エスケープ・キーとは? わかりやすく解説

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エスケープ‐キー


Escキー

読み方:エスケープキー
【英】escape key, esc key

Escキーとは、キーボード上にある特殊キー1つで、キートップに「Esc」と刻印されキーのことである。

Escキーは、文字入力プログラムの実行に際して、処理を中止したり、取り消したりする機能持っているちなみに、「Esc」とは「Escape」の略で、「回避」や「脱出」などという意味を持っている

文字入力に際しては、文字列入力して変換する前に入力自体取り消したり、文字列変換して確定する前に変換候補文字変換前の状態に戻したりできる。ただし、Microsoft IMEにおいて入力方式ナチュラルインプット環境下では、Escキーを押したときの動作として、作業中のアプリケーション指定され機能実行される設定となっている。

プログラムの実行に際しては、実行中のプログラム中断したり、呼び出した処理を取り消したりすることができる。そのようなことから、ダイアログボックスの[キャンセル]ボタンには、Escキーが割り当てられていることが多い。また、WindowsBIOS設定画面では、前の画面戻ったり、設定画面終了したりするためのキー割り当てられている。 実行中のプログラム中断するためのキーとして、ブレークキー(Pause/Breakキー)というものがあるが、今日では、Escキーが主に用いられている。

なお、Macintoshパソコンにおいては強制終了するためのショートカットとして割り当てられている。Cmdキーコマンドキー)とOptionキーオプションキー)を押しながらEscキーを押すと、強制終了実行される

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Escキー

(エスケープ・キー から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/20 18:31 UTC 版)

コンピュータのキーボード。Escキーが英数キーエリアから独立してキーボードの左上隅にある。
IBMの83鍵キーボード(1981年)。Escキーが英数キーエリアの左上隅("1"の左)にある。

Escキーとは、コンピュータ用のキーボードにあるキーの1つである。一般に「エスケープキー」(英語: escape key)と呼ばれており(ISO/IEC 9995英語版における名称でもある)、キーに「Esc」または「Escape」と刻印されている。

Escキーを押下するとエスケープ文字ASCIIで27、UnicodeでU+001B)が発生する。エスケープ文字がキーボードからコンピュータに送られると、ソフトウェアによって「停止」と解釈される。実際には、多くのアプリケーションプログラムで「キャンセル」の意味で使用されている。また、外部デバイス(1980年代以降のプリンタ、端末Linuxコンソール英語版など)に送られると、特別な機能を実行するためのエスケープシーケンスの開始と解釈される。

Escキーはキーボードの左上隅に配置されるのが一般的になっているが、これはIBM PCキーボード英語版からであり、それ以前には違う位置にEscキーがあるものもあった。Escキー自体はテレタイプ端末から存在した。

歴史

エスケープキーは、IBMに勤務していたプログラマー、ボブ・バーマーによって1960年に作られた。彼は、文字コードの異なる多様なコンピュータ間で通信をする際に、文字コードを切り替えるためにエスケープキーを作った[1][2]。初期のASR-33のキーボードの同様の機能のキーには"Alt Mode"と刻印されており、それはテレタイプ端末の文字送り装置(escapement)に、次の1文字を特別な意味で取扱うよう指示する代替モード(alternative mode)を意味していた。後のプリンタや端末では、エスケープ文字の後に複数のバイトが続くエスケープシーケンスを使用するようになった。

エスケープという名称から、Escキーは、多くのアプリケーションプログラムで「現在の操作を抜ける(脱出する)」用途に流用された。初期のアプリケーションプログラムでは、この際に「変更を保存して終了する」場合(つまり完了)と、「保存せず終了する」場合(つまりキャンセル)があり、ユーザーの混乱にもなった(CUAも参照)。

伝統的な多くのテキストエディタワープロソフトでは、Escキーは「モード変更」(現在の編集モードを抜けてコマンドモードに移動する)用のキーとして多用された。viではEscキーによりコマンドモードに移動できる。一太郎ではEscキーにより「Escメニュー」が表示される。MS-DOS版のMicrosoft WordではEscキーによりメニューが表示される。またVZ Editorの常駐モードでは、EscキーによりMS-DOSよりVZ Editorを起動できる。このため101キーボード以降でEscキー(およびコントロールキー)の位置がホームポジションから離れた事は議論となった(コントロールキー#キーの位置も参照)。

なおメインフレームの伝統的な環境では「システムのコマンドモードに移動する」という用途には、専用のSysRqキーが使用される(TSO使用中のVTAMコマンド入力など)。

用途

現在のWindowsでは、Escキーはダイアログボックスの「いいえ」「終了」「キャンセル」「中断」などのショートカットキーとして使用されている。またWindowsの稼働するマシンでキーボードにWindowsキーが無い場合では、コントロールキーを押しながらEscキーを押すことで、Windowsの「スタート」ボタンのショートカットとなる。WindowsにはEscキーの使用を含めた多数のショートカットがあり [3]、その多くはWindows 3.0で生まれ、XP, Vistaを経由してWindows 7にも引き継がれている。

macOSでは、ダイアログボックスのキャンセルのショートカットキーとしての用途の他、コマンドキー + オプションキーを押しながらEscキーを押すことで、アプリケーションの強制終了ウィンドウが表示される [4]

多くのウェブブラウザでは、Escキーは「中止」ボタンのショートカットキーとされている [5][6][7]

多くのコンピュータゲームでは、Escキーをポーズボタンやゲーム内のメニューの表示(その中にはゲームの終了が含まれる)のために使用している。

viが開発されたADM-3Aのキー配列。Escキーが今日のタブキーの位置にある。

viでは、モード変更のためにEscキーを使用する。これは、viの開発に用いられたADM-3AではEscキーが現在一般的なキーボード(PC/AT互換機など)のタブキーの位置(Qの左)とホームポジションから近い場所にあり、押しやすかったためである。現在一般的なキーボードでは、Escキーはキーボードの左上端にあり、押すためにはホームポジションから手を離す必要が生じた。

記号

ISOにおける"Escape"のキーボード記号

Escキーには通常ラテン文字で"Esc"と刻印されているが、Escキーに刻印する記号がISO/IEC 9995-7英語版(symbol 29)やISO 7000(symbol ISO-7000-2029)で右記の図のように定められている。この記号はUnicodeにU+238B broken circle with northwest arrow (⎋)としてコード化されている。

備考

言葉遊びとして、「Esc」の由来は「Escape」ではなく「extra services control」とも言われる[8]

参照

  1. ^ Kennedy, Pagan, "Who Made That?", New York Times Magazine, October 7, 2012, p.20
  2. ^ IDG: Han uppfann Escape-tangenten
  3. ^ Windows のキーボード ショートカット
  4. ^ Mac のキーボードショートカット
  5. ^ Unix keybindings for Netscape
  6. ^ IE7 Quick Reference Sheet
  7. ^ Cheat Sheet for Mozilla FireFox (Key Board Short Cuts)
  8. ^ Richard C. Detmer, Essentials of 80x86 Assembly Language, pg.14

関連項目



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