白血病 ( leukemia )
血液中の血球部分(赤血球・白血球・血小板)は骨髄などの造血器からつくられます。骨髄では幹細胞と呼ばれる細胞がつくられ、これが分化成熟して各血球に育ちます。白血病とは、この幹細胞や分化成熟の過程にある細胞ががん化し、骨髄やリンパ腺で無制限に異常増殖する病気です。なぜ白血病になるのか、その原因はまだ不明ですが、ウイルスや放射線、化学物質などの環境因子が重なり合って誘発されるのではないかと考えられています。また、ある種の白血病では遺伝子の異常もみられます。白血病は、発病のしかたや白血病細胞の種類によっていくつかのタイプに分類されています。病態からは(1)急性と(2)慢性、また細胞の種類からは(3)骨髄性と(4)リンパ性に分けられており、この4つの組み合わせによって病名がつけられていますが、それぞれのサブタイプがあるため(たとえば急性骨髄性白血病では7タイプ)、現実にはもっと複雑な病型で呼ばれています。また、白血病には“前がん”状態の「骨髄異形成症候群」(こつずいいけいせいしょうこうぐん=MDS)と呼ばれるものもあります。急性白血病の発病を疑わせる症状は、貧血、感染による発熱、出血です。この原因は正常な白血球細胞の減少にともなうもので、俗に白血病の3大症状と呼ばれています。加えて、扁桃・リンパ節などの腫れ、頭痛や嘔吐など中枢神経の異常を疑わせる障害、全身倦怠感・発熱などのカゼ様症状が出る場合もあります。白血病が疑われたときは、血液検査と骨髄穿刺(こつずいせんし)検査がかならず行われます。また、慢性骨髄性白血病の場合には、これに染色体検査が加わります。これらの検査によって、白血球・赤血球・血小板の数、末梢血液中の白血病細胞の種類やタイプ、特殊染色やフローサイトメトリーによるモノクローナル抗体を利用した細胞の機能検査などによって、どの白血病であるかが確定されます。白血病は“血液のがん”なので、治療は抗がん剤による薬物療法(化学療法)が中心となります。まず抗白血病薬によって可能なかぎり白血病細胞の減少が図られたあと、G-CSFなどの白血球の増殖・分化作用を促進する薬剤が投与されます。その後HLA(組織適合抗原)の合致する骨髄移植が行われますが、現在では本人の骨髄から採取した自家(じか)骨髄移植で移植後の拒絶反応を抑える方法が多く利用されています。
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