CRSとrCRS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/01 14:29 UTC 版)
「ケンブリッジ参照配列」の記事における「CRSとrCRS」の解説
ケンブリッジ参照配列(CRS)は、フレデリック・サンガー率いるケンブリッジ大学の研究グループが、あるヨーロッパ人女性のミトコンドリアDNAの配列を決定し、1981年に37遺伝子を含む16,569塩基対を報告したものである。ただし、後に配列決定を繰り返した際に、いくつか目立った不一致が見出されている。元々報告された配列には11ヶ所の誤りがあり、特に3107番目の塩基は余計であった。こうした誤りはウシやHeLa細胞のミトコンドリアDNAの混入に由来するものである。 1999年にこうした誤りを修正した配列が報告され、GenBankにNC_012920として登録されている。これは改訂ケンブリッジ参照配列(rCRS)と呼ばれている。ミトコンドリアDNAの総延長は元のCRSより1塩基短くなったわけだが、それによって塩基位置を示す番号が変わると混乱が生じるため、データ上は3107番目の塩基はNであるとして以降の塩基番号が変わらないよう工夫されている。IUPAC表記ではNはいずれかの核酸塩基が存在することを意味するが、rCRSに関してはこの塩基は実際には存在しない。
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