台湾神宮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2024/04/28 13:52 UTC 版)
影響
台湾神宮は台湾の総鎮守として、台湾で最も重要な神社とされた。台湾総督府は10月28日を「台湾神社祭」と定め、この日を全島の休日とした。祭典は祈年、新嘗、例祭のほか毎年6月17日、始政記念祭が執行される。当日、台湾総督府から総督が参向して幣帛を奉り、全島の平穏が祈請された。
なお、台湾における日本円の発券銀行であった台湾銀行の紙幣には台湾神宮が殆どの紙幣で登場していた。
神社入り口に置かれていた青銅製の牛の像は、現在国立台湾博物館の敷地内に設置されている。
市民生活と神社
参拝者数
| 年度 | 内地人 | 本島人 | 蕃人 | 外国人 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1901年度（明治34年度） | 27381 | 4026 | - | 54 | 31461 |
| 1905年度（明治38年度） | 50212 | 18022 | 19 | 28 | 68281 |
| 1910年度（明治43年度） | 52917 | 18743 | 247 | 37 | 71944 |
| 1920年度（大正9年度） | 85770 | 42357 | 258 | 132 | 128517 |
| 1930年度（昭和5年度） | 180011 | 66701 | 752 | 646 | 248110 |
結婚式数
内地では、皇太子嘉仁親王（のちの大正天皇）と九条節子（のちの貞明皇后）の結婚に際し、新たな神道形式の結婚式が広まった。台湾神社では1907年（明治40年）以降、結婚式の統計記録が残っている。
| 年度 | 内地人 | 本島人 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 1907年度（明治40年度） | 3 | - | 3 |
| 1910年度（明治43年度） | 20 | - | 20 |
| 1920年度（大正9年度） | 69 | 3 | 72 |
| 1930年度（昭和5年度） | 243 | 4 | 247 |
皇族・王公族の参拝
「台南神社#皇族の参拝」も参照
大正時代までは、能久親王の命日かつ例大祭である10月28日と、下関条約締結により台湾が日本に割譲された4月17日前後が多い。また、前後の日程で同じく能久親王を祀る台南神社（北白川宮御遺跡所）へ参拝している事例も多い。
- 1901年（明治34年）10月27日、10月28日、10月30日 - 北白川宮大妃富子[18][注釈 7]
- 1908年（明治41年）10月28日 - 閑院宮載仁親王[18]
- 1910年（明治43年）6月16日 - 北白川宮家の輝久王[18][注釈 8]
- 1916年（大正5年）4月17日 - 閑院宮載仁親王、同妃智恵子[18]
- 1917年（大正6年）10月28日、11月2日 - 北白川宮成久王、同妃房子内親王[18][注釈 9]
- 1920年（大正9年）10月20日、10月28日 - 久邇宮邦彦王、同妃俔子[19]
- 1923年（大正12年）4月17日 - 皇太子裕仁親王[19][注釈 10]
- 1925年（大正14年）5月30日 - 秩父宮雍仁親王[20]
- 1926年（大正15年）4月16日 - 高松宮宣仁親王[20][注釈 11]
- 1926年（大正15年）10月28日、11月1日 - 北白川宮大妃富子[20][注釈 6]
- 1927年（昭和2年）11月3日 - 朝香宮鳩彦王[23][注釈 12]
- 1928年（昭和3年）4月2日 - 久邇宮家の朝融王[23]
- 1929年（昭和4年）5月13日 - 伏見宮家の博義王[23]
- 1931年（昭和6年）6月6日 - 賀陽宮恒憲王[24]
- 1933年（昭和8年）7月4日 - 久邇宮朝融王[24]
- 1934年（昭和9年）9月23日 - 伏見宮博恭王[24]
- 1935年（昭和10年）1月18日 - 李王垠[25]
注釈
- ^ 横沢三郎の父[5]。
- ^ 初代。その後架け替えられて、現在の中山橋 (台北市)となる。
- ^ 臣籍降下した元皇族。本人の項目を参照。
- ^ a b 「たかさごの」は、本来は「まつ」「尾上」に掛かる枕詞。また日本における台湾の古い異称（高砂国）。
- ^ 行啓に際し、勅使街道（現：中山北路）が建設された。
- ^ a b 富子妃は、この間10月30日に同じく能久親王を祭神とする台南神社にも参拝している。当該項目を参照。
- ^ 11月4日に北白川宮御遺跡所にも参拝。当該項目を参照。
- ^ 能久親王の子。6月17日に北白川宮御遺跡所にも参拝。翌月に臣籍降下。当該項目を参照。
- ^ 成久王は能久親王の子、房子内親王は明治天皇皇女。10月26日に、北白川宮御遺跡所にも参拝。
- ^ 台湾行啓時の参拝。4月20日に北白川宮御遺跡所にも参拝。
- ^ 同年4月10日、台南神社にも参拝。当該項目を参照。
- ^ 同年11月1日、台南神社にも参拝。当該項目を参照。
- ^ この訪台中に台中不敬事件が発生。当該項目を参照。
出典
- ^ a b c d e f g 昭和19年内務省告示第374号（『官報』第5227号、昭和19年6月19日）（NDLJP:2961729）
- ^ 臺灣神社社務所 1935, pp. 42–43（NDLJP:3460493/43）
- ^ 臺灣神社社務所 1935, pp. 43–44.
- ^ a b c d e f g 臺灣神社社務所 1935, p. 46（NDLJP:3460493/45）
- ^ 横沢英雄「殿堂入りの人々を語る(17)「わが父・サブちゃん」」（pdf）『野球体育博物館』第17巻第3号、野球体育博物館 、2007年10月25日、3頁、2022年8月16日閲覧。
- ^ 臺灣神社社務所 1935, pp. 44–45（NDLJP:3460493/44）
- ^ 明治33年内務省告示第81号（『官報』第5165号、明治33年9月18日）（NDLJP:2948459/2）
- ^ a b c d e 臺灣神社社務所 1935, p. 47（NDLJP:3460493/46）
- ^ a b c d e 臺灣神社社務所 1935, p. 49（NDLJP:3460493/47）
- ^ 臺灣神社社務所 1935, pp. 49–50.
- ^ 臺灣神社社務所 1935, p. 52（NDLJP:3460493/49）
- ^ 臺灣神社社務所 1935, p. 53（NDLJP:3460493/49）
- ^ 臺灣神社社務所 1935, pp. 53–54.
- ^ a b 臺灣神社社務所 1935, p. 54（NDLJP:3460493/50）
- ^ 臺灣神社社務所 1935, p. 56（NDLJP:3460493/51）
- ^ 臺灣神社社務所 1935, p. 58（NDLJP:3460493/52）
- ^ 『植民地在住者の政治参加をめぐる相剋「台湾同化会」事件を中心として』岡本真希子著
- ^ a b c d e f 臺灣神社社務所 1935, p. 83（NDLJP:3460493/66）
- ^ a b c 臺灣神社社務所 1935, p. 84（NDLJP:3460493/67）
- ^ a b c d 臺灣神社社務所 1935, p. 85（NDLJP:3460493/67）
- ^ 臺灣神社社務所 1935, pp. 118–120.
- ^ 臺灣神社社務所 1935, p. 121（NDLJP:3460493/88）
- ^ a b c d e 臺灣神社社務所 1935, p. 86（NDLJP:3460493/68）
- ^ a b c d 臺灣神社社務所 1935, p. 87（NDLJP:3460493/68）
- ^ a b c d 臺灣神社社務所 1935, p. 88（NDLJP:3460493/69）
- ^ 臺灣神社社務所 1935, p. 89（NDLJP:3460493/74）
固有名詞の分類
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