ベクトル 数理科学

ベクトル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/11 08:06 UTC 版)

数理科学

数学

数学・物理学

同じ言葉でも数学と物理学ではやや異なった意味で使われる場合がある。

  • 空間ベクトル(幾何ベクトル) - 幾何学的空間における、大きさと向きを持った。有向線分として捉えることができる。
    • ベクトル積 - 数学的には、n 次元ベクトル空間において n - 1 個のベクトルに1つのベクトルを対応させる n - 1 項演算の一種。3次元の場合のみ二項演算となり「積」らしくなるので、3次元に限って「ベクトル積」と呼ぶ場合も多い。演算子に × を用いるので、クロス積とも呼ばれる。また、3次元では外積に一致するので、ベクトルの外積とも呼ばれる。
  • 1階のテンソル - 線形性を持つ作用する空間(テンソル[疑問点]のうち階数が 1 であるもの。群を行列で表示したとき、数ベクトルとして表現される。幾何ベクトルは[要校閲]、幾何的な回転操作に対してベクトルとして振る舞う。
  • ベクトル場(数学)- 数学では、空間の各点がベクトル量を持つようなある種の関数
  • ベクトル場(物理学)- 物理学では、数学的な定義より限定的に、ある種の「」を意味することがある(後述の「ベクトル粒子」を参照)。
  • ベクトル解析 - ベクトルの演算記法を利用した解析学の方法。3次元または2次元上の問題を扱う際にしばしば利用され、電磁気学流体力学など広い範囲で応用される。

物理学

コンピュータ

C言語C++C#では構造体やクラスを利用したユーザー定義型としてグラフィックスプログラミング向けの数学ライブラリに実装されることが多いが[4][5]HLSLGLSLといった各種シェーディング言語では、少なくとも2次元・3次元・4次元のベクトル型が組み込み型として用意されており[6][7][8]、行列型と組み合わせた同次座標変換のための演算子オーバーロードや組み込み関数も提供される。
GPUはもともと、4次元ベクトル同士の演算をまとめて高速に実行する命令セットを持つ4-way SIMD型のプロセッサから発展した。
OpenCLのカーネル言語では2次元・3次元・4次元・8次元・16次元の組み込みベクトル型が用意されている[9]。ベクトル型の演算にハードウェアアクセラレーションが利用されるかどうかは実装に依存する。
  • ベクター画像形式 - コンピュータグラフィックス(CG)の形式。2次元CGをコンピュータ上で表現するデジタル画像データ形式の代表的な2つのうち1つ。各図形を表現するためのメタデータを記録する。例えば、円や矩形といった形状の種別や、大きさ、色、線の長さや太さ、方向、傾き、表示エリア内での位置座標などを基に表現する。対義語はラスター画像形式。
  • 動きベクトル - 動画データの表現方法の一つ。フレーム間の移動量。

  1. ^ JISZ8301 2008.
  2. ^ JIS Z8301:2008 付属書I(規定)数値・量記号・単位記号・式 G.6.2.2 英語の語尾に対応する長音符号の扱い b)表G.3より66/110ページ
  3. ^ ダニエル・フライシュ 著、河辺哲次 訳『物理のためのベクトルとテンソル』岩波書店、2013年、1頁。ISBN 978-4-00-005965-7 
  4. ^ DirectXMath Library structures - Win32 apps | Microsoft Docs
  5. ^ Vector3D Struct (System.Windows.Media.Media3D) | Microsoft Docs
  6. ^ Vector Type (HLSL) - Win32 apps | Microsoft Docs
  7. ^ ベクトル型 (DirectX HLSL) | Microsoft Docs
  8. ^ Data Type (GLSL) - OpenGL Wiki
  9. ^ Vector Data Types | OpenCL 1.1 Specification | Khronos Group


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