ABC ATPアーゼとは? わかりやすく解説

ABC ATPアーゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 14:19 UTC 版)

ATPアーゼ」の記事における「ABC ATPアーゼ」の解説

ABC とは ATP Binding CassetteATP結合カセット)の略称である。細胞への物質取り込みおよび排出関係する。膜貫通型の ABC ATPアーゼは、常に4つ機能ドメイン2つ膜貫通ドメイン2つのABCドメイン)から構成される。これらのドメイン全て一つ遺伝子コードされている場合もあれば、それぞれ別々の遺伝子コードされている場合もある。膜貫通ドメイン配列多様であるが、ABCドメイン呼ばれるATP結合部位配列は高度に保存されている。真核生物(主にヒト)では有害物質排出使用されているが、一方原核生物では糖、アミノ酸と言った物質取り込み用いられている。また、ヒト中でもトランスポーターチャネルレセプター等、その機能多彩である。 これら生体膜貫通型古典的なABC ATPアーゼに加え最近ではDNA結合型の ABC ATPアーゼが知られるようになってきている。代表的なものとして、染色体高次構造機能制御するSMCタンパク質があり、これらはコンデンシンあるいはコヒーシンのコアサブユニットとして機能するまた、DNA2重鎖切断修復関与する Rad50 もこのカテゴリー属する。 ABCドメイン特徴は、多くATPアーゼ共有するWalker AとWalker Bモチーフ加えSignatureモチーフ(あるいはCモチーフ)と呼ばれる配列を持つことにある。すべてのABC ATPアーゼは一対のABCドメインをもち、2つATP分子2つドメイン挟まれるようにして結合するこの際ATP一方ドメインWalker AとWalker Bモチーフ結合し、もう一方ドメインのCモチーフ接触する。このCモチーフとの接触が、ATP加水分解必須である。すなわち、ATP結合加水分解サイクル2つのABCドメイン会合解離サイクル制御し、さらにその構造変換基質結合ドメイン例えば、ABCトランスポーター膜貫通ドメイン)に伝達される考えられている。その作用メカニズムは、2ストロークエンジン例えられることもある。 トランスポーターABCタンパク質有害物質能動輸送 チャネルABCタンパク質イオン促進拡散 レセプターABCタンパク質ATPADP濃度感受およびシグナル伝達 DNA結合ABCタンパク質SMCタンパク質)– 染色体凝縮結合修復

※この「ABC ATPアーゼ」の解説は、「ATPアーゼ」の解説の一部です。
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