赤潮
【英】:red tide
海域や汽水域における富栄養化で、主に渦鞭毛藻類(うずべんもうそう)など植物プランクトンの異常増殖により、水の色が変化する現象。色は赤や赤褐色、緑色などを呈する。主に夏季に発生し、魚介類のえらを詰まらせたり、酸素欠乏にさせたり、毒を有するものもある。毒性赤潮について、特に問題視される。
赤潮
赤潮
赤潮(あかしお)red tide
赤潮
赤潮 [Red tide,Red water]
赤潮の原因となる生物はおもに単細胞の植物プランクトンで、珪藻類、渦鞭毛藻類、ラフィド藻類、ハプト藻類などがその原因生物として知られている。
これらの植物プランクトンは光、温度、栄養、水の停滞などの条件が揃うと爆発的に増殖を開始し、最盛期には海水1mlあたり数千~数万細胞にまで達する。したがって、生活排水などが流れこみ富栄養化した閉鎖系の湾では、春から夏場に赤潮が発生しやすくなる。ただし、その増殖のメカニズムには未解明な部分が依然として多い。赤潮はしばしば魚介類の大量斃死(へいし)を引きおこし、水産養殖業に大きな被害をあたえる。有毒な植物プランクトンが大量に発生し、それを餌として取り込んだ二枚貝が毒化する"貝毒"も漁業に深刻な被害をあたえ、赤潮と同様に考えられることが多いが、この場合は原因プランクトンが海面を着色するほど発生しなくても充分に貝が毒化するので、赤潮とは別に論ずるのが妥当である。
なお、淡水域とくに湖沼でも水面が異常に褐色ないし赤褐色あるいは青緑色ないし黄緑色になる現象があり、これは"淡水赤潮"または一般に"水の華"とよばれている。琵琶湖の淡水赤潮は黄金藻のウログレナ(Uroglena)の異常増殖が原因である。また、一般に"青粉(あおこ)"は藍藻(藍菌)のミクロシスティス(Microcystis)が異常増殖することによる。
赤潮
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/29 08:30 UTC 版)
赤潮(あかしお)とは、海水が赤褐色になる現象。プランクトンの異常増殖により、海などの水域の水が変色する現象である。水が赤く染まることが多いため「赤潮」と呼ばれるが、水の色は原因となるプランクトンの色素によって異なり、オレンジ色、赤色、赤褐色、茶褐色などを呈する。赤潮を引き起こす生物は、色素としてクロロフィルの他に種々のカロテノイドを持つ場合が多く、細胞がオレンジ色や赤色を呈する為にこう見える。
- ^ 赤潮(あかしお)はなぜ発生するのですか。農林水産省(2021年5月5日閲覧)
- ^ 赤潮とは?東京都環境局(2021年5月5日閲覧)
- ^ この画像の変色海域が赤潮である根拠は、国土地理院監修、財団法人日本地図センター発行『カラー空中写真判読基準カード集』1978年9月1日発行、148ページにて同画像(Ckk-74-10_c17_16)を赤潮の判読基準サンプルとしている事による。
- ^ a b “湘南の海が南国のような色に 相模湾で珍しい「白潮」”. 朝日新聞. 2020年5月23日閲覧。
- ^ “丹後の海からの情報(平成23年4月)”. 京都府農林水産部海洋センター. 2020年5月23日閲覧。
- ^ a b 石井裕一. “海藻がもたらす環境問題-グリーンタイドの発生と構成種の特徴-”. 国立環境研究所. 2020年5月23日閲覧。
- ^ “青潮”. 一般財団法人環境イノベーション情報機構. 2020年5月23日閲覧。
- ^ “兵庫県、瀬戸内海への排水基準緩和 魚に「肥料」”. 『日本経済新聞』 (2019年9月15日). 2020年3月8日閲覧。
- ^ 長崎慶三「殺藻性ウイルスによる赤潮防除の可能性」『Microbes and environments』第13巻第2号、日本微生物生態学会、1998年6月、109-113頁、doi:10.1264/jsme2.13.115、ISSN 13426311、NAID 110001272816。
- ^ 「ウイルスがもたらす海への恩恵」『朝日新聞』GLOBE(朝刊別刷り)233号【特集】世界はウイルスに満ちている、5面(2020年9月6日)
- ^ 松村 明、山口 明穂、和田 利政 編『旺文社 国語辞典(第8版)』 p.1429 旺文社 1992年10月25日発行 ISBN 4-01-077702-8
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