アマモ アマモの概要

アマモ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/08 09:39 UTC 版)

アマモ
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: オモダカ目 Alismatales
: アマモ科 Zosteraceae
: アマモ属 Zostera
: アマモ Z. marina
学名
Zostera marina L.1753
英名
eel grass

名の由来

和名は、地下茎を噛むとほのかに甘いことに由来するが、「海藻(あまも)」に通じるとの説もある。

岸辺に打ち上げられたの様子から、リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ龍宮の乙姫の元結の切り外し)という別名をもつが、これは最も長い植物名として知られる[1]。ただし、長大語の実例として言及されることは多いものの、実際に使用されることはほとんどない。NHKアニメ『はなかっぱ』の「早口でいってみよう!」に出てくる植物でもある。

英名 eel grassは「ウナギ草」の意で、細長い葉に由来する。なお、アメリカ先住民族の一部はアマモ属を食用にする。

特徴

葉の部分の拡大

アマモは胞子で増える藻類ではなく、海中に生える種子植物である。海産藻類を海藻と言うのと区別するために、アマモなど草本性かつ沈水性の海産種子植物を海草と呼ぶことがある。

イネ科と同じ単子葉類の草本であり、節のある長い地下茎とヒゲ状の根、イネに似た細長い葉をもつ。葉は色で、先端はわずかに尖り、5 - 7本の葉脈が先端から根元まで平行に走る。葉は長さ20 - 100センチメートル、幅3 - 5ミリメートル。

多くの器官が退化して雌しべ・雄しべのみとなった小さな白いを咲かせ、結実して米粒大の黒い種子を作る。種子は発芽に際して一定時間淡水にさらされる必要があることが知られており、自然条件では河口から流れ込む淡水などがアマモ種子の発芽に必要な淡水を供給している可能性があるとされる。また、種子以外に地下茎の分枝・伸長によっても増える。

いくつかの近縁種があり、コアマモやウミヒルモは砂泥干潟の潮間帯、エビアマモは岩磯の潮下帯、スガモは寒帯の岩礁、潮下帯にアマモ、熱帯ではウミショウブなどという棲み分けが見られる。

アマモの生育には水質や砂泥質の底質が清浄であること、人工構造物によって海岸線や浅海域がかく乱されていないことなどが必要なため、海岸の指標生物ともされる。

アマモ場

アマモ場

アマモは沿岸砂泥域における主要な一次生産者である。同属のコアマモと同様、遠浅の砂泥海底に「アマモ場(ば)」あるいは「藻場(もば)」と呼ばれる大群落を作る。アマモ場は潮流を和らげ、外敵からの隠れ場ともなるため、魚類や頭足類の産卵場所、または幼稚魚や小型動物の生息場所となる。また、富栄養化のもととなる窒素リンを吸収し、水質浄化の面でも重要な役割を果たしている可能性がある。

アマモのバイオマスを直接消費する動物はジュゴンハクチョウなど限られているが、アマモの葉はその生育期間に次々に更新し、大量の枯死した葉が生じる。この枯死したアマモの葉は、微生物によって分解し、デトリタス(デトライタス)と呼ばれる様々な微生物が繁殖した有機物片となる。このデトリタスが貝類甲殻類のような様々な底生動物(ベントス)の餌となり、これらの底生動物は魚類などの餌となる。

アマモ、またはその近縁種に依存する生物群としては以下のようなものがいる。




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