メディアファクトリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/10 01:53 UTC 版)
メディアファクトリー | |
---|---|
英文名称 | MEDIA FACTORY |
前身 | 株式会社メディアファクトリー |
現況 | KADOKAWAのブランド |
設立日 | 2013年(平成25年)10月1日 |
主要出版物 |
MF文庫J MFブックス |
定期刊行物 |
月刊コミックアライブ 月刊コミックフラッパー など |
出版以外の事業 | 玩具製作・映像ソフト販売 |
関係する人物 |
芳原世幸 伊藤誠 田中翔 |
かつてはポケモンを始めとするトレーディングカードゲームやテレビゲームソフトの製作も行っていたことでも知られていたが、既に他社譲渡や事業撤退している。
後述の通りリクルートグループの書籍出版部門として設立された経緯から、リクルートの雑誌に掲載された連載漫画や、同社初の娯楽雑誌で、1994年に創刊された文芸雑誌『ダ・ヴィンチ』は、単行本を受託出版する形式を採っていた。1998年5月にリクルートから3誌(ダ・ヴィンチ、じゅげむ、ザッピィ)あり、本業から大きく逸れた娯楽雑誌部門を編集部ごと譲受したのを機にサブカルチャー系統の漫画雑誌を立ち上げるようになり、リクルートの雑誌から漫画作品の連載を取りやめ、当社の漫画雑誌に移籍する形式を採られた。
本項では、当ブランドの前身となる株式会社メディアファクトリー及び同社が吸収合併されて発足したKADOKAWA・メディアファクトリーブランドカンパニーについても解説する。
歴史
旧会社情報
種類 | 株式会社 |
---|---|
略称 | メディファク、MF |
本社所在地 |
日本 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3丁目3番5号 NBF渋谷イースト(旧:モリモビル) |
設立 |
1986年(昭和61年)12月1日 (株式会社リクルート出版) |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 |
雑誌・書籍の出版事業 アニメ・映像・音楽事業 マーチャンダイジング事業 |
代表者 | 芳原世幸(代表取締役) |
資本金 | 1億円 |
売上高 | 234億419万円(2011年度) |
従業員数 |
165人 (2012年1月1日現在) |
主要株主 | 角川グループホールディングス 100% |
関係する人物 |
坂本健(元代表取締役) 藤原和博 |
特記事項:旧本社:中央区銀座8丁目4番17号 2013年にKADOKAWAへ吸収合併、ブランドカンパニー化。 |
株式会社メディアファクトリー
1986年(昭和61年)12月1日、株式会社リクルートの書籍出版部門より株式会社リクルート出版として分離・独立。
1991年(平成3年)4月1日、株式会社メディアファクトリー(MEDIA FACTORY,INC.)に社名変更。
1997年(平成9年)、リクルートのエンターテインメント領域グループ企業再編に伴い株式会社ミュージックマイン(旧社)を吸収合併[1]。
1998年(平成10年)、パイオニアLDC(現・NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)と合弁でレコードレーベル「factoryorumok」を立ち上げたが、後に提携を解消している。
1999年(平成11年)8月、YOSHIKIと共同出資で株式会社エクスタシー・ジャパンを設立[2]。
1999年(平成11年)12月、流通部門を株式会社クロス・エンタテインメント・ディストリビューションに分社化。2002年10月株式会社クロス・エンタテインメント・ディストリビューションと合併[3]。
2001年(平成13年)7月、ミュージックマイン事業部を株式会社セブンティ・ドラムスに譲渡。同時に株式会社セブンティ・ドラムス(株式譲渡完了後、株式会社ミュージックマインに商号変更)と株式会社ミュージックマイン・アイディーの株式を株式会社アーティストハウスに譲渡。
2011年(平成23年)、角川グループホールディングス(現在のKADOKAWA)が株式会社リクルートより80億円で買収し、11月15日付で完全子会社化した[4][5][6]。それに伴い、登記上の本店住所を、東京都中央区銀座8丁目4番17号にあるリクルートGINZA8ビルから渋谷のNBF渋谷イーストへ移転。
元代表取締役社長の芳原世幸はリクルート時代にカーセンサーの創刊編集長、エイビーロード、ゼクシィの編集長を務めていた。
株式会社KADOKAWA メディアファクトリー
2013年(平成25年)10月1日、KADOKAWAに吸収合併され、ブランドカンパニーとなった[7]。また、2015年3月には事業所を渋谷からKADOKAWAグループの本拠地である富士見に移している[8]。
映像事業およびキャラクターグッズ事業において、前者の場合は主にメディアファクトリーブランドとしてKADOKAWAが製作に関わったアニメ作品の映像ソフト(BD/DVD)の発売・販売を「KADOKAWA メディアファクトリー」名義で行っている。ただし、旧メディアファクトリーおよび現在のメディアファクトリーブランドのKADOKAWA作品のインターネット配信のうち、特にブランド別ソートを採用しているバンダイチャンネルにおける提供元の名義は、他のブランドカンパニー(角川書店、アスキー・メディアワークス、エンターブレインなど)が関わった作品のようにドコモ・アニメストアに一本化されておらず、メディアファクトリーのまま通している[9]。後者もKADOKAWAの子会社であるキャラアニと一部重複・競合する事業内容ではあるものの、同様に継続している。
また、製品のCMの最後に挿入されるサウンドロゴも、旧メディアファクトリー時代(2代目)の物が継続して使われていたが、2014年作品からは新KADOKAWA時代の物を使用している。
この頃は怪談誌の編集が角川書店ブランドカンパニー(当時)に変更されたり、メディアファクトリー新書が角川新書に吸収されている。
2015年4月にブランドカンパニー制が廃止。メディアファクトリーはブランドとして辛うじて残るものの、これ以降、更にKADOKAWA色が強まる。メディアファクトリーが販売する映像ソフトや所属アーティストのCMでは画面上部にMFのロゴが表示されていたが、2016年1月に鈴木このみがリリースした『Beat your Heart』を最後に消滅。以後はKADOKAWAのロゴが表示されている。また、株式会社メディアファクトリー時代から製作・配布してきたアニメのパンフレット『メディファクマガジン(MEDIA FACTORY MAGAZINE)』も2016年を以って終了し、2017年以降は『KADOKAWAアニメマガジン』を製作・配布している。
YouTubeチャンネル「メディアファクトリーTV」も「KADOKAWAanime」へ統合されつつあり、2017年10月以降は不定期で更新されている。
2021年8月17日、KADOKAWAオフィシャルサイト内のメディアファクトリーのブランドページが閉鎖[10]。
主な雑誌・書籍
- ダ・ヴィンチ(総合文芸誌)
- MF文庫J(ライトノベルレーベル)
- 陰からマモル!(2006年アニメ放送)
- 神様家族(同)
- ゼロの使い魔(2006年、2007年、2008年、2012年アニメ放送)
- かのこん(2008年アニメ放送)
- けんぷファー(2009年、2011年アニメ放送)
- 聖剣の刀鍛冶(2009年アニメ放送)
- あそびにいくヨ!(2010年アニメ放送)
- えむえむっ!(同)
- IS 〈インフィニット・ストラトス〉(2011年アニメ放送)[注 1]
- 緋弾のアリア(同)
- まよチキ!(同)
- 僕は友達が少ない(2011年、2013年アニメ放送、2014年実写映画上映)
- この中に1人、妹がいる!(2012年アニメ放送)
- お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ(同)
- 変態王子と笑わない猫。(2013年アニメ放送)
- 機巧少女は傷つかない(同)
- 魔法戦争(2014年アニメ放送)
- 星刻の竜騎士(同)
- 精霊使いの剣舞(同)
- 魔弾の王と戦姫(同)
- ノーゲーム・ノーライフ(2014年アニメ放送、2017年劇場アニメ上映)
- アブソリュート・デュオ(2015年アニメ放送)
- ミカグラ学園組曲(同)
- 学戦都市アスタリスク(2015年、2016年アニメ放送)
- Re:ゼロから始める異世界生活(2016年、2020年、2021年アニメ放送、2018年、2019年劇場アニメ上映)
- ようこそ実力至上主義の教室へ(2017年、2022年、2024年アニメ放送)
- 可愛ければ変態でも好きになってくれますか?(2019年アニメ放送)
- 究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら(2021年アニメ放送)
- ぼくたちのリメイク(同)
- 探偵はもう、死んでいる。(同)
- ライアー・ライアー(2023年アニメ放送)
- 佐々木とピーちゃん(2024年アニメ放送)
- 神は遊戯に飢えている。(同)
- 義妹生活(同)
- なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?(同)
- コミックフラッパー(毎月5日発売)
- ふたつのスピカ(2003年アニメ放送、2009年ドラマ放送)
- 二十面相の娘(2008年アニメ放送)
- ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド(2010年アニメ放送)
- 殿といっしょ(2010年、2011年アニメ放送)
- BRAVE10(2012年アニメ放送)
- となりの関くん(2014年アニメ放送)
- デンキ街の本屋さん(同)
- くまみこ(2016年アニメ放送)
- 将棋めし(2017年ドラマ放送)
- ちおちゃんの通学路(2018年アニメ放送)
- ヒモメン(2018年ドラマ放送)
- 初情事まであと1時間(2021年ドラマ放送)
- このヒーラー、めんどくさい(2022年アニメ放送)
- 月刊コミックアライブ(毎月27日発売)
- 月刊コミックジーン(毎月15日発売)
- オレん家のフロ事情(2014年アニメ放送)
- SERVAMP-サーヴァンプ-(2016年アニメ放送)
- ニーチェ先生(2016年ドラマ放送)
- 恋するシロクマ(2017年アニメ映画上映)
- あっくんとカノジョ(2018年アニメ放送)
- ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。(2020年アニメ放送)
- 殺し愛(2022年アニメ放送)
- 錆色のアーマ-黎明-(2022年アニメ放送)
- ジーンピクシブ(ピクシブと提携したウェブコミック配信サイト)
- ガイコツ書店員 本田さん(2018年アニメ放送)
- ナカノヒトゲノム【実況中】(2019年アニメ放送)
- アフリカのサラリーマン(同)
- 映画大好きポンポさん(2021年アニメ映画上映)
- 佐々木と宮野(2022年アニメ放送、2023年アニメ映画上映)
- みなと商事コインランドリー(2022年、2023年ドラマ放送)
- 君には届かない。(2023年ドラマ放送)
- 佐原先生と土岐くん(同)
- ジーンLINE(LINEマンガと提携したウェブコミック配信サイト)
- コミックキューン(毎月27日発売)
- MFブックス(フロンティアワークスと共同)
- 盾の勇者の成り上がり(2019年、2022年アニメ放送)
- 八男って、それはないでしょう!(2020年、2021年アニメ放送)
- 無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜(2021年、2023年、2024年アニメ放送)
- 異世界薬局(2022年アニメ放送)
- 人間不信の冒険者たちが世界を救うようです(2023年アニメ放送)
- 治癒魔法の間違った使い方 〜戦場を駆ける回復要員〜(2024年アニメ放送)
- コミックエッセイ劇場(コミックエッセイ専門のウェブコミック配信サイト)
- フルール(ウェブ小説サイト)
- COMICフルール(エロBL専門のウェブコミック配信サイト)
- 空想科学読本(改訂版・文庫版・新装版)
- セイシュンの食卓(リクルート出版時代の代表作。1989年アニメ放送)
- ショムニ(版元が講談社から移った)
- 寺沢武一作品(版元が集英社から移った)
注釈
出典
- ^ “株式会社ミュージックマイン会社沿革”. 株式会社ミュージックマイン. 2018年9月12日閲覧。
- ^ “YOSHIKI、音楽レーベルを主催”. アスキー. 2018年9月14日閲覧。
- ^ “メディアファクトリー、販売子会社を吸収合併”. インプレス. 2018年9月12日閲覧。
- ^ “【重要】株主の異動に関するお知らせ”. メディアファクトリー (2011年10月12日). 2011年10月12日閲覧。
- ^ “角川、リクルート子会社を80億円で買収”. 日本経済新聞 (2011年10月12日). 2020年8月16日閲覧。
- ^ “株式会社メディアファクトリーの株式の取得(子会社化)完了のお知らせ”. 角川グループホールディングス (2011年11月15日). 2011年11月15日閲覧。
- ^ “【東証開示】連結子会社の吸収合併並びに商号及び定款の一部変更に関するお知らせ” (PDF). 角川グループホールディングス (2013年3月28日). 2013年11月11日閲覧。
- ^ “オフィス移転のお知らせ” (PDF). 株式会社KADOKAWA メディアファクトリーブランドカンパニー (2015年3月5日). 2015年3月31日閲覧。
- ^ niconico(ニコニコアニメチャンネル)への配信作品も、2013年秋放送開始の作品までは同様だったが、同年末よりメディアファクトリーやドコモ・アニメストアも含めてほぼ全作品の提供が運営元のニワンゴに譲渡された。
- ^ “KADOKAWAオフィシャルサイト内 各ブランドページについてのお知らせ”. KADOKAWA (2021年8月17日). 2021年8月31日閲覧。
- ^ 「ブームの裏側 ナナメ読みのススメ」『日経流通新聞』2003年9月9日付、24頁。
- ^ 『人生ゲーム』や『桃太郎電鉄』の人気にあやかり、いわゆる「二匹目のドジョウ」を狙ったボードゲーム作品。プレイヤーはサイコロを振って双六を進んでいき、食材を手に入れシェフに調理してもらうという内容だが、サイコロの出目やバトルなどがCPUにとって異常に有利に働く仕様なので難易度は非常に高く、このことからゲームとしての評価は低い。
- 株式会社QBQ編 『プレイステーションクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2018年。ISBN 978-4-86511-834-6 p48
- ^ メディアファクトリーの品番を使用している為、一部ネット通販ではメディアファクトリー表記で販売されている。
- ^ “寿福知之〈GOON TRAX〉×DJ BAKU〈KAIKOO〉──伝説のフェスティバル「KAIKOO」復活の狼煙!”. オトトイ株式会社. 2018年9月11日閲覧。
- ^ “KADOKAWA×カシオの協業レーベル第一弾アーティストがデビュー!リリース記念イベント×ファッションショーをバンタンと開催”. PR TIMES. 2018年9月14日閲覧。
- 1 メディアファクトリーとは
- 2 メディアファクトリーの概要
- 3 休廃刊・移行した雑誌・書籍
- 4 音楽レーベル
- 5 アニメ
- 6 映画・ドラマ
- メディアファクトリーのページへのリンク