3章:Nの話
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「N (スティーヴン・キングの小説)」の記事における「3章:Nの話」の解説
Nの趣味は写真である。2007年8月某日の夕刻、Nはアッカーマンズ・フィールドの「狩猟禁止 立入禁止」の看板を前に、カメラを持って車を降りていた。その場所には、7つの岩が並んでいる。サイズは大きいものが高さ5フィート、小さいのが3フィートほど。Nは何枚も写真を撮影する。そうしているうちに、岩は7つあるが、ファインダーを覗くと8つあることに気づき、混乱する。触って確かめると、岩は8つある。よくよく見ると、石の間になにかがおり、おぞましい顔がNに笑いかけてくる。Nは逃げ出し、車に戻って国道へと走り出す。Nは「石が8つならやつらを辛うじて閉じ込めておけるが、7つしかなかったら闇からこの世界にあふれ出てきてしまう」「あの1匹など、取るに足らない雑魚にすぎない」と理解していた。(セッション1 2007年6月7日) 帰宅したNは、あれを見たことで頭の中を汚染されたような感覚に囚われていた。また撮影した写真は、なぜか一枚もまともに映っていない。Nは、今度はデジカメを持って昼間にアッカーマンズ・フィールドに行く。またしても石は7つしかない。石の環の中央には色褪せたような部分ができており、また真上の空は、青ではなく灰色っぽくなっている。再び見ると、今度は8つある。Nには、色褪せが膨らんで、石の環の防御の薄い部分を通り抜けようとしているように見え、異次元のやつらがこっちの世界にあふれ出てしまう事態を予想し戦慄する。異形の目が現れ、悪臭が漂ってくる。Nがデジカメの操作に手間取っていると、奇妙な言語が聞こえてくる。「くとぅん、くとぅん、でぇぇいあんな、でぇぇいあんな」「くとぅん、N、でぇぇいあんな、N」名状しがたいなにかが自分の名前を知っているという事実に、Nは悲鳴を上げる。カメラを覗くと石は8つ、カメラを下ろすと7つ。Nは写真を何枚も撮影したが、カメラが壊れただけであった。それは、人の目では捕らえられても、記録しておくことはできない。(セッション2 2007年6月14日) 12月のある日、職場に封筒が届き、開封すると「A・F」と記されたタグ付きの鍵が出てくる。その「A・Fの鍵」を、アッカーマンズ・フィールドへの道を鎖していた錠に差し込むと、ぴったり合った。今度は石は8つあった。Nは、カメラのレンズはそれを元に戻せるが、人間の目は取り除いてしまうのだと理解する。 年が明けて春になり、徐々にNは神経症に悩まされるようになる。Nは夢で化物を見るようになり、そいつを石の環から出てきた異次元の生物と確信する。くとぅん。再びアッカーマンズ・フィールドに出かけ、カメラを覗くと石は8つ、下ろすと7つ、8つ、8つ、カメラを下ろしても8つ。石を触って確かめると、8つ。Nは「あいつはまだ目覚めかけているだけでまだ間に合う」と思いつつ、「異次元との境界の現象には周期性があり、冬至には危険が最小になり、夏至には危険が最大になる」のだと理解する。Nはボンサント医師のもとを訪れ、6月1日、7日、14日の診察を受ける。しかし6月21日(夏至の日)の予約はキャンセルし、一日中アッカーマンズ・フィールドで過ごす。その日その場所には、言葉では言い表せない化物――伸縮する闇と奇怪な目がいた。Nは悲鳴を上げつつも、悠然とカメラを構え、抵抗を試みる。ようやく安定したのを確かめると、Nは引き上げる。Nは医師に、現実であれ妄想であれ、全世界の命運が自分にかかっている責任は重大だと述べる。ボンサント医師は、薬を処方して7月5日の予約を取り付けるが、去り際のNに危うさを感じ取る。(セッション3 2007年6月28日)
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