3号機における事故の進展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:52 UTC 版)
「福島第一原子力発電所事故」の記事における「3号機における事故の進展」の解説
バッテリーが生きていた3号機でも、隔離時注水系(RCIC)による注水が、3月12日11時36分に停止。約1時間後の12時35分には高圧注水系(HPCI)が、RCIC停止を感知して入れ替わり起動し、その後14時間ほど稼働し続けた。しかし高圧注水をいつまでも続けることはできず、13日2時42分、HPCIを手動で停止。ディーゼル稼働消火ポンプでの注水に切り替えようと、主蒸気逃し安全弁(SR弁)を開いて原子炉内の圧力を下げようとした。ところがSR弁が開かず、注水が約7時間中断してしまった。 このため、3月13日4時15分に、炉心の露出が始まった。8時41分にベントに成功し、その1時間後までにディーゼル稼動消火ポンプと消防車によって注水も再開できたが、12時20分、注水用の水が無くなり注水が停止。13時12分に海水注入に切り替えたが、1号機同様注水は抜け道に逸れたため十分に水位が上がらず、炉心の露出が続いた。2014年8月6日に東京電力が発表した再解析の結果によると、既に3月13日午前5時半頃から、3号機の炉心溶融が始まり、3月14日7時頃には、燃料の大部分が圧力容器の底を突き破って、格納容器へ溶け落ちたとみられる。 3月14日11時1分、原子炉建屋のオペレーションフロアから上が、1号機と同じように水素爆発し大破した。一瞬の透明な爆発の直後、燃料プール付近で一瞬の赤い炎が発生し、爆発煙が上がった。大量の瓦礫が高度数100 mまで巻き上げられ7人が負傷し、復旧作業も中断した。その後数日間、3号機建屋からは何度も煙が上がった。核燃料を貯蔵する燃料プールが沸騰していると推測され、3月17日からは、自衛隊がヘリコプターと消防車で燃料プールを目掛けて放水を行った。3号機建屋水素爆発と同時に排気筒へ通じるベント管が破断して高レベル放射性物質が原子炉建屋近くに拡散した。排気管破断の様子は水素爆発直後の映像で確認できた。
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