聖衣剥奪
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/23 14:29 UTC 版)
スペイン語: El expolio 英語: The Disrobing of Christ |
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作者 | エル・グレコ |
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製作年 | 1577年-1579年 |
種類 | 油彩 |
寸法 | 285 cm × 173 cm (112 in × 68 in) |
所蔵 | トレド大聖堂、![]() |
『聖衣剥奪』(せいいはくだつ、西: El Expolio)は、エル・グレコによる絵画作品。トレド大聖堂の祭壇画で、1579年に完成した。本作はトレド大聖堂の聖具室に展示されている[1]。
依頼の経緯
1577年、グレコはトレド大聖堂の祭具室の祭壇画を依頼された。ローマ時代グレコの親友であったルイス・デ・カスティーリャの父親であるディエゴ・デ・カスティーリャが当時聖堂の司祭長の職にあったため実現したといわれる。本作は1579年6月に完成した[2]。
主題
本作の主題はマルコによる福音書の16行から19行に渡って記されている[2]、カルヴァリオの丘でのシーンが描かれている[3]。「聖衣剥奪」の主題は当時極めて珍しいものであった[2]。後述の問題視されたポイントは二つある[2]。一つ目は画面左下に描かれた聖母マリア、マグダラのマリア、小ヤコブの母の存在である[2]。彼女たちに関する聖書の記述はなく、それ故にグレコのこの解釈は異端的と考えられることとなった[2]。この描写は13世紀のフランシスコ会士であった聖ボナヴェントゥラの著作である『キリスト受難に関する考察』を典拠にしたと考えられている[1]。
画面構成
平面的で上下方向に積み上げていく傾向はマニエリスムにみられる傾向であり[4]、当時斬新だったがゆえに批判されたと考えられている[2]。この統一的な視点のない空間はビザンティンの影響が指摘されている[1]。
それ以外にも視点移動を伴う動的空間や、バロックの先取りとみられるダイナミックな身体表現などが本作では表現されている[2]。
また、傷一つないキリストの聖衣が次の瞬間に兵士たちの手によって引き裂かれるまでの一瞬を通じて、空間の緊張感を視覚的な表現に転換している[3]。
訴訟について
画面構成は独創的であったが、それ故に注文主であった大聖堂参事会側から非難の声が上がった[2]。この結果、当初グレコが要求した額から大幅に報酬が減額された[2]。二点目として、キリストを取りまく群衆の頭が、そのキリストよりも上に描かれていることも批判の対象とされた[2]。松井の調査によると、当時大聖堂は美術家に対する査定制度におけるアドバンテージ、査定額に関する観衆的な算定方式、造営主任による作品の監督や構図に対する認可の三点を以て事実上表現の統制を行うだけの力があったとされる[5]。グレコは訴訟を起こし、敗訴すると作品の引き渡しを頑として拒否。結局訴訟調停役のアレホ・デ・モントーヤによる評価もあり[3]、グレコは大聖堂側が払おうとしたよりもやや高い金額を受け取った。トレドで制作を続けたグレコはその後もしばしば報酬のことで注文主と争った[6]。
関連作品
-
《聖衣剥奪》
1581-1585
リヨン美術館所蔵 -
《聖衣剥奪》
1583-1584
アルテ・ピナコテーク所蔵 -
《聖衣剥奪》
1600年頃
ブダペスト国立西洋美術館所蔵
脚注
注釈
出典
- ^ a b c 国立西洋美術館 編 『エル・グレコ展』東京新聞、1986年、178頁。 NCID BN05202609。
- ^ a b c d e f g h i j k Greco; NHKプロモーション; 国立国際美術館; 日本放送協会; 朝日新聞社; 東京都美術館 『エル・グレコ展 = El Greco's visual poetics』NHK、2012年10月、120頁。 NCID BB10528418。
- ^ a b c Bronstein, Léo; 瀬戸慶久 『EL GRECO』(6版)美術出版社、1977年4月1日、38頁。 ISBN 4568160197。 NCID BN06654708。
- ^ Brill, Paul; Goya, Francisco; Greco; 愛知県美術館; 東武美術館; 横浜美術館; 横浜美術館学芸部 『バロック・ロココの絵画: ヴェネツィア派からゴヤまで リール市美術館所蔵』朝日新聞社、1993年、31頁。 NCID BN09889898。
- ^ 松井美智子「エル・グレコ VS トレド大聖堂 : 『聖衣剥奪』をめぐる係争について(美学会第四十五回全国大会報告)」『美学』第45巻第3号、美学会、1994年、 63頁、 doi:10.20631/bigaku.45.3_63、 ISSN 0520-0962、 NAID 110003714111。
- ^ 宮下規久朗 『欲望の美術史: オールカラー版』〈光文社新書〉 642巻、光文社、2013年5月、32頁。 ISBN 978-4-334-03745-1。 NCID BB12452667。
==
- Clark Kenneth, 高階秀爾「絵画の魅力を求めて-7-エル・グレコ《聖衣剥奪》」『SD』第131号、鹿島出版会、1975年7月、 p79-86、 ISSN 05630991、 NAID 40000039460。
「The Disrobing of Christ」の例文・使い方・用例・文例
- The Malay Times に掲載されていた、非常勤の下級アナリストの職に関する広告についてご連絡を差し上げています。
- ‘They are flying kites.' はあいまいな文である.
- 話し中です (《主に英国で用いられる》 The number's engaged.).
- 名詞相当語句 《たとえば The rich are not always happier than the poor. における the rich, the poor など》.
- 総称単数 《たとえば The dog is a faithful animal. の dog》.
- =《口語》 These kind of stamps are rare. この種の[こういう]切手は珍しい.
- 王立オペラ劇場 《the Covent Garden Theatre のこと》.
- 英国学士院 (The Royal Society)の会報.
- 初めて読んだ英文小説は“The Vicar of Wakefield”
- 『Scotish』は、『The Scottish Symphony』や『Scottish authors』、あるいは、『Scottish mountains』のような、より正式な言葉遣いの傾向がある
- STD(神学博士)はラテン語のSanctae Theologiae Doctorに由来する
- 『The boy threw the ball(少年がボールを投げた)』は、能動態を使う
- 『The ball was thrown(ボールは投げられた)』は簡略化された受動態である
- 1992年,「The Animals(どうぶつたち)」という本のために,まどさんの動物の詩のいくつかが皇后美(み)智(ち)子(こ)さまによって英訳された。
- 式典は,3Dコンピューターアニメ映画「I Love スヌーピー The Peanuts Movie」の米国公開の数日前に行われた。
- Microsoftがβ版をランチするのは「NetShow streaming server」で動画や音声をオンデマンドで提供する。
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 an admiral of the fleet 海軍元帥.
- 篏入的 r 音 《英音の India office /ndiərfɪs/の /r/の音》.
- (英国の)運輸省. the Ministry of Education(, Science and Culture) (日本の)文部省.
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