Mac OS X バージョン

Mac OS X

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/07/09 16:03 UTC 版)

バージョン

コードネームはすべてネコ科の動物となっている。ただしv10.3以降は製品名として併記されている(米国ではv10.2以降)。ユーザはJaguar、Panther、Tiger、Leopard、Snow Leopardを、それぞれのバージョンを示す愛称として使うことが多い。また、v10.7 OS X Lionでは、バージョンナンバーよりLionを全面に打ち出している。

Public Beta (Siam)

2000年9月13日(日本では同年10月21日[5])、アップルはMac OS X Public Betaをリリースした。Aquaインタフェースの美しい見た目が、Macユーザに衝撃を与えたが、 使い勝手が大きく変化したことについては、戸惑いの声があがる。

Mac OS X v10.0 (Cheetah)

2001年3月24日、アップル社はMac OS X v10.0(コードネーム : Cheetah)を発売した。従来のMac OSと比較すると劇的に安定性が向上しており、パブリック・ベータからさらに改良されていたが、当初はDVD再生機能などがなく、対応機器も限られており速度も非常に遅く、まだ完成度は低かった。Mac OS 9と切り替えて使うなど、メインのOSとして日常的に使うユーザは少なかった。

Mac OS X v10.1 (Puma)

2001年9月25日、Mac OS X v10.1(コードネーム : Puma)がリリースされ、10.0のユーザへの無償アップデートサービスが行われた。10.0に欠けていた多くの機能が追加され、システムのパフォーマンスが向上、実用的に使える初めてのバージョンといわれる。ユーザインタフェースにも手直しがなされ、変換精度が大幅に向上したことえり3を搭載。Microsoft、Adobeなどから対応ソフトがリリースされた。

Mac OS X v10.2 (Jaguar)

2002年8月24日、Mac OS X v10.2 Jaguarが発売された。日本では商標の問題でJaguarは製品名には付けられなかった。スプリングローデッドフォルダ機能が復活するなど、Finderの使い勝手に改良が施される。動作速度が上がり対応機器が増えて、Mac OS Xを業務用途で利用するユーザにも受け入れられるようになったほか、UNIXユーザの間でもMac OS Xを愛用する人が増える。ビデオチップのジオメトリ演算ユニットを使って CPU の負荷を軽減する「Quartz Extreme」、ネットワーク機能「Rendezvous」(現・Bonjour)、手書き文字認識「Inkwell」などの新機能を実装。バージョン10.2.3よりジャーナリングファイルシステムが実装された。2003年からはWebブラウザとしてSafariが登場し、Mac OS 9が起動しないMac OS XのみをサポートするMacが販売されるようになった。ファイアウォール機能が標準で付属し、IPsecIPv6にデフォルトで対応したのもこのバージョンである。

Mac OS X v10.3 Panther

2003年10月24日にMac OS X v10.3 Pantherが発売された。標準でUSBポートを備えたマシン以外のサポートを打ち切り、初代iMac以降の機種への対応となった。開発者向けにはコントローラレイヤ「Cocoa Binding」が導入された。システムの安定性がさらに向上したほか、処理速度も向上し、低クロックのG3マシンでも比較的快適に動作する。FinderiTunesのインタフェースを取り入れた2ペイン形式での表示も可能になり、フォルダに色を付けるラベル機能も復活した(アイコンではなく名前の色付けになった)。また、ウィンドウ一覧表示機能「Exposé」、ホームフォルダの暗号化機能「FileVault」が追加され、ことえりがバージョン4になり予測変換などの機能が追加された。Mac OS Xでも大手印刷会社への入稿受け入れが整ったため、遅れていたデザイン出版分野への導入が徐々に進み始める。またライセンス使用料の追加がないクライアント無制限の「Mac OS X Server」搭載の1Uサーバ「Xserve」とNetBootが評価され、東京大学東京女子大学に大量導入された。

Mac OS X v10.4 Tiger

2005年4月29日、Mac OS X v10.4 Tigerが発売された。このバージョンからメディアがDVD-ROM1枚になった。動作環境が「FireWireポートを標準搭載したMac」とされ、初期のiMac(トレイローディングの機種)ならびに初期のiBook(クラムシェル〈帆立貝に似た形〉の一部)は対応外となった。新規にリアルタイムイメージングインタフェース「Core Image」および「Core Video」、64ビットオーディオインタフェース「Core Audio」、モデルレイヤ「Core Data」が導入された。さらにlaunchdが従来のinitなどのUNIXデーモン群を置き換え、カーネル・プログラミング・インタフェース (KPI) やUTIが実装されるなどシステム内部が大きく刷新されたが、以前のバージョンとの互換性は概ね維持されている。システムに統合されたメタデータ検索機能「Spotlight」、WebKitベースのアプリケーション実行環境「Dashboard」のほか、200 以上の新機能を搭載した。仮想メモリの暗号化まで含めたセキュリティ機能の充実により、あおぞら銀行2006年にかけて2,500台という規模でTiger搭載iMac G5の導入を決めている。WWDC 2005においてOSはTigerのまま2006年よりMacのCPUをインテルベースに移行することが発表され、2006年以降の新製品には、インテル対応版Mac OS Xが搭載された。

なお、インテル対応版Mac OS X Tigerは単体で販売されておらず、またインテルCPUを乗せたMacではClassic環境を利用することができない。

Mac OS X v10.5 Leopard

Mac OS X v10.5 Leopard(レパード[6])は、発表当初は2007年春のリリースを目指して開発されていたが、2007年4月12日(現地時間) に、6月発売のiPhoneプロジェクトへ一時的に開発リソースを集中させる目的でリリース延期が表明され、2007年10月26日に発売された[7]。このバージョンからUniversal Binaryとなり、メディアが2層DVD-ROM 1枚になった。2006年8月7日 Worldwide Developers Conference にて機能の一部が発表されている。64bitに対応したCocoa、容易なプログラミングでアニメーションを実現する「Core Animation」、Core Data 2.0、解像度非依存のユーザインタフェース、仮想デスクトップ環境「Spaces」、バックアップツール「Time Machine」、Windows XPまたはWindows Vistaとのデュアルブート環境を実現する「Boot Camp」、改良強化されたSpotlightDashboardウィジェットを容易に作成できるDashcodeなど多数の機能が搭載される。2007年6月11日 、WWDC (Worldwide Developers Conference) の基調講演で、新しいFinderDockQuick Lookが披露された。JIS X 0213:2004対応フォント搭載。Tigerまでは搭載されていたレガシーな機能が排除されたのも特徴であり、Classic環境が利用できなくなった。

なお、UNIXの商標を管理する団体である「The Open Group」より「Single UNIX Specification」の認証を受けた、正式なUNIXとなった。

Mac OS X v10.6 Snow Leopard

2009年8月28日に発売。このバージョンからIntelプロセッサを搭載したMac専用となり、PowerPCプロセッサを搭載したMacでは使用できなくなった。2008年6月9日(現地時間午前)に開催されたWWDC 2008での基調講演にて開発が発表され[8]、2009年6月8日に開催されたWWDC2009で詳細と発売予定時期があらためて発表された。主にパフォーマンスと安定性[9]に注力し、OS全体が大幅に小さくなった。DockExposé の機能が拡張され、Microsoft Exchange 2007を標準でサポート。FinderQuickTime(QuickTime X)がCocoaベースに作り直されたほか、ほとんどのシステム付属アプリケーションが64ビット化、Grand Central Dispatch(GCD)とOpenCLにより並行演算機能が大幅に強化された[10]

OS X v10.7 Lion

2010年10月21日に発表。Exposé・Dashboard・Spacesの各機能に統合されたアクセスを提供する"Mission Control"を搭載するほか、ソフトウェア販売サービス"Mac App Store"やフルスクリーンのウィンドウ表示、アプリケーションランチャ "LaunchPad"などiOSに由来する機能を搭載。Mac OS X v10.5 Leopard以来の大幅な機能とインタフェースの刷新となる。2011年2月24日には、公式サイトにさらなる新機能の説明が追加された。LaunchPadやAirdropなどを含む250を越える新機能を追加し、64ビットマルチコアCPU(Intel Core 2 Duo以降)のみをサポートする。7月20日にMac App Storeでダウンロード販売を開始した。8月17日には、USBメモリ版も発売された。

OS X v10.8 Mountain Lion

2012年2月16日に発表、デベロッパプレビューも同時に公開。リリースは2012年7月に予定されている。100以上の新機能が追加され、メッセージングサービス"iMessage"、"リマインダー"、"通知センター"、"メモ"、"Game Center"など、iOS 5で提供されたアプリケーションや新機能がMacでも利用可能となる。OS X Lionに引き続き、iOSに由来する機能が搭載される予定。"Mountain Lion"とは"Puma", "Cougar"の別名である。




[ヘルプ]
  1. ^ XQuartz
  2. ^ Leopard 新機能 日本語環境
  3. ^ ASCII.jp:【WWDC2005基調講演 Vol.3】ジョブズがアップルについて語ったこと──インテル移行計画
  4. ^ Copland以前にMacintoshの後継システムとして構想されていた"Pink"が目指していた完全オブジェクト指向OSの構想が形を変えて実現したとも言える
  5. ^ アップル、Mac OS X Public Betaを特設オンラインストア「Apple Store」で販売
  6. ^ 商標登録番号 第4876376号 称呼としてレオパードとレオパルドを登録しているがアップルはレパードを使用している
  7. ^ アップル、Mac OS X Leopardを10月26日に出荷
  8. ^ アップル、Mac OS X Snow Leopardをデベロッパにプレビュー
  9. ^ 新Mac OS X「Snow Leopard」を徹底解剖”. ASCII.jp (2008年6月16日). 2010年1月31日閲覧。
  10. ^ Mac OS X Snow Leopard
  11. ^ Java (OS X Lion)



macOS

(Mac OS X から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/09 08:31 UTC 版)

macOS(マックオーエス)は、Appleが開発・販売するMacオペレーティングシステムである。当初の名称はMac OS X(マックオーエステン)で、のちにOS X(オーエステン)に改められていた(後述)。




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