経済支援
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 02:30 UTC 版)
「日本ボクシングコミッション」の記事における「経済支援」の解説
現在、日本のプロボクサーを取り巻く経済状況は必ずしも恵まれたものではない。例えば日本チャンピオンのファイトマネーは、もちろん選手個人の人気にもよるが1試合当たり100万円程度である。そのうち33%を超えないマネージメント料を所属ジムに収めるなどの規定があるため、名門大手ジム所属でなければ選手本人の取り分は1試合につき平均60 - 70万円程度以下であるといわれる(他競技の例では、たとえば大相撲で関取の最下級である十両力士の月給が103万6000円、年寄名跡を取得できた場合の定年は65歳)。 周知のようにボクシングは基本的に頭部を集中的に狙い、倒すという競技の性格上、他の格闘技と比べ、心身を非常に消耗する(健康を損ねる)競技であり、特に選手のレベルが上がるチャンピオンクラスでは試合数を年間2 - 3試合程度に抑えるのが一般的である。つまり、日本チャンピオンといえどもファイトマネーのみで生計を成り立たせるのは極めて難しく、ほとんどのチャンピオンや選手は他に副業を持っている。これは現在の日本でボクシングが多くの客を呼べない=金にならないからであるが、それゆえ星野敬太郎以降セレス小林や長谷川穂積など、現役の世界チャンピオンであっても副業を持っている例もある(彼らは必ずしも生活維持のためだけではないが)。 しかし当然ながら副業による心身の消耗も考えられ、愛好家や関係者らからボクシング人気の復活とともに選手の経済的な負担を軽減する要望が上っている。この事情は選手が所属するジムも同様で、2007年6月には井岡弘樹や山口圭司、高山勝成らを輩出した大阪の名門・グリーンツダジムが経営危機に陥っていることが明らかになった。また、白井・具志堅スポーツジム会長だった具志堅用高はジムの資金稼ぎのために太田プロダクションと契約して本格的にタレント活動を開始したが、多忙を極めたためジムで練習を見る時間が取れなくなり、2020年7月にジムの閉鎖に至った。 副業に関しては選手の間でも賛否両論ある。元WBA世界スーパーフライ級王者河野公平は日本王座奪取までアルバイトを経験しているが、「くたくたになって練習するよりボクシングに集中したほうがいい」という理由でボクシングに専念。一方同級の元WBC世界王者佐藤洋太は「今までの生活を崩して、歯車が狂うのが怖い。仕事を辞めたら遊んじゃいますよ」と引退までアルバイトを継続していた。
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