ガリシア州
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ガリシア州(ガリシアしゅう、Galicia、あるいはGaliza[注釈 1])は、スペインの自治州の1つである。スペイン北西に位置し、南はポルトガル、東はアストゥリアス州とカスティーリャ・イ・レオン州に接し、北と西は1490キロメートルの海岸で大西洋とカンタブリア海に面する。州都はサンティアゴ・デ・コンポステーラ。自治州政府はシュンタ・デ・ガリシア(Xunta de Galicia)。
注釈
出典
- ^ Archie Smith 『プレスティージ号事故が生んだ課題と対応の現状』 (2004年)
- ^ Antonio de la Peña Santos, Los orígenes del asentamiento humano Archived 24 May 2013 at the Wayback Machine., (chapters 1 and 2 of the book Historia de Pontevedra A Coruña:Editorial Vía Láctea, 1996. p. 23.
- ^ 桑原真夫「ガリシアという異郷」/ 坂東省次・桑原真夫・湯浅武和編著『スペインのガリシアを知るための50章』明石書店 2012年 19ページ
- ^ Poblaciones de hecho desde 1900 hasta 1991. Cifras oficiales de los Censos respectivos.
- ^ Cifras oficiales de población resultantes de la revisión del Padrón municipal a 1 de enero.
- ^ 大木雅志「スペイン憲法公布後のガリシアとガリシア自治州憲章」/ 坂東省次・桑原真夫・湯浅武和編著『スペインのガリシアを知るための50章』明石書店 2012年 232ページ
- ^ CGはCoalición Galega(ガリシア同盟)
- ^ Partido Socialista Galego-Esquerda Galega(ガリシア社会党=ガリシア左翼)
- ^ “Resultados de las elecciones al Parlamento de Galicia en el Archivo Histórico Electoral del Área de Análisis, Estudios y Documentación de la Presidencia de la Generalidad Valenciana” (スペイン語). Argos(Subdirección de Análisis y Políticas Públicas de la Presidencia de la Generalitat). 2012年8月9日閲覧。
- ^ “Eleccións 2012 Parlamento de Galicia” (ガリシア語). ガリシア自治州政府. 2012年10月22日閲覧。
- ^ “NCG Banco empezará a operar el 1 de septiembre” (スペイン語). Xornal de Galicia. 2011年7月26日閲覧。
- ^ “Pecha Galicia Hoxe” (ガリシア語). Galicia Hoxe. 2011年6月29日閲覧。
ガリシア
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詳細は「ガリシア人」を参照 「ガリシア」の名がローマ統治時代に存在したケルト系のガラエキア人(英語版)に由来する所からわかるように、この地域はローマの支配下にあってなお、それ以前にいたケルト人の勢力や文化が強く保存された地域であった。中世にはゲルマン系とされるスエビ人がこの地にスエビ王国を建てた。この地のイスラム教徒支配は非常に短期間であったため、他に比べイスラム文化の痕跡は非常にわずかで、こうした要素はイスラム文化の影響が強い他地域と明らかに異なる文化をガリシア人に与えていった。 ガリシアでの民族主義的運動はまず、文学の分野から始まった。19世紀には、中世にトロバドールの言語として一時代を築いたガリシア語に再び光を当て、民族の誇りを取り戻そうとする文芸復興運動「レシュルディメント(スペイン語版)」が生まれた。この運動は文学面にとどまらず、やがて政治運動へと発展していった。20世紀にはいるとガリシア語協会(英語版)が設立され、この動きはやがて「ガレギスモ(英語版)」へと続き、さまざまな政党が設立されたがスペイン内戦後の独裁権下で弾圧された。ガリシア人を初めとする地方民族を弾圧したフランシスコ・フランコはガリシアのフェロルの出身であった。 政治運動としてのガリシア民族主義は、バスクやカタルーニャに比べればその力は弱い。それは政党の議席数からも明らかである。それはガリシア民族主義がもっぱら政治的には左翼陣営によっているからでもある。ガリシアでは、国民党の地域支部である、ガリシア国民党が第1党、それに社会労働党の地域支部ガリシア社会主義者党が続き、左翼民族主義政党のガリシア民族主義ブロックは第3党にすぎない。それは主に、ガリシア人の居住分布と関係があると考えられる。ガリシアは一部の都市の中心市街地を除けば、住民は多数の小規模の集落に分散して居住している。また、基本的に農村型社会であるため、自治体内のパロキア(教区)やパロキア内のアルデア(集落)および、より小さな居住地区での人間関係が非常に強い。このことは、現在でも一部の方言地域ではあるが、排他的な1人称複数代名詞、2人称複数代名詞が存在していることからもうかがわれる。そのため、民族としてのガリシアと同等、あるいはそれ以上に、そのミクロな単位への帰属意識が強い場合も少なくなく、多くのガリシア人は、自己の帰属意識として、居住地区、アルデア、パロキア、自治体、県、ガリシア州という具合に、より身近な単位から、同心円的にアイデンティティを形成している。そして、その延長としての「連合体としてのスペイン」「スペイン国家の国民」としての「スペイン人」については多くのガリシア人は否定していない、が「民族としてのスペイン人」については否定している。また独立論者、分離主義者も存在するが、その出身は一部の地域に偏っていると言われ、多数派ではない。また、ガレギスモの流れを汲む民族主義者は、現在ガリシア民族主義ブロックという政党を形成し、政治において一定の勢力を有するものの、その内部は、基本的に左翼主義者であるものの、さまざまな政党グループの集合体で、カタルーニャやバスクほどの影響力を有していない。 ガリシア人は独自性の要である言語の面で、スペインの隣国ポルトガルのポルトガル語と類似する部分が多く、言語学的に両者の元となった言語(ガリシア・ポルトガル語、あるいは中世ガリシア語や古ポルトガル語などの呼称もある)は古代ローマの属州ガラエキア(英語版)で話されていた俗ラテン語が元になっている。この言語は、現在のガリシア州にアストゥリアス、レオン地方のガリシア隣接地域、およびドウロ川以北の北部ポルトガルで話されていた。ポルトガル王国の独立によって政治的に分断された結果、またレコンキスタの進展でこの言語が南部ポルトガル語に移植された結果、ガリシア語とポルトガル語(標準ポルトガル語)の間には徐々に違いが生じて行った。ゆえに、ガリシア人の中にはスペインから分離してポルトガルと合同しようとする運動もわずかながらあるが、現在ほとんど政治的に力を持たない。これもスペインにおける分離運動の一種と呼べるが、「ガリシア民族」を否定することにつながるため、ガリシア内の民族主義者とは対立する場合が多い。また、ガリシアを含むカスティーリャからポルトガルが12世紀に分離独立して以降、1000年近い年月が経過しており、言語以外の面でもガリシア人とポルトガル人の間では文化的にも政治的にもかなりの違いが見られることから(たとえばポルトガルはその歴史上ブラジルやアフリカとのつながりが強いが、ガリシアはアルゼンチンやベネズエラなどとのつながりのほうが強い)、ポルトガルとガリシアとの間での統一アイデンティティの構築はかなり困難である。また経済面を考慮すると、スペイン内にとどまるほうが有利であるとの見方もある。 ガリシアには呼称についての問題が存在する。現在の州名の正式な呼称はガリシア(ガリシア語: Galicia [ɡaˈliθjɐ])であるが、ガリサ(ガリシア語: Galiza [ɡaˈliθɐ])なる呼称も存在する。ガリサは主に、ナショナリスタ、左翼主義者、分離主義者などが好んで使用する。州名の正式名はガリシアであるが、現在の規範ではガリサの使用も認められている。ともに、古代ローマの属州ガラエキアに由来するが、中世の文書にはガリサと記されている場合のほうが多い。
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ガリシア
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「es:Gastronomía de Galicia」および「gl:Gastronomía de Galicia」を参照 ガリシアでは、食材を生かしたシンプルな調理法の料理がよく食べられている。リアス式海岸で獲れた新鮮な魚介類が料理に使われており、中でもぶつ切りにしたタコにパプリカ、塩をまぶしてオリーブオイルを掛けたポルボ・ア・フェイラ (Polbo á feira) は代表的なガリシア料理として知られている。タコと並んでホタテガイを使った料理もガリシアの名物として知られており、ホタテガイはサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼者のシンボルになっている。また、ガリシアの沿岸部ではホタテガイのほかに、ムール貝やカキ、珍味であるペルセベス(カメノテ、Percebes)が獲れる。 ルーゴ県、オウレンセ県の内陸部の地域では肉を使った料理が多く、豚の肩肉の塩漬けがよく使われる点に特徴がある。豚肉、ジャガイモ、カブの葉、白インゲン豆を煮込んだガリシア風スープ (Caldo gallego)、豚の肩肉とカブの葉の煮込み (Lacón con grelos) のような山の幸を生かした料理も食べられている。内陸部では畜産と酪農が盛んであり、ケイショ・デ・テティージャ (Queixo de Tetilla) などの牛乳を使ったチーズが作られている。ガリシアはパテ、パイの発祥の地とも言われ、パイで様々な具を包んだガリシアの庶民料理エンパナーダ (Empanada) は国際的に知られている。 リアス・バイシャスはスペインの他地域を比べて降水量が多いため、果皮が厚く病害に強いアルバリーニョ種を原料とした白ワインが多く作られている。ガリシアのワインにまつわる伝説の一つに、サンティアゴ巡礼でガリシアを訪れたドイツの修道士がリースリング種の苗木をもたらし、修道士のもたらしたブドウがガリシアでの白ワイン醸造の始まりになったという逸話が存在する。コマルカ・ド・リベイロではローマ帝国時代からワインが造られており、16世紀にはすでに国外でも品質を高く評価されていた。ガリシアの代表的ビールであるエストレージャ・ガリシア (Estrella Galicia) は、スペイン各地に流通している。
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