Xと競合するシステム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 03:45 UTC 版)
「X Window System」の記事における「Xと競合するシステム」の解説
Unix系システムでは、グラフィックス表示にはXが使われるのが普通である。しかしXの代替となるシステムを開発しようという試みはいくつかある。歴史的には、サン・マイクロシステムズのNeWS(市場では成功しなかった)、NeXTのDisplay PostScript(AppleがQuartzに置換した)、日本製のGMWがあった。 Quartz開発者の1人であるMike Paquetteは、アップルがDisplay PostScriptからXに移行せずに独自のウィンドウサーバを開発した理由として、アップルが必要とする全ての機能をX11に追加してみたら、X11とは似ても似つかないものになり、他のXサーバとの互換性も失ってしまったと説明した。 他にも、FrescoやY Window SystemといったXを置換することを意図したシステムもある。しかしXとの互換性を無視したこれらのシステムは、今のところ広く受けいれられてはいない。また、MirやWaylandは互換性を重視している事もあってLinuxディストリビューションやプレインストールでの採用実績があるが、Xを置き換えるほどの勢いはない。 ハードウェアを直接操作することでXのオーバーヘッドに対処しようとした競合システムもある(例えば、DirectFBやFrameBuffer UI)。ダイレクト・レンダリング・インフラストラクチャ (DRI) は、ほぼ同等の機能をX内でモジュール化したものと言え、それら競合システムの努力が無駄になる可能性もある。しかし、(RTAIなどを使った)組み込みシステム用LinuxではDRIのリアルタイム性は思わしくなく、そのような応用にXは今のところ不向きと言える。 グラフィックス関連のサービスでネットワーク透過性を達成するその他の手段には、以下のものがある。 SVG Terminal - Scalable Vector Graphics (SVG) 形式のコンテンツをほぼリアルタイムでブラウザとやりとりして更新するプロトコル。 Virtual Network Computing (VNC) - ネットワーク上で圧縮したビットマップを送る。 Citrix Presentation Server - Windows向けのXのような製品。 タランテラは、ウェブブラウザを使うJavaクライアントを提供している。 RAWT (Remote AWT) - IBMのJavaによるクライアントサーバシステム
※この「Xと競合するシステム」の解説は、「X Window System」の解説の一部です。
「Xと競合するシステム」を含む「X Window System」の記事については、「X Window System」の概要を参照ください。
- Xと競合するシステムのページへのリンク