C111-IV(1979年)
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「モータースポーツにおけるメルセデス・ベンツ」の記事における「C111-IV(1979年)」の解説
詳細は「メルセデス・ベンツ・C111」を参照 1978年3月、ダイムラー・ベンツの車両開発部門の責任者に就任したヴェルナー・ブライトシュベルトは、C111開発チームのハンス・リーボルト(Hans Liebold)にサーキットにおける最高速度記録を更新するよう課題を与えた。当時の最高速度記録は、1975年にタラデガ・スーパースピードウェイでポルシェ・917/30スパイダー・ロングテール(917/30-003)によって記録された時速221.160マイル(およそ時速355㎞)だった。リーボルトはこの年4月に完成した試験車両「C111-III」であっても、あと100馬力ほど出力を増強すればこの記録を更新することは可能だと計算したが、記録をほんの少しだけ更新するという開発目標は技術者として面白くないため、時速400km(時速250マイル)を超えることを目標として設定した。 Can-AM車両の917/30は1,500馬力もの大出力を有したが、C111の開発計画は高効率なエンジンをテーマとしたものであるため、エンジンは量産車用のV型8気筒M117エンジンをベースとして、500馬力のターボエンジンを開発し、ボディ開発チームはC111-IIIのそれを見直し、姿勢安定用のフラップやスポイラーを追加するなどした。こうして、新型試験車両「C111-IV」が完成した。 1979年5月5日、イタリアのナルド・サーキットで、C111-IVは最高時速403.978km(時速250.918マイル)を記録し、サーキットにおける最高速度記録を更新した。同時に、10㎞、10マイル(約16㎞)、100㎞、100マイル(約160㎞)の各距離における速度記録も樹立した。この活動はやがて、メルセデス・ベンツのレース復帰につながっていくことになる(詳細は「#スポーツカーレース復帰に至る経緯」を参照)。
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