よりかなり年長の人物だった。
ブライアック・ラオ(英:Dr. Briac Lao)
声 - 山内雅人
ラオ博士英:Dr. Lao)。年齢は60歳(1968年生)。ラナの祖父で、ハイハーバーの住人であるメイザルの父親にあたる。太陽エネルギーの開発に関わった科学者チームの生き残りで、太陽エネルギー活用法の実用化が超磁力兵器の開発を招いたことに負い目を感じている。フライングマシンでインダストリア脱出を図った際に撃墜され、この時の負傷によって容姿が大きく変わったことを逆手に取って別人になりすまし、パッチ英:Patch)という偽名を使ってサルベージ船の責任者となっていた。インダストリアの許可なくコナンとラナを働かせ始めたことでテリットの不審を買い、最終的には自分のテレパシーを察知したラナに正体を気付かれることとなった。正体が明らかになった後、コナンには乱暴な振る舞いをしたことを謝罪し、ラナを守るために戦ってくれたことを深く感謝する。その後はハイハーバーに向かうダイスにラナ達を預け、自分はインダストリアに戻るが、レプカに拘束された揚句、拷問にかけられる。以後は気力だけで生きていたらしく、既に動くことができず、やがて失明し、耳も聞こえなくなり、ラナとのテレパシーで辛うじて意思疎通できる状態となった。最終話にてコナン達に見守られながら眠るように息を引き取り、水葬された。原作での名前は、偽名が「パッチ英:Patch)」、通称は「先生英:Teacher)」で、本名は「ブライアック・ロア英:Dr. Briac Roa)」。一人称は、偽名のパッチを名乗っていた時は「俺」で乱暴な口調だったが、正体判明後は「私」になり、穏やかな口調に改めている。
レプカ(英:Lepka)
声 - 家弓家正
インダストリア行政局長。37歳(1991年生)。インダストリアのエネルギー問題解決のため、委員会に太陽エネルギー復活を説くが、その実は独裁政治を志向するタカ派。太陽エネルギーの秘密を握るラオ博士と、ラオ博士の手掛かりとなるラナを追う。「うろたえるな! 」が口癖。登場した当初は、ダイスの勝手な行動を咎めたり、委員会には忠実な態度を取っていたが、実際には自分以外の他人を敵か道具としか見ない冷酷非情な人物で、目的のためには手段を選ばない。中間管理職としては有能な人物で、インダストリアの実権を掌握し、太陽エネルギーをもって戦略爆撃機ギガントを復活させ、世界の支配者となることに野心を燃やす。
大変動前の軍用機器の扱いに長けており、ギガントの機能や細部の操作方法まで把握しているところから見て、元々はギガントや超磁力兵器の開発や運用に携わる軍人の一族出身のようにも思われる。[独自研究?]
いったんはラナを連れ去ってフライングマシンで脱出しようとしたところをコナンに撃墜され、死亡したと思われたが、太陽エネルギー復活後に忠誠を誓う部下達とともに決起してギガントの起動に成功。しかし、コナンたちの力を見くびってすぐに大気圏外へ出ず、ハイハーバーを目指したため、その隙を突かれて内部に突入される。エンジンルームに侵入したコナンたちにギガントの中枢を破壊され、飛行も不可能な状態に追い詰められると、部下の大半を見捨てて交通艇で逃亡をはかったものの、交通艇切り離し直後に艇内に飛び込んできたコナンに妨害される。最後は助けようとしたコナンの手を放してしまい、部下共々ギガントと運命を共にする。敵として立ちはだかりながらもコナンとの関わりを経て改心したモンスリーとは違い、最後まで自分の考えを改めることはなかった。
狡猾で頭が切れる反面、コナンらの常人離れした身体能力に取り乱すことも少なくない。クーデターにより完全な独裁体制を敷いた後は、最高委員会が相手でも異を唱えれば発砲するなど容赦ない態度を取り、考えを改めるよう進言したモンスリーですら、裏切り者として処刑しようとした。第24話では「地下住人たちがこれまでの仕打ちを許すと言っている今、ギガントを復活させて何の意味があるのか」と疑問を呈した部下を躊躇することなく射殺している。
天空の城ラピュタ』のムスカとは服装や性格が似ており、実際に『ジブリ・ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』など一部の資料では、レプカを彼の末裔として紹介している[注 9]
原作での名前は「レプコ英:Lepko)」。原作では出番が少なくインダストリアに連れ込まれたコナンとの騒動と、コナンをパッチの労働用に引き渡す場面[23]ぐらいで、最終的な生死も不明[注 10]

のこされ島

おじい(英:Grandpa)
声 - 山内雅人
コナンとのこされ島で暮らしていた老人。「おじい」としか呼ばれないため、本名は不明。かつて、最終戦争の際にコナンの両親を含む9名の仲間と地球を脱出しようとしたものの失敗し、絶海の孤島に不時着した。以来、この島で暮らしている。暮らし始めてからコナンが誕生するも、彼の両親を含む他の仲間達は死に、物語開始時点ではコナンと二人きりで生活していた。周囲との交流が無いため、自分たち以外にも生存者がいるという事実を、ラナが漂着するまでは知らずにいた。コナンのことは我が子のように可愛がっており、コナンもおじいのことは父のように慕っていた。漂着したラナのことも快く迎え入れたが、ラナを追って乗り込んで来たモンスリー達を追い返すためロケット弾を持ち出した際、クズゥの放った銃撃がロケット弾に当たり、暴発に巻き込まれ致命傷を負った。最期を看取ったコナンに島を出て仲間を見つけ、助け合って生きるよう言い遺して息を引き取った。64歳没。

インダストリア

モウ(英:Mo)
声 - 雨森雅司
インダストリア最高委員会の中心人物で、政策などの重要事項を承認する役割を果たす。委員会はレプカの行動に何かと口を挟むが、原子炉の維持・使用には委員達の承認が不可欠であるため、レプカにとっては目の上のこぶとなっている。元は大変動直後という状況下でもガンボートを動かして被災者の救難活動の陣頭指揮を取るほど指導力にあふれた人物だったが、不足しがちなエネルギーや物資の物流のコントロールに忙殺されるあまり、行政全般をレプカに丸投げしてしまっていたことが災いし、不満を抱いたレプカにクーデターを起こされ、レプカによる完全な支配へとつながってしまった。
第23話にて、ラオ博士の指示の下で太陽エネルギーの復活に尽力するも、「愚かな私どもに余る力」だと改めてエネルギーの恐ろしさを感じていた。第25話にて、ラオ博士と握手した後にハイハーバーへと出航準備をする船から降り、沈みゆくインダストリアと運命を共にした。三角塔の屋上部分に立ち、皆を見送る姿をラナ達は最期に目撃している。
ケイ、エイ、ジュン(英:Jun, et al.)
声 - 三田松五郎村松康雄千葉順二
インダストリア最高委員会の委員である学者達。普通のメガネをかけたほうがジュンで、黒メガネをかけているのがエイ。彼らを含めた委員達は、基本的に温厚な面々でラナ達にも中立的な立場をとるが、その行動力の弱さを突かれて行政局員への影響力を失ってしまい、レプカの暴政どころかクーデターすら制止できない無力な存在として描かれた。
第23話にて、ラオ博士の指示の下で太陽エネルギーの復活に尽力する。第25話にて、ラオ博士と握手した後にハイハーバーへと出航準備をする船から降り、沈みゆくインダストリアと運命を共にした。三角塔の屋上部分に立ち、皆を見送る姿をラナ達は最期に目撃している。
クズゥ(表記揺れ:クズウ、英:Kuzo)
声 - 水鳥鉄夫(水鳥鐵夫
モンスリーの部下のひとり。ドジを踏んではコナンたちに出し抜かれる場面が多い。ハイハーバーでの敗北後は、インダストリアの兵士達と共に同地で麦刈りをして暮らす。26歳(2002年生)。
ドゥケ(表記揺れ:ドゥーケ、英:Tokeh)
声 - 若本紀昭
モンスリーの部下のひとりで、飛行艇ファルコのパイロット。後にクズウやインダストリアの兵士達と共にハイハーバーで麦刈りをして暮らす。24歳(2004年生)。
ルーケ(英:Luke)
声 - 田中秀幸
インダストリアの地下住人の中心的存在で、ラオ博士と面識がある。23歳(2005年生)。レプカの政策に反対したため、他の地下住人と同じように額に烙印を押され、囚人として投獄されていた。偶然牢屋にやってきたコナンの助けを借りて脱獄し、以降コナン達に協力する。三角塔の地下通路の構造を知り尽くしている。
身体能力はコナンに劣るものの、信義に厚く、危険な状況でもレジスタンスの人々を纏め上げる指導力はコナン達にとっても頼れる人物の証となった。コナンの健気さに感じ入っているらしく、共にすごした時間は短いながらも好意的に接してくる。
再びコナンたちがインダストリアを訪れた時は、地上へ出るための装甲シャッターを閉じられた上、レプカの策略により地下住民共々隔壁の爆破によって流れ込んだ水により命の危機に晒されたが、コナン達によって装甲シャッターが開けられたことにより難を逃れる。その後、自分たち地下住民や、ラナとラオ博士を救ってくれたコナン達に深く感謝する。太陽エネルギー復活後は、サルベージ船で引き揚げた船の修理を仲間達と行い、ハイハーバーへ移住。その後、コナン達と共にのこされ島へ向かう。
ルーケの父
声 - 山内雅人
息子であるルーケ同様、レプカの政策に反対している。容姿と声がおじいと瓜二つであり、コナンには「おじい」と呼ばれている。ルーケや仲間達を救ってくれたコナンに深く感謝するなど、ルーケ同様好意的に接してくる。初めて会った際、コナンは彼の姿に亡きおじいを重ね、目を潤ませていた。

バラクーダ号

ドンゴロス(英:Dongoroth)
声 - 神山卓三
バラクーダ号の水夫長で、30歳(1998年生)。コナンとジムシィの世話係となり、特にバラクーダ号に残ったジムシィとは仲が良い。最終話ではハイハーバーで奥さんと彼そっくりの1人の子供がいるのが確認できる。
パスコ(英:Bosco)
声 - 池田勝
バラクーダ号の水夫で、32歳(1996年生)。ドンゴロスとは親友。
グッチ(英:Gutch)
声 - 増岡弘
バラクーダ号のコックで、29歳(1999年生)。常に仏頂面で寡黙な性格。プラスチップ島ではジムシィの持ってくるネズミなどの食材を、タバタバ(タバコ状の嗜好品)と交換していた。
ハイハーバーでは合成品ではない天然小麦で作るパンの製法を習っていた。最終話ではドンゴロス同様、ハイハーバーで奥さんと彼そっくりの双子の子供がいるのが確認できる。

サルベージ船

テリット(英:Territ)
声 - 納谷六朗
サルベージ船の書記で、20歳(2008年生)。インダストリアでドジを踏み、サルベージ船へ左遷された過去を持つ。二等市民への昇格を切望しているが、それに必要な点数を与えないパッチを目の敵にしている。行動はかなり卑劣で、パッチが指示したこと以外の仕事を独断でラナに強いた上、それに強く抗議したコナンをクレーンで痛めつけるなどの行為を行った。その行為が仇となりパッチの怒りを買う。その際にも、自分のことを棚に上げてパッチを規則違反者として逮捕するように指示していた。後にパッチがラオ博士だったことをモンスリーに知らせるも、みすみす逃したため二等市民の夢は潰えてしまった。第24話にて、クレーンに挟まれて事故死してしまった事実をルカは語っている。
ルカ
声 - 水鳥鉄夫
サルベージ船の作業員で、55歳(1973年生)。行方知れずの孫がコナン達と同じ年頃だったらしく、早くからコナン達を気にかけていた。雑用が趣味らしく、陸側で食堂も営んでいる。テリットには見下されていたが、第24話にて沈没船が引き上げられた光景を目の当たりにし「テリットさんにも見せてあげたかった」と泣きながら呟いていた。第25話ではコナンを心配するラナを元気づけたり、沈み行くインダストリアを見て涙を流していた。

ハイハーバー

オイトン
声 - 水鳥鉄夫
ハイハーバーの村長で、53歳(1975年生)。大変動が起こる前はコンピューター技術者だった。
ガル(英:Garu)
声 - 宮内幸平
ハイハーバーの漁撈長。47歳(1981年生)。船を出して息子たちと漁を行うほか、生簀(いけすも持っている。コナンを気に入り、漁やハイハーバーの決まりを教える。火薬に魅せられており、何でも手製の爆弾で解決しようとする。この爆薬はかなり強力で、手に乗るほどの量でもバラクーダ号座礁させ、樽一個分になるとインダストリアのガンボートを沈没させてしまうほどの威力がある。第19話ではバラクーダ号も爆弾で爆破しようとしたが、導火線が濡れたことと大津波の発生により、爆破には至らなかった。彼の生簀のそばには戦争時にラオ博士が人々の救出に使ったフライングマシンや機械が置いてある。
シャン(英:Sean)
声 - 中村武己
ラナの叔父でラオ博士の娘婿。31歳(1997年生)。ハイハーバーの本村の郊外で診療所を営んでいる。ダイスがラナを拉致しに来るまで妻とともにラナを養っていた。中盤ではコナンやジムシィを自ら迎え入れて責任を負う。村での発言力も大きい。ハイハーバーを大津波が襲った後、コナンが再びインダストリアに向かうことを知った際には一度反対したが、コナンの決意が固いことを知ると、村長らを説得してコナン達を送り出すことを決める。最終話では、ダイスとモンスリーの結婚式で司会を務めた。
メイザル(英:Meizel)
声 - 斉藤昌子
ラオ博士の娘でシャンの妻。29歳(1999年生)。ラナの叔母にあたり、ラナから母親のように慕われている。コナンとジムシィを温かく迎え入れる。
サク
声 - 塩屋翼
ガルの息子。13歳(2015年生)。常に父の漁の手伝いをしている。
タルコス
声 - 山下啓介
ハイハーバーの風車村の責任者で、33歳(1995年生)。ダイスに鍛冶仕事を教える。
オーロ(英:Orlo)
声 - 石丸博也
ハイハーバーの本村の反対側にある荒地で暮らす孤児で、年齢は17歳(2011年生)。同じく孤児であるチートらと対立する不良少年グループのリーダー。横暴で自己顕示欲が強く、派手な言動や演出を好む。体も大きく身体能力にも恵まれており、頭もそれなりに切れる反面、いい加減で後先考えない行動も目立つ。初めはチートらと共に働いていたが、地道な生き方に嫌気がさして働くのをやめ、ハイハーバーを自分の国と言い張って他の働いている者達の抗議を暴力で押さえ込み、その代表に納まる。本村との交易権を独占し、強引な交渉で優位に進めた成果を盾に納税を強要するなどの横暴を重ね、ハイハーバーの武力制圧に乗り出したモンスリーと手を組み、島を脅威に晒す。ハイハーバーを大津波が襲った際は、津波が自分の近くまで迫っていた中でコナンに1対1の決闘を申し込み、ナイフで立ち向かうが、驚異的な身体能力を持つコナンには全く歯が立たずに完敗する。その後は負けを認めて改心し、更に最終話ではガルの弟子として火薬職人となったらしく、バラクーダ号進水式ダイス・モンスリー・カップルの結婚式が行われた際はガルと協力して祝砲を上げている。最終話でコナン達がのこされ島へ向けて出航した時は涙を流して見送った。
原作小説版では物資につられてインダストリア側についた子供たちのリーダー格で、終盤津波の警告に来たコナンを信じず喧嘩になるが敗北。その後逃げ遅れた所をコナンに助けられ、あと一歩という所で津波に飲まれそうになった2人が生存者たちに助けられるという場面で物語は終了する。
テラ(英:Tera)
声 - つかせのりこ
オーロの妹で、9歳(2019年生)。兄を荒地の村に多大な利益をもたらした人物と信じているため、オーロと対立するコナン達と出合った当初は衝突したが、急速にジムシィに惹かれていくようになる。ハイハーバーでの大津波の後は(おそらくはオーロの意向もあって)ラナにペンダント(ラナの母の形見)を返した。最終話ではジムシィ達と共にのこされ島へ向かった。
チート
声 - 田中秀幸
ハイハーバーの南の荒地に住む孤児のひとり。18歳(2010年生)。オーロたちとは対照的に、孤児で集まって家畜を飼い、牧畜をテコに自立した生活を営んでいる。オーロの身勝手な振る舞いに不満を抱いてはいるが、暴力で屈服させられている。ただし「力を貸すから(オーロたちを)やっつけちまえ」と言うジムシィに対して「僕たちの問題(だから自分たちで解決しないといけない)」と答えるなど、諦めてはいない。ハイハーバーの村と秘密裏に貿易を行なっている。

動物

テキィ(英:Tikki)
ラナが特に可愛がっているアジサシ。彼女とコナンとの橋渡しにもなる。
うまそう(英:Umasou)
ジムシィがチートから分けてもらった仔で、耳が長い。その名は日本語「美味しそう」の砕けた言い方で、ジムシィが名付けた。最終話では大きく成長しており、仔を8匹儲けているのが確認できる。

注釈

  1. ^ 海外との合作を含めればこの限りではなく、1970年にアメリカのランキン/バスプロと日本の東映動画の合作である「進めや進め!スモーキー」を放送していた。
  2. ^ アニメ版ではこのエピソードは第19話「大津波」と第25話「インダストリアの最期」に分けられて順番を逆にして使用されているため、「インダストリア崩壊」と「ハイハーバーを襲う津波」は無関係になっている。
  3. ^ 『秘密の花園』は後の1991年4月に『アニメひみつの花園』のタイトルでアニメ化された。
  4. ^ 2011年(平成23年)8月から、YouTubeにおいて坂巻貞彦が編集・投稿したと思われる本作のストーリーボードをスライド映像に編集したものが公開されている。説明文によれば、1994年(平成6年)から構想・制作に取りかかっていたことが窺える。
  5. ^ 第19話ではまだコナンと敵対しており、彼に発砲する場面が見られたが、大津波がハイハーバーを襲った際には、コナンがダイスにモンスリーを助けるよう頼んだことで危機を脱している。
  6. ^ 表記揺れについて、原作の翻訳[22]では「ジムシイ」、設定資料には「ジムシィ」と記されている。(あるいは、それが多い)一方で、作中のクレジットタイトル(エンディングのクレジット)には「ジムシー(青木和代)」とある。本項での表記は、製作現場で使われていたであろう前者で統一する。
  7. ^ 原作でもダイスは最後までコナンやラナの味方にはならず(モンスリーに当たるマンスキーは一応協力的になる)、終盤で脱走者のコナンを捕まえようとピストルを抜く場面が実質最後の絡みになる、最終的な生死も不明(内田、訳(2012)p.252)。
  8. ^ モンスリーはのこされ島でおじいと対峙した際、自分の口から最終戦争での悲惨な経験を話している(第1話)。当時8歳だったモンスリーは、最終戦争で家族を失った上、大津波に巻き込まれてしまっていた。気を失って海上を漂流していたところをガンボートに保護されたことで、インダストリアに移住したことが判明する(第19話・モンスリーの回想より)。
  9. ^ これは、『天空の城ラピュタ』が本作の続編企画を転用したことに由来すると思われる。[独自研究?]
  10. ^ 彼に限らず、原作小説ではインダストリアの最期が描写されず(津波などから間接的に滅びた描写があるのみ)ため、大半のインダストリア市民はどうなったのか不明。また、ハイハーバー内にいた人たちも、ラストで津波から逃げられた人達はそれなりにいるが一切個人特定ができる描写がないため、コナンとオーロ以外は最終的な安否は不明。
  11. ^ 名前は日本アニメーションの公式サイトの情報[32]に基づく。
  12. ^ 読みは「かたおかひかる」。児童文学者、詩人。1933年、中国大連市に生まれ、少年期を北京市で過ごす。第二次世界大戦敗戦の混乱期に帰国、1957年慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、1957年、ラジオ東京(現・TBS)に入社。1963年退社し、執筆活動に入る。『とんでったバナナ』『グリーングリーン』ほか多数の童謡・合唱曲を作詞。1999年、東京家政大学教授、2002年、同学長に就任、2008年退任まで子育て支援・大学と地域の協働に取り組む。現在、東京家政大学名誉教授・顧問。社会福祉法人緑伸会理事長、一般財団文民教育協会理事長、子どもの文化研究所所長、NPO法人語り手たちの会理事長。
  13. ^ 読みは「かまたなおよし」。1953年2月22日生まれ。愛媛県出身。声楽家。東京芸術大学卒業、同大学院修了。大学院在学中の82年、『ぺレアスとメリザンド』のペレアス役に抜擢される。同年渡欧。パリ・エコール・ノルマル音楽院首席修了。二期会会員。定年退官まで東京学芸大学教授として多くの後進育成に携わった。
  14. ^ 青森県八戸市出身。1975年ハロージャンボ音楽祭にてグランプリを受賞。1979年第3回NHK子供の歌コンクールに『青い鳥』が入賞。青森県と東京都を中心に数カ所でクワイア(合唱)、音楽教室の講師として活動しつつ、ライブハウス・教会・少年院・刑務所・病院・福祉施設等、全国各地でライブ、コンサートを開催。音楽活動の中心はギターの弾き語りであり、主要なレパートリーは世界及び日本の美しい歌、賛美歌、オリジナル曲。
  15. ^ a b 第1話のプロローグ部分(第2話以降はアバンタイトルとして使用)は尺の関係でカットされた。

出典

  1. ^ 『朝日ソノラマ ファンタスティックコレクションシリーズNo.15 未来少年コナン』 (1978), p. 21.
  2. ^ a b 宮崎駿 (1996), p. 437, 「『コナン』を語る」.
  3. ^ 宮崎駿 (1996), p. 433.
  4. ^ 宮崎駿 (2013), p. 260.
  5. ^ 内田、訳(2012)p.14・20
  6. ^ 内田、訳(2012)p.8
  7. ^ 宮崎駿 (1996), p. 434, 「『コナン』を語る」.
  8. ^ NHK BS2『お宝TVデラックス テレビアニメ進化論』2008年12月6日放送
  9. ^ 宮崎駿 (1996), p. 435, 「『コナン』を語る」.
  10. ^ 『アニメージュ1996年9月号』 1996, 「本郷みつると仲間たちPART2」 [要ページ番号]
  11. ^ 堀田 & ガイナックス (2005), p. 93.
  12. ^ 小川びい、小黒祐一郎「アニメの作画を語ろう animator interview 井上俊之(1)」 WEBアニメスタイル 2001年3月29日
  13. ^ 小川びい、小黒祐一郎「アニメの作画を語ろう animator interview 田中達之(1)」 WEBアニメスタイル 2003年9月29日
  14. ^ 『ロマンアルバム・エクストラ 61 風の谷のナウシカ』 (1984), p. 114.
  15. ^ 堀田 & ガイナックス (2005), p. 370.
  16. ^ 富野 (1999), pp. 72–73.
  17. ^ 押井 (2004), pp. 178–179.
  18. ^ 「THE 世界名作劇場展」での本作品での説明表記より
  19. ^ 岡田 1995 [要ページ番号]
  20. ^ 佐野 (1996), p. 136.
  21. ^ IMDb cast (1978).
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