Toyota TS010とは? わかりやすく解説

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トヨタ・TS010

(Toyota TS010 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 11:16 UTC 版)

トヨタ・TS010 (Toyota TS010) は、1991年トヨタが開発したプロトタイプスポーツカー世界選手権 (SWC) やル・マン24時間レースでの総合優勝を狙い、グループCの新規定(カテゴリ1)にあわせて設計された。


注釈 

  1. ^ フロントラジエーターの場合、前後重量配分の改善が見込める他、フロントノーズ下の形状によりダウンフォースを稼げるというメリットがある一方でマスの集中化の点で劣る[17][18]。1993年SWCシーズンに向けて、ラジエーターを車体側面配置に改めた新型シャシ開発が進められていたが、SWC消滅のため日の目を見ることはなかった[17][19]
  2. ^ なお、日産は93年SWC参加を目指してNP35を開発中であったが、こちらもTS010と同じフロントラジエーター方式だった。
  3. ^ 齋藤治彦は「シーズン中の開発速度を見るとプジョーは圧倒的に早かった。こちらは特別な予選用エンジンまで手が回らなかったし、レースに出るのが精一杯になっていた状態だった。」と回想している[20]。結果として92年SWCにおいて、TS010は第1戦モンツァを制したものの、残りのシーズンでは全てプジョーの後塵を拝する結果となってしまった。当時、トヨタは世界ラリー選手権 (WRC) に注力しており、SWCへ予算・人員を充分に割くことが出来なかった。
  4. ^ SWCの規定では全戦参加が義務付けられていたが、当時SWCはエントリー台数が不足していたため、特例が認められた[21]
  5. ^ 後にバルブステムの表面処理が原因と判明[28]
  6. ^ 1993年よりレギュレーションが変更され、給油中にタイヤ交換を並行してできなくなった。タイヤ交換に伴うリアスパッツの取付・取外し作業には10秒前後を要するため、その時間ロスをなくすための措置[40]
  7. ^ 高橋二朗は、1993年のル・マン惨敗について、トヨタの複雑なチーム体制(チームの代表者が3人いる)や、ポール・リカールで3度の24時間テストとされていたものが実際は3度行われたテストの合計時間が24 – 28時間に過ぎなかったことなどを批判している[43](プジョーは実際に24時間連続テストを行っている[43])。また、トランスミッションの信頼性についても1992年の段階でドライバー達から懸念が示されていたが、リンケージの改良など小改良のみで抜本的な対策は施されなかったという[43]
  8. ^ 1992年のSWCは鈴鹿の後、スペインのイベントがキャンセルされ全6戦の開催となった。

出典 

  1. ^ 小和田一郎, 木下美明 & 戸佐直巳 1997, p. 83.
  2. ^ Racing On 426, p. 43.
  3. ^ a b c 小和田一郎, 木下美明 & 戸佐直巳 1997, p. 82.
  4. ^ Racing On 523a, p. 85.
  5. ^ 小和田一郎, 木下美明 & 戸佐直巳 1997, p. 88.
  6. ^ a b c Racing On 105.
  7. ^ Racing On 518, p. 82.
  8. ^ GP企画センター 1994, p. 86.
  9. ^ GP企画センター 1994, p. 87.
  10. ^ a b c 岡本高光 et al. 1997, p. 97.
  11. ^ 小和田一郎, 木下美明 & 戸佐直巳 1997, p. 84.
  12. ^ Racing On 426, p. 44.
  13. ^ a b Racing On 426a, p. 47.
  14. ^ a b Racing On 426, p. 48.
  15. ^ Racing On 426a, p. 48.
  16. ^ 小和田一郎, 木下美明 & 戸佐直巳 1997, p. 85.
  17. ^ a b c Racing On 426b, p. 53.
  18. ^ Racing On 518, p. 83.
  19. ^ a b Racing On 518, p. 85.
  20. ^ a b c Racing On 426a, p. 49.
  21. ^ a b Racing On 426, pp. 44–45.
  22. ^ Racing On 426, p. 45.
  23. ^ a b c d 小和田一郎, 木下美明 & 戸佐直巳 1997, p. 86.
  24. ^ Racing On 426a, pp. 48–49.
  25. ^ 小和田一郎, 木下美明 & 戸佐直巳 1997, p. 87.
  26. ^ a b GP企画センター 1994, p. 91.
  27. ^ a b GP企画センター 1994, pp. 91–92.
  28. ^ a b c GP企画センター 1994, p. 90.
  29. ^ a b 小和田一郎, 木下美明 & 戸佐直巳 1997, p. 90.
  30. ^ Racing On 426a.
  31. ^ a b c Racing On 131, p. 36.
  32. ^ Racing On 131.
  33. ^ Racing On 133.
  34. ^ 松井誠 et al. 1997, p. 60.
  35. ^ オートスポーツ 630.
  36. ^ GP企画センター 1994, p. 92.
  37. ^ オートスポーツ 635.
  38. ^ a b オートスポーツ 630, p. 124.
  39. ^ GP企画センター 1994, p. 93.
  40. ^ Racing On 426b, p. 55.
  41. ^ オートスポーツ 630, p. 123.
  42. ^ Racing On 147, p. 11.
  43. ^ a b c Racing On 148.
  44. ^ 三栄書房 2006, p. 33.
  45. ^ オートスポーツ 617, p. 19.


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