HTMLとの比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 05:08 UTC 版)
「Portable Document Format」の記事における「HTMLとの比較」の解説
PDFは画面で見るには、ユーザビリティが不十分な側面がある。特に、スマートフォン普及以前の規格であるため小型端末では扱いにくい。ユーザビリティ(閲覧しやすさ)に関して、ヤコブ・ニールセンはPDFを「オンラインの閲覧用に使ってはならない」、と結論づけている。 ユーザビリティに十分配慮して作成されたHTML文書と比べると、PDFは扱いにくい面がある。PDFはウェブブラウザーでの表示用に最適化(リニアライズ)されていないと、文書の一部分だけを参照したい場合でも、最初から最後まですべてのデータを閲覧端末に読み込む必要がある。Acrobatなど既定でウェブブラウザーでの表示に最適化したPDFを作成するソフトも多いが、廉価・無償のPDF作成ソフトではウェブブラウザーでの表示に最適化する機能がないものがある。このようなPDF作成ソフトで作成されたPDFをウェブブラウザーで表示すると、表示開始までの待ち時間が長くなる。 ナビゲーションのために、しおり、PDFのページ間(内部)リンクやPDF外部へのリンクを文書の任意の箇所に設定することも可能であるが、これを利用するには、PDF作成時に素材データの中で設定するか、(Readerでない)Acrobatなどのしおり・リンク編集機能をもつソフトで追加する必要がある。この点は、ソースに参照したい箇所をテキスト情報として付記するだけで済むHTMLに比べれば煩雑である。 ほとんどのPDF文書がA4縦長で作られているが、PC画面は横長であることが多く、A4縦長文書を等倍で表示させにくい。ディスプレイは印刷物に比べて解像度が低いため、寸法の小さいパーツは見えにくい。HTMLは、ブラウザがウィンドウのサイズに合わせて再整形するのでこのような問題は少ない。 PDFの長所であったフォント埋め込みに関しても、Webフォントが登場したためネット通信があればHTMLではWebフォントを使用可能。 アクセシビリティの観点からも、PDFでは文書の作成時にタグ付きPDFとしなければならない点などを考えると、HTMLや単純なテキスト形式の方が扱いやすい。
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