向日町運転区(大ムコ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 10:57 UTC 版)
「国鉄キハ80系気動車」の記事における「向日町運転区(大ムコ)」の解説
1961年10月1日ダイヤ改正による大増発に際し「白鳥」青森編成「かもめ」「みどり」「へいわ」「まつかぜ」を、さらに同年12月15日から運転開始された「みどり」を担当することになりキロ80形・キシ80形組込6両編成x13本計78両が新製配置された。当所の特徴として新製配置車両が多く1961年 - 1965年に本系列の4割強となる166両が本所への新製配置で、1967年のピーク時には172両が配置された。また国鉄時代に本系列が配置されたすべての車両基地との間で転出入経歴がある。 運用面では主に京都・大阪・新大阪発着となる日本海縦貫線・山陽本線 - 九州・山陰本線関連の特急列車に充当されたことから、北は青森から南は九州地区までの広域運用が組まれた。また基本編成も通常の6両・7両以外にキロ80形2両組込「白鳥」「やくも」専用編成を組成したほか、付属編成も上り方のみキハ82形で組成される2・3・4両とキロ80形組込6両の複数パターンが存在し、1970年には150両で以下の運用に充当された。 1970年10月1日ダイヤ改正での向日町運転所編成別運用一覧 ← 西鹿児島・宮崎・長崎・早岐・博多・浜田・米子(新潟) (青森・大阪)佐世保・大阪・新大阪・京都 → 「白鳥」「やくも」充当車(55両)キハ82 キロ80 キロ80 キシ80 キハ80 キハ80 キハ82 キハ80 キハ82 キハ80 キハ80 キハ80 キハ82 基本編成 付属編成A 付属編成B 基本編成:5本組成4本充当 付属編成A:4本組成4本充当 付属編成B:3本組成2本「白鳥」のみ充当 「かもめ」「日向」「なは」充当車(65両)キハ82 キロ80 キハ80 キハ80 キハ80 キハ82 キハ82 キロ80 キシ80 キハ80 キハ80 キハ80 キハ82 付属編成 基本編成 付属編成:5本組成4本「かもめ」佐世保発着・「日向」充当 基本編成:5本組成4本「かもめ」長崎発着・「なは」充当 「まつかぜ」充当車(30両)キハ82 キロ80 キシ80 キハ80 キハ80 キハ82 キハ80 キハ80 キハ82 キハ80 キハ80 キハ82 基本編成 付属編成 基本編成:3本組成2本博多発着充当 付属編成:2本組成2本米子転回充当 備考 「白鳥」:全編成大阪 - 青森 「やくも」:付属編成Aは米子転回 予備車なしの編成は他の非充当編成から該当車を差し換えて充当 1971年4月26日から「白鳥」「やくも」は2両付属編成の連結位置を変更。さらに同年9月15日から「まつかぜ」と共通運用化を実施した。 ← 博多・浜田・米子(新潟) (青森・大阪)大阪・新大阪・京都 → 「白鳥」キハ82 キハ80 キハ82 キロ80 キロ80 キシ80 キハ80 キハ80 キハ82 キハ80 キハ80 キハ80 キハ82 付属編成A 基本編成 付属編成B 「やくも」「まつかぜ」キハ82 キハ80 キハ82 キロ80 キロ80 キシ80 キハ80 キハ80 キハ82 キハ80 キハ80 キハ82 付属編成A 基本編成 付属編成B 付属編成A+基本編成:「やくも」大阪・新大阪 - 浜田 「まつかぜ」京都 - 博多付属編成B:「やくも」「まつかぜ」米子転回 備考 「白鳥」:全編成 大阪 - 青森 「まつかぜ」:1971年9月15日から変更実施 本共通運用は1972年3月14日で終了し、以後「まつかぜ」は「かもめ」「なは」「日向」と共通の基本編成7両+付属編成6両での運用となった。 また、1975年までに電化の進展・山陽新幹線開業・系統整理などにより移管もしくは廃止となった列車を以下に示す。 「へいわ」 1961年10月1日より大阪 - 広島間で運転。山陽本線広島電化により東京 - 大阪間の「つばめ」1往復を田町電車区(→田町車両センター→現・東京総合車両センター田町センター)所属151系電車で区間延長する形での運転となり1962年6月9日で廃止。 「みどり」 1967年10月1日ダイヤ改正で大分編成は運転区間完全電化により南福岡電車区(現・南福岡車両区)へ運用移管し581系電車化。佐世保編成は「いそかぜ」に改称した上で宮崎編成との併結に変更。 「いそかぜ」 「かもめ」宮崎編成を独立させる形で1965年10月1日ダイヤ改正で運転開始。1967年10月1日ダイヤ改正で運転区間を大阪 - 宮崎・佐世保に変更。1968年10月1日ダイヤ改正で両編成とも食堂車不連結とした上で宮崎編成は「日向」に、佐世保編成は併結列車を「かもめ」長崎編成に変更し愛称を「かもめ」に改称し消滅。 なお本系列の近畿圏発九州地区発着列車は、福知山線・山陰本線経由の「まつかぜ」を除き、他の列車は山陽本線経由としており、下表に示す愛称遍歴がある。 ダイヤ改正/発着駅博多長崎佐世保大分宮崎熊本西鹿児島1961,10.01みどりかもめ かもめ 1964.03.20みどりまつかぜかもめかもめ1964.10.01まつかぜかもめみどり かもめみどり1965.10.01まつかぜかもめ みどり みどり(いそかぜ) いそかぜ かもめ1967.10.01まつかぜかもめ いそかぜ いそかぜかもめ1968.10.01まつかぜかもめかもめ 日向 なは1973.10.01まつかぜかもめかもめ 日向 1974.04.25まつかぜかもめかもめ 1975.03.10まつかぜ 備考 太字:原則6・7両の食堂車組込基本編成を充当 「まつかぜ」:1971年9月15日 - 1972年3月14日は2両付属+キロ80形2両組込7両基本で運転 「日向」:1973年10月1日 - 1974年4月24日は7両基本+3両付属で運転 「いそかぜ」:1968年10月1日ダイヤ改正で愛称消滅 1965年10月1日 - 1967年9月30日:付属編成は大分転回 宮崎発着編成:「日向」へ改称し「なは」へ改称した「かもめ」西鹿児島発着編成と併結 佐世保発着編成:「かもめ」へ改称し同列車長崎発着編成と併結 「みどり」熊本発着編成:1965年10月1日ダイヤ改正で481系電車化ならびに「つばめ」へ改称 「みどり」大分発着編成:1967年10月1日ダイヤ改正で581系電車化 「なは」:1973年10月1日ダイヤ改正で485系電車化 「日向」:1974年4月25日ダイヤ改正で485系電車化 「かもめ」「みどり」「日向」:1975年3月10日ダイヤ改正で廃止 「なは」:1975年3月10日ダイヤ改正で寝台列車化 「まつかぜ」:1985年3月14日ダイヤ改正でキハ181系へ置換え米子発着に運転区間短縮 「やくも」 1965年11月1日ダイヤ改正から新大阪 - 浜田間を福知山線経由で1往復運転開始。「まつかぜ」の補完列車でもあるが、東海道新幹線連絡特急としても設定されたために乗車率が高く、1970年3月1日ダイヤ改正では従来の7両編成からキロ80形2両組込となる「白鳥」用9両編成と共通運用を実施。さらに1971年4月26日から12両編成に増強された。 山陽新幹線岡山暫定開業に伴う1972年3月15日ダイヤ改正で本列車は「まつかぜ」1往復増発に統合され鳥取発着へ変更。愛称は岡山 - 米子・出雲市・益田の新幹線連絡特急へ継承され、車両運用を米子機関区所属のキハ181系へ移管した。新大阪1200(1003D やくも)2022浜田0820(1004D やくも)1632新大阪 「ゆあみ」「はくぎん」 1971年10月9日より運転開始された新大阪・大阪 - 鳥取間で播但線を経由する臨時特急で「日向」「かもめ」佐世保編成用6両編成を充当。秋期は「ゆあみ」、冬期は「はくぎん」の愛称で運転されており、ダイヤはそれぞれ異なる。初の播但線特急であったが、1972年3月15日ダイヤ改正で同区間を運転する定期特急「はまかぜ」が運転開始されたために以後の臨時列車では愛称が「はまかぜ」に集約された。新大阪1135(9005D ゆあみ)1606鳥取1240(9006D ゆあみ)1715新大阪 大阪0807(9005D はくぎん)1236鳥取1535(9006D はくぎん)2033新大阪 「白鳥」 1972年10月2日ダイヤ改正で運転区間完全電化により青森運転所(→青森車両センター→現・盛岡車両センター青森派出所)へ運用移管し485系電車化。余剰車は「あさしお」へ転用。 「なは」「日向」 1968年10月1日ダイヤ改正で「かもめ」西鹿児島編成と「いそかぜ」宮崎編成を統合改称して運転開始。1973年10月1日ダイヤ改正で「なは」485系電車化により運転分離。「日向」はキシ80形組込で単独運転となるものの1974年4月25日ダイヤ改正で運転区間完全電化により485系電車化を実施。 「かもめ」 1975年3月10日ダイヤ改正で山陽新幹線博多開業により廃止。 「はまかぜ」 「あさしお」 一方で対山陰地方へは非電化区間も多く、本系列による定期列車は1964年3月に運転区間を博多まで延長した「まつかぜ」1往復と浜田発着の「やくも」1往復が運転されていたが、山陽新幹線岡山暫定開業となった1972年3月15日以降は以下の山陰特急を担当した。 「まつかぜ」(福知山線経由) 従来から運転されていた博多発着1往復に加え、1972年3月15日ダイヤ改正で従来の「やくも」を統合する形で京都・大阪 - 鳥取1往復を増発し2往復化。「はまかぜ」(播但線経由) 1972年3月15日ダイヤ改正で新大阪・大阪 - 倉吉・鳥取2往復を運転開始。食堂車は不連結。「あさしお」(京都発着山陰本線経由) 1972年3月15日ダイヤ改正で鳥取発着の臨時列車として設定。同年10月2日ダイヤ改正で4往復定期列車化。米子発着ならびに倉吉発着各々1往復ずつ、城崎(現・城崎温泉)発着2往復を設定するが、そのうち1往復は綾部 - 豊岡間を舞鶴線・宮津線経由とした。1975年3月10日ダイヤ改正で食堂車の連結を中止。「おき」(山陰本線・山口線経由) 1975年3月10日ダイヤ改正で米子発着の「はまかぜ」「あさしお」と共通運用を組む形で鳥取・米子 - 小郡(現・新山口)間で3往復運転開始。 1975年3月10日ダイヤ改正で「かもめ」が廃止されたことから、本所は上述した山陰本線関連4列車のみの運用となった。 1975年3月10日ダイヤ改正での向日町運転所編成別運用一覧 ← 博多・米子・鳥取・倉吉・城崎(小郡) (米子・鳥取)大阪・新大阪・京都 → 「まつかぜ」博多発着編成(21両)キハ82 キロ80 キシ80 キハ80 キハ80 キハ80 キハ82 3本組成2本充当 その他の編成(60両)キハ82 キロ80 キハ80 キハ80 キハ80 キハ82 キハ80 キハ80 キハ82 8本組成6本充当 4本組成3本充当 「まつかぜ」博多発着鳥取転回編成(1往復)鳥取発着列車基本編成(1往復)「あさしお」(4往復)「はまかぜ」(2往復)「おき」(3往復)基本編成 「あさしお」(4往復)付属編成 予備車(7両)キハ82 キハ82 キロ80 キロ80 キシ80 キシ80 キハ82 保留車(8両)キシ809 キシ8011 キシ8014 キシ8015 キシ8016 キシ8025 キシ80901 キシ80902 備考 「あさしお」舞鶴線宮津線経由列車は綾部 - 西舞鶴・豊岡 - 城崎 逆編成 キシ80形稼働・予備車:18 - 21・26(18は1976年2月に和歌山機関区へ転出) キシ80形保留車:1975年4月 - 1976年2月に余剰老朽廃車 1976年10月1日から「おき」は「つばさ」485系電車化によるキハ181系捻出車を尾久客車区から小郡機関区(現・下関総合車両所運用検修センター新山口支所)へ転出させ運用移管。余剰車は「ひだ」増発のため名古屋機関区へ12両、老朽車置換えのため和歌山機関区へ10両が転出した。また和歌山機関区との間では1978年10月にキシ80形後期製造車となる30・34の2両が転入し、引換に経年車の19・21を廃車する転配を実施した。 1982年7月1日には、伯備線電化による「やくも」381系電車化で余剰となった充当車の一部が米子機関区から、「おき」モノクラス化などによる編成組成変更での余剰車が小郡機関区から転入したキハ181系へ置換えと一部運用の米子移管を実施。本系列充当列車は大阪・新大阪 - 博多間の「まつかぜ」1往復のみとなり、従来はキシ80形のみに限定されていた余剰老朽廃車が座席車でも開始された。 ← 博多・米子 大阪・新大阪 → キハ82 キロ80 キシ80 キハ80 キハ80 キハ82 キハ80 キハ80 キハ82 基本編成 付属編成 6両基本編成x2本充当:大阪0800(5D まつかぜ1)2055博多0812(6D まつかぜ4)2119新大阪3両付属編成x1本充当:大阪0800(5D まつかぜ1)1334米子1538(6D まつかぜ4)2119新大阪 1985年3月14日ダイヤ改正で最後の定期運用をキハ181系へ置換えて終了。一部車両は函館・名古屋へ転出したが、波動輸送用として残存した車両は検査期限が切れた同年10月から1986年3月までに廃車となり配置が終了した。 向日町運転区所属車両転出入履歴一覧 新製年月キハ82キハ80キロ80キシ80備考1961年6月 - 9月8・918 - 2326 - 43 15・16・22 - 2427・32・3336 - 53 9・11・13・1419 - 27 6 - 913 - 21 「白鳥」青森編成「かもめ」「まつかぜ」「みどり」「へいわ」充当1963年3月・7月 62 - 73 基本編成7両化1964年2月52 - 55 82 - 85 31・32 25・26 「まつかぜ」博多延長1964年8月 - 9月65 - 68 96 - 104 38 - 40 「みどり」熊本・大分延長1965年6月 - 8月88 - 99104 -107 119 - 143・163 53 - 58 「いそかぜ」充当「白鳥」編成変更転入年月前所属キハ82キハ80キロ80キシ80備考1963年4月尾久1 - 5 13・14・17 - 19 7・8 2・3 「白鳥」上野編成移管1965年10月盛岡10・11・1415・24・25 20・21・30・3134・35・111・112 10・12・16 4・5・11 「やくも」充当1968年9月山形82 - 85 162 50 「まつかぜ」付属編成増強尾久44・45・69 - 71 3 - 6・54 - 5659 - 61・74・75 29・30 転出車振替1968年12月901 901 12・22 1970年2月1・51 8・18・41 「やくも」増車1972年10月秋田 901・902 予備車増強和歌山42 1974年4月鹿児島 14 - 16 1978年10月和歌山 30・34 老朽車置換え転出年月転出先キハ82キハ80キロ80キシ80備考1962年8月函館29・43 36・47 25 13 「おおぞら」釧路延長1965年10月金沢1 - 5・8 13 - 19・22 7 - 9 2・3・6 「はくたか」充当用和歌山99 142 「くろしお」付属編成1967年10月26 - 32 42 - 52 21 - 23 「くろしお」増発鹿児島33 - 36 37 - 41 19・20 14・15 「有明」充当1968年10月37 - 41 53・96 - 101 24・26 「にちりん」充当金沢9・18 23・24・27 11 「ひだ」充当和歌山42・65 102 - 104 27 「くろしお」増発1968年12月鹿児島 16・17 「にちりん」用食堂車1970年2月和歌山 60・61 22 「くろしお」増強1972年3月秋田24・901 5・901 「いなほ」「ひたち」9両化札幌1・45・51 9・18 5・12 「北斗」2往復充当1972年4月 4 1973年9月70・71 55・56・75 50 「北斗」3往復化1974年4月14・19 20・34 8 運用共通化函館69 「おおぞら」旭川編成鹿児島 119・120・125 - 127 40 「おおよど」充当1976年10月和歌山82・84・88・89 64・69 41・53・55 18 老朽車置換え名古屋20・21・42 21・30・3562・63・66・67 38・39 「ひだ」3往復化1982年7月83・85・9091・93・94 136・138・162 老朽車置換え1985年4月96 - 98・105 133 56 1985年5月函館95 121・123・128 26・34 1985年9月名古屋 129 57・58 備考 キハ82 901:キロ80 1から改造竣工と同時に尾久から転入 キハ80 901:キロ80 2から改造竣工と同時に尾久から転入
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