埋蔵量評価とは? わかりやすく解説

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埋蔵量評価

読み方まいぞうりょうひょうか
【英】: reserves evaluation

油層評価一環として行われるもので、原始埋蔵量または可採埋蔵量算定を行うことをいう。
埋蔵量評価は次の四つの手法に大別される
(1) 容積法(volumetric method):油田開発初期原始埋蔵量算定手段としてよく用いられる手法である。これは貯留岩孔隙こうげき}内に存在する流体体積概算するもので、次の基本式から算出される
N=V1φ(1-Sω) / Bo

G1N・R

G2=V2φ(1-Sω) / Bg
V1油層岩の体積有効層厚基準したもの
φ:孔げき率
Sω水飽和率
Bo:油容積係数
Bgガス容積係数
R:溶解ガス油比
V2ガス層部の岩石体積有効層厚基準したもの
N:原油原始埋蔵量
G1溶解ガス原始埋蔵量
G2遊離ガス原始埋蔵量

この埋蔵量算定には、油層ガス層部の広がりおよび有効層厚、孔げき率、水飽和率油層ガス層内分布を求めることが必要である。

(2) 減退曲線法(decline curve method):油・ガス田の生産継続されると、油層圧低下または水・油比、ガス・油比の上昇などによって個々坑井あるいは油・ガス全体生産レート漸次減退していく。減退曲線法は、生産レート減退傾向と最もよく一致する曲線あるいは式によって将来減退予測する方法である。減退曲線図示する方法としては、生産レート時間の関係を図のようにプロットするのが一般的であるが、水押しの強い油層では、累計生産量水・油比の関係をプロットすることもある。可採埋蔵量は、グラフ上で経済限界生産レート達す時間までの、今後累計生産量として評価される一定傾向減退曲線を知るためには、長期間一定の採収方法生産する必要がある

(3) 物質収支法(material balance method):油層またはガス層質量保存の法則適用することによって、油層ガス層から地上に採収された各種流体累積量と、それに対応する油層ガス層内の圧力変化原油ガス系の相変化地層水浸入量などとの関係は下記のような物質収支式に表すことができる。

ここに
N:原油原始埋蔵量
m0原始時の内のガス容積と油相容積との比
β0, β:原油容積係数
α0, α:ガス容積係数
S0, S:原油対すガス溶解度
(以上、β0、α0、S0原始時の、またβ、α、S は計算時の油層圧力、温度における値)
n:計算時までの累計産油
γm計算時までの累計ガス・油比
W:計算時までの累計浸入水量
ω:計算時までの累計産出水量

この関係式を基にして石油・ガス産出経過に伴う油層ガス層内の物理的状態を予知する方法物質収支法というが、狭義にはこの関係を用いた原始埋蔵量算出法をいうことが多い。この方法によって埋蔵量算出できるのは、少なくとも原始埋蔵量の 5 ~ 10 %を採収した後で、しかも計算必要な諸量が的確に測定されている場合に限る。

(4) 油層シミュレーションによる方法油・ガス層の生産挙動予測するために、油層シミュレーション・モデル用いたスタディ実施される油層モデルは、油層大きさや孔げき率、浸透率飽和率などの初期分布をあらかじめ入力する必要があり、この初期値用いて原始埋蔵量容積法により計算される。さらに生産予測計算段階では、ある一定の採取条件下での油層挙動および可採埋蔵量評価される生産ヒストリーのある油・ガス層では、生産量実績および坑底圧力などのデータモデル計算値との比較検討(ヒストリー・マッチング)が行われ、この過程原始埋蔵量見直しが行われることも多い。

図 減退曲線法における産出レートと時間の関係(定率減退)




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