ナチュラルインプット
ナチュラルインプットとは、Windowsの日本語入力システム「Microsoft IME 2002」で採用された、日本語入力を効率化するための仕組みの名称である。Windows XPで追加されたもので、「Microsoft Word 2002」などの対応ソフトウェアで利用できる。
ナチュラルインプットを使用すると、変換キーなどの特別なキー操作を行わなくても適切な箇所で自動的にかな漢字変換を行うことができる。入力途中(未確定)状態でも、特別なキー操作に切り替わることがなく、カーソルを移動して特定の文字を再度変換したり、特定の文字を削除したり、あるいはカーソルを変換中の文字の範囲外へ移動させたりといった操作を行うことができる。
従来のMicrosoft IMEの方式では、文字列の変換確定前にEscキーを押した場合は文字列を変換前の状態に戻すようになっている。ナチュラルインプットでは、Escキーの動作は各アプリケーションで指定された機能が実行されるようになっている。なお、この場合の「従来のMicrosoft IME」は、ナチュラルインプットに対して「IME スタンダード」と呼ばれている。
Windows XPでは、ナチュラルインプットとIME スタンダードを切り替えて使用することができる。言語バーから日本語入力モードを示すアイコン(球体と毛筆のアイコン)をクリックすると、アイコンの球体が赤色の「IME スタンダード(S)」と、同じくアイコンの球体が青色の「ナチュラル インプット(N)」を選択することができるようになっている。あるいは、言語バーの「設定」メニューにある「規定の言語」の選択項目から設定を行うこともできる。
参照リンク
Microsoft ナチュラル インプット 2003 について - (Microsoft)
ナチュラルインプット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 16:11 UTC 版)
「Microsoft IME」の記事における「ナチュラルインプット」の解説
Microsoft IME 2002にて、新しい入力方法として「ナチュラルインプット」が導入され、文節の区切りなどを意識せずに入力できるようになった。また、マイクをパソコンに接続することで音声認識により日本語文字入力をすることも可能となっている。ただし、ナチュラルインプットの対応アプリケーションはMicrosoft Officeなど一部製品に限られた。 またナチュラルインプットでは自動的に前後の文字列を未確定に戻して変換を行うため、再変換機能が前提にあって実現した機能である。 なお、ナチュラルインプットに対して従来の入力方法を受け継ぐものは「IME スタンダード」という名称になっていた。 Officeアプリケーションを使用しているうちにIMEスタンダード・ナチュラルインプットが勝手に切り替わってしまう現象が多く見受けられた。これはデフォルトでは「Ctrl + Shift キー」が「入力方法を切り替える」ショートカットキーに設定されており、隣り合ったキーの組み合わせであることから誤って押してしまいがちなためである。 これに限らずMS-IMEは、初期設定状態でショートカットキーに(それも多くのユーザーの利き手とは反対側に)各種の入力モード切替機能が割り振られているため、タッチタイピングに習熟していないとキー押し間違いによる意図せざる入力モード切替が多発する。これらは言語のプロパティ(Windowsのコントロールパネル)からショートカットキーを変更または無効にすることで対処できる。 ナチュラルインプットの操作性になじまないユーザーが多い上、勝手に切り替わる現象によるストレスを味わう場合もあることから、評価は概ね低く、ナチュラルインプットは Microsoft IME 2003 を最後に廃止された。
※この「ナチュラルインプット」の解説は、「Microsoft IME」の解説の一部です。
「ナチュラルインプット」を含む「Microsoft IME」の記事については、「Microsoft IME」の概要を参照ください。
- ナチュラルインプットのページへのリンク