ASCIIエスケープ文字
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/30 00:52 UTC 版)
「エスケープ文字」の記事における「ASCIIエスケープ文字」の解説
ASCIIエスケープ文字は制御文字の一種で、十進数で27、十六進数で0x1Bに割り当てられている。キャレット記法では ^[ と表され、Unicodeでは制御文字の図形表現として ␛ (U+241B) が定義されている。この文字は多くの出力装置で、「コントロールシーケンス」または「エスケープシーケンス」と呼ばれる文字列の開始文字として使われている。一般的に、それに続く文字が通常の文字ではなくコントロールシーケンスとして解釈されるということを装置に伝えるために、エスケープ文字が最初に送られる。エスケープ文字に続けて詳細な動作を指定する1文字以上の文字が送られた後、装置は通常の文字として解釈するモードに戻る。例えば、^[と表示可能文字からなる文字列 ^[2;10H は、DEC VT102端末においてカーソルを画面上の2行目10桁目へ移動させる。これは後にANSIX3.64標準が対象とするANSIエスケープコード(英語版)へと発展した。ヒューレット・パッカードのPrinter Command Language (PCL) も各コマンドがエスケープ文字から始まっていた。 「エスケープ文字」という用語が最初に使われたのは、ボブ・バーマーによるIBMの技術書の中である。エスケープシーケンスの仕組みを発明し、ASCII文字コードセットにエスケープ文字を加えることを提案したのも彼である。 Escキー(エスケープキー)は、PCのキーボード上にはあるが、ASCIIによる文字通信を主な目的としていないPDAなどの装置のキーボードには見られない。DEC VT220(英語版)シリーズは専用のEscキーを備えておらず、その代わりにキーパッドの上のキーの1つを使った。1970年代から1980年代のユーザインタフェースでは、エスケープ文字のためにこのキーを使うことは珍しくなかったが、最新のデスクトップ・コンピュータにおいて、そのような使用はされなくなった。時々、EscキーはAltModeキーと同一視される。Escキーを使用しなくても、コントロールキーと'['を同時に押下することでもエスケープ文字のコードを発生させることができる。
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