本の巻・並びの巻
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本の巻(ほんのまき)、並びの巻(ならびのまき)は、平安時代の王朝物語の中の複数巻にわたる作品に見られることがある、巻の分類・関係である。代表的な王朝物語である『源氏物語』のほか『うつほ物語』、『浜松中納言物語』などに見られる。並びの巻を単に並び(ならび)と呼ぶこともある。
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注釈
出典
- ^ 『尊経閣文庫影印集成 17』
- ^ 武田宗俊「並びの巻について」『国語と国文学』昭和27年7月号のち『源氏物語の研究』岩波書店、1954年6月、pp.. 70-78。
- ^ 寺本直彦「源氏物語目録をめぐって―異名と并び」(『文学・語学』1978年6月)のち『源氏物語受容史論考 続編』風間書房、1984年(昭和59年)1月、pp.. 645-681。
- ^ 丸山キヨ子「源氏物語並びの巻についての私論」(「中古文学」第36号、1985年)
- ^ 玉上琢弥「源語成立攷」(「国語・国文」1940年4月号、のち「源氏物語評釈 別巻」に収録)
- ^ 平井仁子「年立」林田孝和ほか編『源氏物語事典』大和書房、2002年(平成14年)5月25日、p. 295。 ISBN 978-4-4798-4060-2
- ^ 寺本直彦「巻数は当初から五十四帖だったか(巻数) 源氏六十帖説」『國文學 解釈と教材の研究』第25巻第6号(源氏物語の謎<特集>) 、學燈社、1980年(昭和55年)5月、pp. 51-52。
- ^ 寺本直彦「源氏物語目録をめぐって -異名と并び-」」『文学・語学』通号第82号、1978年(昭和53年)6月号、pp. 12-25。のち『源氏物語受容史論考 続編』pp. 645-681。
- ^ 寺本直彦「源氏物語目録続考 -「さむしろ」と「ならび」の一異説とについて-」源氏物語探求会編『源氏物語の探求 第四編』風間書房、1979年(昭和54年)4月、pp. 37-67。のち『源氏物語受容史論考 続編』pp. 682-713。
- ^ 「源氏抄」伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』p. 199。 ISBN 4-490-10591-6
- ^ 寺本直彦「後編第九節 明応二年奥書源氏抄と源氏秘義抄」『源氏物語受容史論考』pp. 892-907。
- ^ 寺本直彦「後編第十節 源氏物語梗概書の展開 明応二年奥書源氏抄と源氏秘義抄のまきまきのちうをめぐって」『源氏物語受容史論考』pp. 908-938。
- ^ 寺本直彦「桃園文庫旧蔵明応二年奥書本『源氏抄』解題」『源氏物語受容史論考 続編』pp. 752-759。ISBN 4-7599-0598-7
- ^ 寺本直彦「桃園文庫旧蔵明応二年奥書本『源氏抄』翻刻・注」『源氏物語受容史論考 続編』pp. 769-798。 ISBN 4-7599-0598-7
- ^ 「源氏抄」伊井春樹編『源氏物語 注釈書・享受史事典』p. 167。 ISBN 4-490-10591-6
- ^ 山本利達校訂玉上琢弥編『源氏物語-評釈 紫明抄・河海抄』角川書店、1978年(昭和43年)6月、pp. 232-233。
- ^ 加藤昌嘉「「桜人」の散佚情況から考え得ること/得ないこと」『揺れ動く源氏物語』勉誠出版、2011年(平成23年)9月、pp. 219-220。 ISBN 978-4-585-29020-9
- 1 本の巻・並びの巻とは
- 2 本の巻・並びの巻の概要
- 3 関連項目
並びの巻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:57 UTC 版)
「本の巻・並びの巻」も参照 『源氏物語』には並びの巻と呼ばれる巻が存在する。『源氏物語』は鎌倉時代以前には「雲隠」を含む37巻と「並び」18巻とに分けられていた。並びがあるものは、ほかに『うつほ物語』『浜松中納言物語』がある。これに対して、「奥入」と鎌倉時代の文献『弘安源氏論議』において、その理由が不審である旨が記されている。帖によっては登場人物に差異があり、話のつながりに違和感を覚える箇所があるため、ある一定の帖を抜き取ると話がつながるという説がある。その説によれば、紫式部が作ったのが37巻の部分で、残りの部分は後世に仏教色を強めるため、読者の嗜好の変化に合わせるために書き加えられたものだとしている。
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並びの巻
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 17:27 UTC 版)
室町時代初期に成立した『源氏物語』の注釈書である河海抄の巻序の上で最初の並びの巻である「空蝉」巻の中の並びの巻を論じた「巻並事」において、 「はま松の物語と云物にも並一帖あり(浜松中納言物語にも並びの巻が一帖ある)」 「浜松の並びも唐と日本との事を同時にならへてかけり是も横也(浜松中納言物語の並びも唐の国と日本の国との同じ時の出来事を描いているので横の並びである)」 という趣旨の記述が存在することから河海抄の著者四辻善成がこの物語に並びの巻が存在するとされていたことは明らかであるが、河海抄がいうような「唐の国と日本の国との同じ時の出来事を描いている」ような関係にある巻は存在しないため、現存する巻と現存しない巻との関係について述べたものなのか、または現存しない巻同士の関係について述べたものであると考えられている。
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