STAP CELLとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > ビジネス > 新語時事用語辞典 > STAP CELLの意味・解説 

STAP細胞

別名:刺激惹起性多能性獲得細胞
英語:Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cell、STAP cell

特定の物理的化学的刺激を受けることによって初期化し多能性獲得したとされた体細胞2014年1月に「Nature」誌に掲載された、理化学研究所小保方晴子筆頭著者とする論文発表された。

STAP細胞は、従来ES細胞iPS細胞などの多能性幹細胞異なりクローン技術遺伝子導入伴わず、約30分間の低pH刺激という、簡便かつ迅速な方法作製可能であるとされた。細胞多能性獲得指標となるOct4遺伝子などの発現は、iPS細胞では培養開始2-3週間後に初め確認されるに対して、STAP細胞では2-3日後には確認された。

STAP細胞は作製時の条件ではほとんど増殖能を持たないが、副腎刺激ホルモンACTH)や白血球遊走阻止因子LIF)を含む培養液培養すると、STAP幹細胞呼ばれる状態になり、高い自己複製能を得るとされた。そこから、ES細胞iPS細胞などの多能性幹細胞同様に様々な組織分化させることが可能となるとされた。また、STAP細胞は、ES細胞iPS細胞がほとんど分化できないとされていた、胎盤卵黄膜などにも分化可能であることも示されており、より「全能細胞」に近い細胞だともいわれた。

STAP細胞創製研究において、外的刺激により体細胞初期化が起こることや、哺乳類体細胞初期化が可能であることなどは、従来の定説覆す発見として特に注目された。外的刺激利用した新規メカニズムによる細胞操作技術は、将来的にはがんや老化などの幅広い研究に役立つ可能性があると考えられた。また、STAP細胞を発表した論文では、材料としてマウス体細胞用いられたが、ヒトの細胞でも作製可能であることが確かめられれば、再生医療発展大きく貢献するものと考えられた。

STAP細胞の発表当時ノーベル賞級の発見としてマスメディア大きく報じるなどし、高い注目集められた。程なくして論文の一部データ画像論旨覆すレベル誤り盗用含まれる可能性指摘されマスメディア大きく報じるなどして、さらに注目集まった2014年3月時点でSTAP細胞自体存在にも疑義呈され理研論文取り下げが妥当との意向示した他、該当論文捏造を含むと断定するなどの見解表明している。2014年4月初旬時点では一連の騒動決着見出されていない

ハーバード大学医学大学院教授チャールズ・バカンティCharles Vacanti)は、一貫してSTAP細胞および小保方氏擁護する姿勢見せている。

2014年6月初頭理化学研究所は、小保方ユニットリーダーがSTAP細胞の主論文取り下げ同意した発表した論文取り下げにより、STAP細胞の研究成果は、いったん白紙に戻ることになる。

関連サイト
Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency - Nature
体細胞の分化状態の記憶を消去し初期化する原理を発見 - 理化学研究所
細胞外からの強いストレスが多能性幹細胞を生み出す - 理化学研究所


「STAP cell」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「STAP CELL」の関連用語

STAP CELLのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



STAP CELLのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2024 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS