津田左右吉とは? わかりやすく解説

つだ‐そうきち〔‐サウキチ〕【津田左右吉】


つだそうきち 【津田左右吉】


津田左右吉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/01 12:54 UTC 版)

津田 左右吉(つだ そうきち、1873年〈明治6年〉10月3日 - 1961年〈昭和36年〉12月4日)は、日本歴史学者思想史家[1]早稲田大学文学部教授を歴任。記紀史料批判の観点から研究したことで知られ[注 1]、日本における実証史学の発展に大きく貢献した。1947年帝国学士院会員選出。1949年文化勲章受章。従三位勲一等


注釈

  1. ^ 津田はよく記紀を「否定」したともされるが、津田自身は「誤解である」としていた。また、津田自身は皇室に対して誰にも負けないほど熱烈な敬愛の念を抱いていた[2]
  2. ^ のち1915年に『満鮮地理歴史研究報告書』として刊行
  3. ^ 裁判の経過は向坂逸郎 編『嵐のなかの百年 学問弾圧小史』(勁草書房、1952年[要ページ番号])や家永三郎『津田左右吉の思想史的研究』(岩波書店、1988年)の第五編「記紀批判への刑事弾圧と津田の対応」に詳しい。
  4. ^ この裁判について、多くは「恐るべき弾圧である」としているが、津田自身は「弾圧ではない」と述べており、事件の実態について研究が進められている[12]
  5. ^ 同年中に日本学士院と改称。
  6. ^ 明治以後の近代史学では「歴史の再構成は古文書日記等の同時代史料によるべきであって、たとえば『平家物語』や『太平記』を史料批判なくして同時代史料に優先して歴史の再構成に使用してはならない」という原則が、広く受け入れられていた。
  7. ^ 井上光貞『日本古代史の諸問題』(思索社、1972年[要ページ番号])ほか
  8. ^ 梅原猛『日本の伝統とは何か』(ミネルヴァ書房、2009年[要ページ番号])ほか。

出典

  1. ^ a b 土田健次郎 (2011年). “津田左右吉の学問と姿勢—没後五十年津田左右吉展に際して—”. yab.yomiuri.co.jp. 読売新聞早稲田大学. 2020年7月9日閲覧。
  2. ^ a b 長部日出雄『「古事記」の真実』文春文庫、2015年、p119
  3. ^ 美濃加茂市観光協会”. minokamo-kanko.jp. 2021年8月4日閲覧。
  4. ^ 『会員名簿 昭和2年11月』早稲田大学校友会、1937年、p.4
  5. ^ 国立国会図書館送信サービス『津田左右吉全集 第25巻 (日記 第1)』岩波書店 1965
  6. ^ 桜沢亜伊「「満鮮史観」の再検討 : 「満鮮歴史地理調査部」と稲葉岩吉を中心として」『現代社会文化研究』第39巻、新潟大学大学院現代社会文化研究科、2007年7月、19-36頁、ISSN 13458485NAID 120006740147 
  7. ^ 井上光貞『日本の歴史』中公文庫、P14-15
  8. ^ 蓑田胸喜「津田左右吉氏の大逆思想」(『原理日本』臨時増刊号、1939年12月)
  9. ^ 石井公成「聖徳太子論争はなぜ熱くなるのか」(『駒澤大学大学院仏教学研究会年報』40号、2007年5月)
  10. ^ 『津田左右吉 その人と時代』美濃加茂市民ミュージアム、平成16年、p.20
  11. ^ 出版法違反で岩波茂雄とともに起訴『東京日日新聞』(昭和15年3月9日)『昭和ニュース辞典第7巻 昭和14年-昭和16年』p490 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
  12. ^ 新川登亀男・早川万年編『史料としての『日本書紀』 津田左右吉を読みなおす』勉誠出版、2011年。[1]
  13. ^ 津田左右吉 日本歴史の研究に於ける科学的態度
  14. ^ a b c d 津田左右吉 ∼建国神話を批判した異端の史学者∼ (PDF)
  15. ^ 遠山茂樹『戦後の歴史学と歴史意識』p34-43
  16. ^ 西義之『変節の知識人たち』PHP[要ページ番号]
  17. ^ 朝日新聞』1961年12月4日付夕刊7面
  18. ^ 井上光貞『神話から歴史へ 日本の歴史1』中央公論社中公文庫〉p4-5(初版1973年、第14版1982年)
  19. ^ 神話と歴史 (歴史文化セレクション) 直木 孝次郎 2006/5/1 吉川弘文館 P6、7、11、63
  20. ^ 直木孝次郎古代を語る〈3〉神話と古事記・日本書紀 2008 直木孝次郎 吉川弘文館
  21. ^ 古代天皇家の物語 2009 加藤蕙 P226 新人物文庫
  22. ^ 神話と歴史 (歴史文化セレクション) 直木 孝次郎 2006/5/1 吉川弘文館 P6、7
  23. ^ 津田左右吉 東洋文化、東洋思想、東洋史
  24. ^ 田尻祐一郎「国民という思想-津田左右吉をめぐって」、「季刊日本思想史63」ぺりかん社、2003年
  25. ^ 津田左右吉 陳言套語
  26. ^ 「震檀学会と朝鮮学運動」〈朝鮮史から民族を考える 22〉 植民地期の朝鮮人史学者たち㊦康成銀朝鮮大学校教授記事。朝鮮新報 2008年7月7日記事
  27. ^ イ・ドギル (2009年5月15日). “現在進行形 歴史わい曲の後には ‘津田・イ・ビョンド 濃厚な影’”. ハンギョレ. オリジナルの2018年5月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180507085343/http://japan.hani.co.kr/arti/culture/1691.html 


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