潤滑油とは? わかりやすく解説

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じゅんかつ‐ゆ〔ジユンクワツ‐〕【潤滑油】

読み方:じゅんかつゆ

機械接触部の摩擦少なくするために用いる油。

物事円滑に運ばれる仲立ちとなるもののたとえ。「労使間の—となる」

「潤滑油」に似た言葉

潤滑油

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

潤滑油

読み方じゅんかつゆ
【英】: lube oil / lubricating oil
同義語: lubricating oil  

いろいろな機械エンジン摩擦部分潤滑剤として使用される油を広く潤滑油というが、このうちには石油系、動植物油系の潤滑油、さらに合成潤滑油が含まれている。しかし、大部分石油系炭化水素から作られる。潤滑油を使用する目的は、摩擦係数低減摩擦部の冷却応力分散密封コンプレッサーシール用い場合のように)、防錆(せい)などであるが、これらの作用を果たすために要求される主な性状は、(1) 粘度が運転速度温度荷重などの使用条件適合していること、(2) 使用温度範囲の広い潤滑油では、温度による粘度変化小さい、すなわち粘度指数大きいこと、(3) 残留炭素分が少ないこと、(4) 酸化安定性大きいこと、(5) 引火点が高いこと、(6) 流動点が低いこと、(7) 色相良いこと、(8) 添加剤添加効果良いことなどである。 
潤滑油は燃料油比べて製造量は少なくわが国では処理原油量の 1 %程度占めているにすぎないが、機械と名の付くもので潤滑油を使用していないものはないくらいで、その種類極めて多く、特に近年内燃機関産業機械高性能化に伴い、非常に厳格な条件長期間使用でき(ロングライフ)、省エネルギー特性の高い潤滑油の需要増加してきた。石油系潤滑油を用途別分類すると、電気絶縁油スピンドル油ダイナモ油、冷凍機油マシン油タービン油モーター油、航空潤滑油、マリン・エンジン油、ディーゼル・エンジン油、コンプレッサー油、シリンダー油工作油、油圧作動油などに大別できる。潤滑油の製造においては、特に原料とする原油種類製品性状大きく影響する製造法としては、原油タイプおよび製品の品質によって異なるが、減圧蒸留法、溶剤脱瀝{ようざいだつれき}法、溶剤抽出法溶剤脱蝋ようざいだつろう}法、硫酸洗浄法、白土処理法、水素化精製法などの各種工程使用目的によっていろいろ組み合わされ製造される。潤滑油の原料減圧留出留分であるが、減圧残油から溶剤脱れき法により SAE-50 、ブライトストックのような粘度の高い潤滑油原料得られる。潤滑油には、清浄分散剤粘度指数向上剤酸化防止剤流動点降下剤さび止め剤、泡止め剤、極圧添加剤などいろいろな添加剤がその使用目的によって添加されている。

潤滑油、潤滑剤

【仮名】じゅんかつゆ
原文lubricant

油状物質、あるいは滑りやすくする物質

潤滑油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/22 17:07 UTC 版)

潤滑油(じゅんかつゆ)(Lube ルーブ、Lubricant ルブリカント)とは、機械歯車などを効率よく潤滑するための潤滑剤として使われるであり、時には冷却にも益する。エンジンオイルもこの一種。 また、この化学的性質を例えとして、物事が円滑に運ばれるための仲立ちとなる物や人を指す言葉。


  1. ^ 岡本純三・中山景次・佐藤昌夫 1993, p. 53.
  2. ^ 各種潤滑油の製造に使われるベースオイルの品質性状”. ジュンツウネット21. 2017年3月28日閲覧。
  3. ^ a b c 岡本純三・中山景次・佐藤昌夫 1993, p. 56.
  4. ^ ジェイテクト「ベアリング入門書」編集委員会. 図解入門よくわかる最新ベアリングの基本と仕組み 
  5. ^ 岡本純三・中山景次・佐藤昌夫 1993, p. 57.
  6. ^ エステル系合成潤滑油の使い方”. ジュンツウネット21. 2017年4月6日閲覧。
  7. ^ 潤滑油の分野で利用されている動植物油の現状と将来性”. ジュンツウネット21. 2017年4月7日閲覧。
  8. ^ a b 潤滑油添加剤の種類・用途”. ジュンツウネット21. 2017年1月16日閲覧。
  9. ^ 添加剤の種類と使用目的”. ジュンツウネット21. 2017年1月16日閲覧。
  10. ^ 内燃機関のオイル劣化判定装置”. j-platpat. 2022年3月10日閲覧。
  11. ^ 豊口満. 潤滑油酸化防止剤について. doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.13.512. https://doi.org/10.5059/yukigoseikyokaishi.13.512. 
  12. ^ 同時に添加剤を配合したものは「軸受油 JIS K 2239」として規格化された
  13. ^ 岡本純三・中山景次・佐藤昌夫 1993, p. 70.
  14. ^ 岡本純三・中山景次・佐藤昌夫 1993, pp. 70–71.
  15. ^ 岡本純三・中山景次・佐藤昌夫 1993, p. 71.


「潤滑油」の続きの解説一覧

潤滑油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/18 20:28 UTC 版)

流動点」の記事における「潤滑油」の解説

潤滑油分野においては極めて流動点の低い合成油存在するものの、全体からの割合少なく大部分パラフィン分を多く含む鉱油用いられている。これらの鉱油では低温ワックス分が析出し流動性を失うため流動点重要な項目となる。一般的に粘度指数が高い鉱油パラフィン分が多くなるため低温流動性は低い。鉱油でもナフテン系呼ばれるものは低温でも高い流動性を持つため冷凍機油など特殊用途使用されるが、粘度指数低くなるため一般用途ではほとんど使用されない

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潤滑油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/18 20:28 UTC 版)

流動点」の記事における「潤滑油」の解説

パラフィン系鉱油では低温流動性の低いノルマルパラフィン減らし低温流動性の高いイソパラフィンを主体とすることで良好な粘度指数得た上で流動点下げるなど精製行っている。グループIII基油などはこれらを行っており一般的な鉱油比較すると高い粘度指数低温流動性持っている。しかしパラフィンベースとする以上はPAOなどの低温流動性優れた合成油比較すると高い流動点を持つ事になる。これに対してパラフィン系鉱油(GTL基油を含む)に対してワックス結晶化阻害するなどの効果のある流動点降下剤PPD)を添加し流動点下げ処方一般的に行われており、低温での使用考慮したパラフィン系潤滑油では欠かせないものとなっている。流動点降下剤流動点大きく下げることが出来るが一定の添加量で効果飽和過剰に添加した場合PPDにより粘度があがり流動性低下する流動点をどの程度下げられるかは組成PPDにもよるが、最大限最適化した処方行った場合合成油に近い流動点を得る事も可能となっている。ナフテン系鉱油場合はもとから流動点低く一般的にはPPD使用される事は少ない。

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潤滑油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 10:01 UTC 版)

潤滑剤」の記事における「潤滑油」の解説

詳細は「潤滑油」を参照 一般に良く使われる潤滑油は石油精製物である。目的に応じて粘度精製度・添加物等の異なグレード市販されている。潤滑油の粘度VG値で表されるが、これは40における動粘度cSt)センチストークス値に相当する低速ウォームギヤ用のVG460はねっとりとした油であり、油圧用に使われるVG46の粘度大豆油に近い。潤滑油として最も低粘度のVG2は低荷重高速用に使われサラサラの油である。 また潤滑油の粘度温度依存し温度高くなる粘度低下する。潤滑油としては温度による粘度変化少ない方が望ましい。温度による粘度変化大きさ粘度指数呼び、この数値の高い方が粘度変化少な良い油である。一般の潤滑油は粘度指数80上であるが、一般油圧作動油は粘度指数106113航空機用作動油は120~140のものもある。 添加剤としては、エンジンオイル使われる極圧添加剤亜鉛モリブデンなどの金属系化合物主体とした添加物であるが、シリンダーピストンリング表面吸着して潤滑膜を形成し境界摩擦状態でも母材保護する上記粘度指数改善する目的粘度指数向上剤使われる

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潤滑油

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 07:08 UTC 版)

鉱油」の記事における「潤滑油」の解説

潤滑油の90 %以上は鉱油である。鉱油系潤滑油の成分のほとんどは芳香族炭化水素パラフィン系炭化水素ナフテンシクロアルカン)系炭化水素である。一般的に、環分析n-d-M法)でパラフィン炭素数が50上の潤滑油をパラフィン系ナフテン炭素数が30 - 45ナフテン系と呼ぶ。 安価である。粘度範囲広く様々な粘度鉱油存在する精製では不純物を完全に除去することはできない一般に、この不純物により、熱安定性低く流動点が高い。低くとも-20 凝固するこのため不純物がない合成油比べる使用温度範囲は狭い。

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