エステバリス隊
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「機動戦艦ナデシコの登場人物」の記事における「エステバリス隊」の解説
ナデシコの艦載機・エステバリスのパイロットたち。隊長はスバル・リョーコ。アキトは正規人員ではないのだが、人員不足を理由にレギュラーとして出撃している。劇中当初、正規のパイロットはガイ一人だったためにアキトがコック兼パイロットとして臨時に雇われた。ガイの死後には補充人員としてリョーコらやアカツキが加わり、中盤以降は5人体勢となる。 スバル・リョーコ(昴 リョーコ) 声:横山智佐 エステバリス隊隊長。パーソナルカラーは赤。18歳。身長165cm、体重49kg、3サイズはB83、W58、H83。特技は射撃。好きな食物はおにぎり。嫌いな食物は鶏の皮。作戦指揮は彼女が執り、作戦名は「ホウセンカ」など花の名前が使われる。戦中に宇宙軍に所属した。父は軍のパイロット。両親と祖父母は健在で、特に祖母に可愛がられて育った。一人称は「オレ」(たまに「あたし」と言う)。しかし、それは「勝ち気なようでその実臆病、男勝りなようで白馬の王子様を夢見ている」とエリナに看破された、自身の弱さを隠すためでもある。 当初は素人のアキトをバカにしていたが、ピンチに陥った際に思わず彼の名を呼んだことで、実は好意を抱いていることがヒカルたちにバレ、以後はよくからかわれていた。しかし、奥手で不器用なためユリカやメグミほどには積極的になれなかった。 終戦後一旦は髪を伸ばしていたが、シャトル事故でアキト達が死亡した際に、以前より短いショートカットにした。なお、劇場版では加えて髪色は黒色になっていたが、こちらが本来の髪色で、TV版での緑色は染めたものである。その事は、TV版で見られた幼少時の姿からもうかがう事が出来る。 終戦後も軍に残った数少ない人間で、その際は宇宙軍から統合軍に転属。劇場版ではエステバリス隊「ライオンズシックル」の隊長(階級は中尉)に就任し、カスタム型のエステバリスに搭乗している。 漫画版では男性的ながらも落ち着きのある性格であり、感情を露わにする場面は少ない。 劇場版でサブロウタにたびたびアタックをかけられており、劇場版後を舞台にしたドリームキャスト用ゲーム『NADESICO THE MISSION』では、良い関係を持っているようだ。 ドラマCD『続・お洒落倶楽部』では、アニメ『魔法少女プリティサミー』の河合砂沙美の物まねを披露した。 アマノ・ヒカル(天野 ヒカル) 声:菊池志穂 エステバリスのパイロット。パーソナルカラーはオレンジ。18歳。身長152cm、体重42kg、3サイズはB82、W56、H84。好きな食物はピザの端の部分。嫌いな食物はピーマン。タマゴボーロが大好きだったが、食べ過ぎて嫌いになった。常にハイテンションなしゃべり方と大きなメガネが特徴。 アニメファンで漫画家志望。ヒマを見つけては同人誌向けの漫画製作をしていた。パイロットをしていた理由も、熱血漫画のネタ探しから。ナデシコ所属となってからはウリバタケと意気投合して「ウリピー」と呼び、彼を師匠と仰いで模型製作にいそしんでいた。 思わせぶりな態度で誤解を受けやすい質だが、恋愛と趣味とは切り離して考えるタイプ。本人にとってはあまり良い思い出ではないが、過去には同棲経験があった。好意があると誤解したウリバタケから告白されるが、そういう気持ちはないとはっきり断り、距離を置くようになる。両親が幼少期に死亡し、叔父のもとで養育されるなどかなりの苦労人である。 終戦後は晴れてプロの漫画家となり、締め切りに追われる生活を送っていた。 劇場版では、実戦から離れていたブランクを埋めるべく、ゲームを使い実戦感覚を取り戻していたが、その際現役のリョーコを良いようにもてあそんでいた。 漫画版の終盤ではメガネを外しコンタクトレンズを装着している。特にオタク趣味などはなく、ごく普通の温和で朗らかな性格となっている。またセガサターン用ゲーム『The blank of 3years』では、ワンシーンではあるがメガネを外すカットも存在する。 マキ・イズミ(真木 イズミ) 声:長沢美樹 エステバリスのパイロット。パーソナルカラーは水色。18歳。身長177cm、体重56kg、3サイズはB86、W60、H88。趣味は新興宗教団体への体験入信。好きな食物はおはぎ、いなりずし。嫌いな食物はトコロテン。 陰鬱な雰囲気と、それに似合わぬ無理やりな冗談(特にダジャレ)と怪しげな歌曲を自作自演するのが特徴。大概の場合においてスルーされ、誰も彼女のダジャレには耳を傾けていない。他人の駄洒落には厳しく、白鳥九十九が披露した駄洒落には「1.0」と採点している。実は両親が漫才師。時折シリアスな一面も見せる。過去に二人の婚約者を亡くしており、自らを不幸を呼ぶ女と皮肉で言っている。 ギャグ色の強いキャラクターだが、戦闘時にはシリアスモードに入り、冷静沈着なパイロットとして活躍する。実はその技量はリョーコやヒカルよりも上で射撃の腕前も抜群。セガサターン用ゲーム『The blank of 3years』では生身での狙撃も披露している。 劇場版では、終戦後は世界放浪の末、バー「花目子(けめこ)」の雇われママとなっていたが、ルリに誘われ独立ナデシコ部隊に参加する。 ネーミングの元ネタは真木和。 アカツキ・ナガレ 声:置鮎龍太郎 最新式カスタマイズ型エステバリスのパイロット。パーソナルカラーは青。ナデシコ級2番艦「コスモス」から転属した。20歳。軽薄で女好き。ノリが軽いせいもあってナデシコクルーにすっかり溶け込む。エステバリスのパイロットとしては優秀で指揮能力も卓越しているが、敵に対しては情け容赦がない。何かにつけてアキトを挑発し、ユリカへの好意を仄めかすなどしていたが、アキトにパイロットとしての成長を促す良きライバルで共に戦う仲間と思われていた。アキトとは対照的にゲキガンガー3を侮辱していたが、彼は別にアニメ嫌いというわけではなく単に彼の好みに合わなかったようだ(劇中のセリフからアニメの好みはガンダムのようなリアルロボットアニメのようだ)。ウリバタケからは「元大関スケコマシ」との愛称を貰っている。 その素性はネルガル重工の若き会長。エリナとアカツキがムネタケと密談していたところ、プロスペクターとルリの働きにより「木星蜥蜴」の正体が追放された人類であるという事実を全艦放送で暴露され、クルー全員が知ることになる。その後も素性を隠しているつもりであったが、アキトとユリカを除いた全員にバレていた。年の離れた優秀な兄がおり、コンプレックスを抱いていたが事故で死亡してしまう。それにより彼はネルガル会長職を継いだ。アカツキは古代火星人のオーバーテクノロジー独占の為に暗躍していたが、これは彼の父が目指し、兄が継ぐはずであった野望であり、必ずしも彼自身が求めたものではなかったらしい。また、アカツキの父はCCのネルガル独占の為、協力者だったアキトの両親をクーデターに巻き込まれたように見せかけて謀殺している。 終盤、ナデシコに潜入したユキナの処遇を巡って本性を現す。火星遺跡ではナデシコ級3番艦「カキツバタ」を引き連れ、自らもエステバリスに搭乗してアキトと激しい交戦を繰り広げた。しかし、最終話ではアイちゃんの元へ急ぐアキトに火星遺跡のフィールド中和を協力するなどナデシコクルーに対するわだかまりもなくなる。 終戦後は、新地球連合の創設と統合軍の設置、クリムゾングループの巻き返しなどにより、ネルガルは一時期の勢力を失ってしまっていた。加えて彼自身へのゴシップ騒ぎなどもあり、アカツキは表舞台より姿を消す事となる。しかし裏でも続けて再起に向けての暗躍を行っており、火星の後継者に捕らわれたアキトをシークレットサービスとして雇った月臣に助け出させたり、イネスが狙われないよう彼女を戸籍上の死亡扱いにさせていた。年齢は25歳。 ダイゴウジ・ガイ 声:関智一 エステバリスのパイロット。パーソナルカラーは青。18歳。身長185cm、体重73kg。北海道出身。趣味はバイク、カラオケ。サラリーマンの父、専業主婦の母、商社マンの兄がいる。好きな食物はカレー、ビーフステーキ。嫌いな食物はインゲン豆。本名は「山田二郎(ヤマダ・ジロウ)」なのだが、本人曰くヤマダ・ジロウは仮の名前で、「ダイゴウジ・ガイ」は魂の名前、真実の名前とのこと。 ゲキ・ガンガー3を信奉する重度のゲキガンガーオタクである。その為、エステバリスの操縦席にお宝(ゲキガンガーの超合金)を持ち込んだり、攻撃にゲキ・ガンガーの技名を付けたり、自機を「俺のロボット」「スペースガンガー」などと呼んだりしていた(実際、「エステバリス」と呼んだ事など殆ど無い)。 とにかく自信過剰で自分勝手。人の話をこれっぽっちも聞かない。自分自身やシチュエーションに酔いやすく、独断専行からピンチに陥りながら辻褄を合わせるように活躍する(それが出来る腕前はあるということ)。しかし、ブリッジクルーからは呆れられ、整備班からは無視される。唯一の理解者であるアキトでさえ、彼の行動には呆れていた。しかしながらパイロットとしての能力、技量自体は高レベルであり後述の通り第2話では咄嗟の機転と作戦でアキトを救い出しルリからも「お手柄」と言われている。第3話のデルフィニウム部隊との戦闘では射撃武器も持たずに突っ込みデルフィニウムを撃墜、その後も複数を破壊し最後はミサイルの雨の中で一発も被弾していなかったりする。 第1話でエステバリスに乗り必殺技を披露したときにバランスを崩し転倒、左足を骨折してしまう。エステバリスの初陣で艦を救うという「オイシイ場面」を持って行かれた上、ユリカに慕われているという嫉妬からアキトを嫌いバカにしていたが、第2話で“合体”によりアキトの窮地を救った。アキトにゲキガンガーのビデオを見せ、すっかり“その道”に引きずり込む。だが、感動の余韻に浸るアキトを部屋に置き去りにして出し抜くなど自分勝手振りは相変わらずであった。 第3話のラストでムネタケ達の脱走を目撃した際に撃たれ、第4話の冒頭で呆気無くその人生を終える事になった(3~4話で死ぬ事はキャラメイク時より既に確定していた)。アキトを除く他のクルーたちの反応は冷淡そのものだったがこれはそもそも交流期間が短かったためで彼が全員に嫌われていたと言う訳ではないと思われる。しかし、死後に至ってもアキトに与えた精神的影響は大きく、死亡後も回想シーンや幻などで度々登場した。作中語られる事はないが元軍人で正規の軍訓練を受けたと言う設定がある(エリナが彼を「ヤマダ少尉」と呼んでいたのはこのため)。 漫画版では、宇宙風邪にかかりながらも出撃し、ナデシコを守るため戦死。その後、彼のエステバリスの頭部は形見としてアキトのエグザバイトに使用された。作中中盤に宇宙海賊キャプテン・ガヴァメントと名前・身分を偽った平行世界の大豪寺 凱がアキトを救出、彼に平行世界「大和」や平行世界の天河明人「スサノオ」の存在を教える。その後はナデシコ側に味方してユリカ奪還とスサノオの野望の打破を遂行した。 ドラマCD『お洒落倶楽部』では、70年代の特撮ヒーローにはまり、巨大化したコウイチロウに潰されている。 ナデシコ単独のゲーム作品では時系列的に彼の死後が多い為、登場できない場合が多いが、『スーパーロボット大戦シリーズ』ではアニメとは異なりMIA(戦闘中行方不明)となり、条件を満たすと復活することが多く、特にニンテンドーDS用ゲーム『スーパーロボット大戦W』では死亡する設定がカットされ無条件で生存(ただし長期離脱する)、オリジナル要素として劇場版設定のグラフィックが用意され、劇場版アキトとの合体攻撃の際には顔のアップ絵も見る事が出来る。なおニンテンドー3DS用ゲーム『スーパーロボット大戦BX』ではゲーム開始時から既に死亡しており(アニメ版7話にあたるシナリオから開始しているため)、ムネタケの回想に登場するのみである。
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