SLRV
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 04:40 UTC 版)
「ダラス高速運輸公社100形電車」の記事における「SLRV」の解説
DARTが運営するライトレール路線はプラットホームの高さが200 mm程しかなく、床上高さ1,003 mmの電車への乗降には3段のステップを通る必要があり、収納式スロープこそ搭載されていたものの車椅子での乗降を始めバリアフリーの面で難があった。そこでDARTはバリアフリー対策に加え、増え続ける乗客に対応するための輸送力増強策として、従来の2車体連接車の間に低床中間車体を増結する事を提案した。それに基づき近畿車輛が製造した試作車を用いて2002年から試験を兼ねた営業運転を実施し、良好な結果が得られた事から、2006年に近畿車輛の子会社である米国法人の近畿車輛インターナショナルによってDARTとの間に115両分の中間車体製造に関する契約が結ばれた。DARTではこの3車体連接車をSLRV(Super Light Rail Vehicle)と命名している。 新たに組み込まれた中間車体(C車)は床上高さが406.4 mm(16 in)に抑えられており、これまではホームに設置された専用の乗降台を用い運転手の介助を必要としていた車椅子での乗降が容易となった。車内には1人掛けの折り畳み座席が備わった車椅子用スペースに加え、自転車利用客への利便性を図るため自転車ラックも設置されている。 全115両の改造に加え、2008年には製造当初から3車体連接式となる48両(216 - 263)の受注も行われた。契約段階では25両を受注し、オプションとして23両も生産可能という内容であったが、サービス向上のため纏めて受注が実施された。これらの車両についてもバイ・アメリカン法に基づき、車体や台車は近畿車輛の本社工場(東大阪市)で製造された一方、電気機器や制動装置はToyo Denki USA Inc.を含むアメリカ製のものを使用し、最終組み立てはダラス現地で実施された。 量産車は2008年から営業運転を開始し、2010年までに全車両が"SLRV"に改造された。新造車両である48両についても同年から営業運転に投入され、2013年までに導入が完了した。2019年の時点でDARTが運営するライトレール路線で運用に就く"SLRV"は計163両(101 - 263)である。 また、これらの改造と共に、全車とも自動列車保安装置であるATPや、VBS(Vechile Business System)を基にしたGPS機能への対応工事も行われている。 連結運転を実施する"SLRV"(2016年撮影)
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