耕雲本
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耕雲本(こううんぼん)は、耕雲(花山院長親)が整えたとされる源氏物語の写本及びそれに由来する本文のことである。
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- ^ 池田亀鑑「源氏物語系統論序説」『岩波講座日本文学 10』岩波書店、1933年(昭和8年)、pp. 12-13。
- ^ 池田亀鑑『源氏物語入門 新版』 社会思想社〈現代教養文庫〉1639、初版1957年(昭和32年)、新版2001年(平成13年)、ISBN 4-390-11639-8、 (オンデマンド版、文元社、2004年(平成16年)) ISBN 4-86145-005-5
- ^ 池田亀鑑「耕雲本跋歌」『源氏物語大成 研究資料編』中央公論社、pp.. 216-218。
- ^ 寺本直彦「源氏物語目録をめぐって -異名と并び-」『文学・語学』通号第82号、1978年(昭和53年)6月、pp.. 12-25。 のち『源氏物語受容史論考 続編』風間書房、1984年(昭和59年)1月、pp.. 645-681。 ISBN 978-4-7599-0598-4
- ^ 池田亀鑑「耕雲本署名様式一覧」『源氏物語大成 研究資料編』中央公論社、pp.. 218-219。
- ^ 大津有一「諸本解題 高松宮家蔵源氏物語」池田亀鑑編『源氏物語事典下巻』東京堂出版、1960年(昭和35年)、pp.. 136-137。
- ^ 大津有一「諸本解題 金子氏蔵源氏物語」池田亀鑑編『源氏物語事典 下巻』東京堂出版、1960年(昭和35年)、p. 133
- ^ 池田亀鑑「為清本」『源氏物語大成 研究資料編』中央公論社、1956年(昭和31年)、p. 221。
- ^ 大津有一「諸本解題 大島氏旧蔵冷泉為清筆源氏物語」池田亀鑑編『源氏物語事典 下巻』東京堂出版、1960年(昭和35年)、p. 132
- ^ 池田亀鑑「重要諸本の解説 伝二条為氏筆写 保坂潤治蔵」『源氏物語大成 研究資料編』中央公論社、1956年(昭和31年)、p. 223。
- ^ 大津有一「諸本解題 天理図書館蔵伝為氏筆薄雲朝顔巻」池田亀鑑編『源氏物語事典 下巻』東京堂出版、1960年(昭和35年)、p. 139。
- ^ 曽沢太吉「解題 源氏物語 薄雲 朝顔」天理図書館善本叢書和書之部編集委員会編集『天理図書館善本叢書. 和書之部 第14巻 源氏物語諸本集 1』天理大学出版部、八木書店(発売)、1973年(昭和48年)、pp.. 23-29。
耕雲本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/25 20:27 UTC 版)
本写本は、現存する源氏物語の写本の中ではもっとも「耕雲本」と呼ばれる写本の原本に近い写本であるとされている。耕雲本とは、室町時代中期に耕雲(花山院長親)が将軍足利義持に献上する源氏物語の写本を作るために整えた源氏物語の本文であるとされており、当時はこの「耕雲本」とは青表紙本でもなく河内本でもない耕雲が整えた第三の系統の本文であるとされていた。そのためこの「耕雲本」は池田亀鑑の初期の本文研究の成果をとりまとめた『源氏物語系統論序説』などでも「青表紙本」、「河内本」と並ぶ一つの本文系統としてあげられていた。しかしながら実際に耕雲本に属するとされる本写本の本文の内容を巻別に調べて見ると、松風の1帖のみが青表紙本系統。宇治十帖の中の橋姫、宿木、東屋、浮舟、蜻蛉、手習、夢浮橋の7帖が別本。他は河内本系統という河内本を主体とした取り合わせ本であることが明らかになったため、現在では耕雲本を青表紙本や河内本と並ぶ一つの本文系統としてあげることはなく、本写本のような耕雲本に由来する写本は河内本を主体とする取り合わせ本として扱われるようになっている。
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