NFLドラフト NFLドラフトの概要

NFLドラフト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/14 03:56 UTC 版)

概要

NFLでは、他のプロスポーツと同様に、戦力均衡のため毎シーズンオフにドラフト会議を実施している。1936年の開始以降、チーム数やドラフトのラウンド数(巡目)など、一部が改訂されてきたものの、基本的な運用方法は変わっていない。MLBなどと異なり、指名権がトレード対象となることが特徴的である。現在、ドラフトは7巡制となっている。初期の頃は、人からの言い伝えやメディア、その他初歩的な能力の証拠に基づいて選手を評価し、指名していた。1940年代以降は、専任のスカウトを雇ったチームがドラフトで成功していき、他のチームも順次スカウトを雇う流れとなっていった。

NFLドラフトの開催場所は、ドラフト自体の人気の高まりとともに、より多くのファンを受け入れるため、年々変化していった。現在は、テレビのゴールデンタイムに放送されている。リーグ初期の1930年代半ばから1960年代半ばにかけて、NFLフランチャイズのある様々な都市で開催されていたが、1965年からはニューヨークに落ち着き、2014年までの50年間、ニューヨークで開催されていた。以降は様々な都市で開催されている。

歴史

指名選手を読み上げるNFLコミッショナーのロジャー・グッデル(2010年)

NFLの戦力均衡策として考案され、1936年に第1回ドラフト会議が開催された。以降米国内外プロリーグで同様のドラフトが行われるようになった。

1965年から2014年まではニューヨークで4月下旬に行われた。長らくマディソン・スクエア・ガーデンで行われたが、2006年からはラジオシティ・ミュージックホールに会場を移した。2015年以降は様々な都市で行われており、2018年はAT&Tスタジアム、2019年はナッシュビル特設会場で行われた。2020年は、2019新型コロナウイルスの感染拡大により開催地のラスベガスが事実上封鎖されることとなったことから、一般向けのイベントを中止しオンラインで開催された[1]

1983年のドラフトでは、ジョン・エルウェイトッド・ブラックリッジ英語版ジム・ケリートニー・イースン英語版ケン・オブライエンダン・マリーノらが指名された。この年のドラフトが現在史上最高のQBドラフト組と評されている[2]

1994年より7巡までの指名となった[3]

2009年までは2日間に分けて、初日に1~3ラウンド、2日目に4~7ラウンドの指名が行われていたが、2010年以降は期間が3日間になった。

フォーマット

初日に1巡目、2日目に2~3巡目、3日目に4~7巡目の指名が行われる。

各巡目ごとに、指名するチームに10分間の制限時間を与え、その間に指名する選手を決定する。

NFLドラフトで指名される選手は原則として大学を卒業した選手であるが、特例として「アーリーエントリー」という「高校卒業後、3フットボールシーズンが過ぎればドラフトにエントリーしても良い」という制度がある。

ドラフトされ入団した選手は非公開の公式に基づき、指名順により決定される年俸で4年契約を結び、5年目の契約はチームが選べるオプションとなる。

指名順位

前シーズンの成績下位球団から順番に選手を指名する完全ウェーバー方式が基本となっている。奇数巡目では、まずプレーオフに進出できなかった球団に対し、レギュラーシーズンの成績が悪かった順に優先指名権が与えられ、その後は、プレーオフで早く負けた順、そして最後にスーパーボウル優勝球団となる。プレーオフの同じラウンドで負けたチーム間では、プレーオフ進出と同様のタイブレークが適用され、成績の悪い順に優先指名権が与えられる。偶数巡目では、その逆の順番で指名が行われる。

ただし、指名権はしばしばチーム間でトレードされて移動する。将来の、まだ順位の定まらない指名権もトレード対象となる。選手を含むトレードの一部となることもある。上位指名権を複数の下位指名権に交換することはトレードダウン、その逆はトレードアップと呼ばれる。一つの指名権が複数のチームを渡り歩くことも、一つのチームが同じラウンドで複数の指名権を得ることもしばしばある。また、Non-exclusiveフランチャイズ・タグをつけた選手やRestricted フリーエージェントの選手を失った球団には代償として指名権が譲渡される。

ドラフト会議中の前述の10分間の指名時間内に、それまでの指名結果を受けて、指名権のトレードが行われることもある。各球団にはこれらの交渉を実施するためのウォールームという控室が与えられ、トレード交渉はそれぞれの部屋に詰めた球団の編成責任者同士で主に電話もしくは電子メールによって行われる。

大規模な指名権トレードの例として、1999年には、当時ニューオーリンズ・セインツのヘッドコーチだったマイク・ディトカの意向で、テキサス大学のリッキー・ウィリアムズを全米5位指名するために、セインツが同順位の指名権を持っていたワシントン・レッドスキンズに対して、同年の全ドラフト指名権と翌年の1位と3位の指名権をトレードで放出する事例があった。[4]

2022年ドラフトの例では、このような権利譲渡の結果、補償ドラフトを含む全262人の指名のうち半分以上の148人が譲渡された指名順によるものであった。


注釈

  1. ^ 当初はラスベガスシーザーズ・パレスで開催予定だったが、新型コロナウイルス感染症の流行により、NFLではすべてのライブ活動を中止したため、NFLドラフトは各指名候補選手が自宅からのビデオ会議で参加することになった。

出典

  1. ^ NFLドラフトは予定通り開催、一般向けイベントは中止”. AFP (2020年3月17日). 2020年4月18日閲覧。
  2. ^ ビッグベン、「2004年ドラフトQB組が史上最高になる」”. NFL JAPAN (2011年11月2日). 2012年11月4日閲覧。
  3. ^ NFLドラフトで チームが 優秀選手に注目”. NFL JAPAN (2000年3月30日). 2012年7月19日閲覧。
  4. ^ NFLドラフトにおいて球団が保有していた全指名権をトレードで譲渡したのはこの1例だけである。
  5. ^ Rams just earned two extra draft picks thanks to a new NFL rule and the Saints could be next”. CBS Sports. 2021年1月15日閲覧。
  6. ^ Where 49ers' draft picks stand after Jets hire Saleh”. NBC Sports. 2021年1月17日閲覧。
  7. ^ Report: Martin Mayhew will be Washington GM”. Niners Wire. 2021年1月24日閲覧。
  8. ^ Reiss, Mike (2020年6月28日). “New England Patriots fined $1.1 million, lose draft pick in film crew fallout”. ESPN. 2020年12月29日閲覧。
  9. ^ Craig, Mark (2021年3月19日). “Vikings lose seventh-round draft pick for salary-cap violation”. 2021年3月19日閲覧。
  10. ^ a b 印象に残る補足ドラフト指名トップ5”. NFL JAPAN (2012年7月4日). 2012年7月14日閲覧。
  11. ^ 補足ドラフトは1人、「第2のチャンス」を得たDEジャーモン”. NFL JAPAN (2009年7月17日). 2011年8月28日閲覧。
  12. ^ 補足ドラフト、注目QBプライアーはレイダース指名”. NFL JAPAN (2011年8月23日). 2011年8月28日閲覧。
  13. ^ ブラウンズ、補足ドラフトで注目WRゴードンを指名”. NFL JAPAN (2012年7月13日). 2012年7月13日閲覧。





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