CRTとラスタースキャン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 23:57 UTC 版)
「ディスプレイ (コンピュータ)」の記事における「CRTとラスタースキャン」の解説
ディスプレイが開発された1960年代は、CRT(Cathode Ray Tube : 陰極線管、またはブラウン管ともいわれる)の時代であった。CRTはオシロスコープ等の測定器やレーダー等で古くから使用されていたが、テレビで使用されて急激に大量生産された。ディスプレイでは、テレビ用のCRTを改造、シャープな文字を表示するために解像度を上げ、目への刺激が少ないオレンジ色 (F6221A) やグリーン色(F6221B以降)の蛍光体を使用した。(白黒テレビ用の蛍光体は白色) NTSC方式カラーテレビのCRTはディスプレイに必要な1000字(50字×20行)の表示が出来るほどの解像度ではなかったが、[いつ?]NHKのハイビジョンの試作機を(だれが??)見学して実用化の見通しを得た。(だれが???)この試作機に使用されているCRTメーカーの三菱電機に依頼しディスプレイ用の高解像カラーCRTの供給を(だれが???)受けた。その後コストダウンタイプを松下電器から供給を(だれが???)受けた。カラーテレビの解像度は主にCRT表示面に近接してセットされているシャドウマスクのドット・ピッチに比例する。当時のテレビに採用されていたNTSC方式では2ドット/mmで、1974年開発のディスプレイF6221Kの表示部はハイビジョン用CRTと同じく3ドット/mm、さらに高解像が必要な漢字表示のCRTは、(だれが???)東芝に開発を依頼し(だれが???)供給を受けた。1979年開発の漢字を表示する日本語ディスプレイF6650は4ドット/mmである。ハイビジョンの放送開始が1989年、その15年前の1974年にディスプレイのカラー化が実用化、高解像CRT大量生産の基礎となった。 テレビの画面表示はラスタースキャン方式であり、当時、CRTの垂直方向(縦)で1秒間に40 - 60回の鋸歯状波、水平方向(横)で1秒間に3 - 10万回の鋸歯状波で偏向して画面全体を一様にスキャンした。富士通が1968年 - 1971年に開発したディスプレイF6221A・B・Dでは、垂直方向は1画面に20行を表示するために20段の階段波と文字を表示する1行分の細かい正弦波を重畳させた波形を、水平方向は1秒に1,000回の鋸歯状波で偏向する変則ラスタースキャンを行った。1970年開発の小型コンピュータ用ディスプレイF6222Aは『田』に『X』を重ね合わせた形の基本図形を表示するためにラスタースキャンの垂直、水平方向に文字用の偏向を加えた極めて特殊なスキャン(走査)を行った。1974年開発のディスプレイF9520・F6221K以降はテレビと同様なラスタースキャンを採用した。
※この「CRTとラスタースキャン」の解説は、「ディスプレイ (コンピュータ)」の解説の一部です。
「CRTとラスタースキャン」を含む「ディスプレイ (コンピュータ)」の記事については、「ディスプレイ (コンピュータ)」の概要を参照ください。
- CRTとラスタースキャンのページへのリンク