3つの演奏会用練習曲とは? わかりやすく解説

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リスト:3つの演奏会用練習曲

英語表記/番号出版情報
リスト:3つの演奏会用練習曲Trois études de concert S.144 R.5作曲年1848年  出版年1849年 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 変イ長調悲しみ」  "Il lamento" As dur1100 No Image
2 ヘ短調かろやか」  "La leggerezza" f moll5分00 No Image
3 変ニ長調ため息」   "Un sospiro" Des dur6分00 No Image

作品解説

執筆者: PTNA編集部

 リストは、ピアノヴィルトゥオーゾとして、大変な技巧派ピアニストとして活躍していた。それだけに、ピアノ曲数が多いのは勿論、ピアノ演奏技巧改革にも大きな力を注ぎピアノ演奏法基盤固めたピアニストと言うこと出来よう練習曲分野にも演奏会用の華やかな作品幾つか残し今日頻繁に演奏されている。この『3つの演奏会用練習曲』は、超絶技巧練習曲パガニーニによる大練習曲のようなヴィルトゥオーゾのための練習曲とは一味違ったサロン的な趣を持つ練習曲になっている作曲1848年頃。

第1番 変イ長調悲しみ」 / "Il lamento"
 華やかな序奏続いて、アレグロ・カンタービレの主題登場する。この旋律憂鬱な面持ちで、時にはドラマティックに、様々に変化していく。

第2番 ヘ短調かろやか」 / "La leggerezza"
 この曲も序奏始まり、3連符不安定な旋律現われる。後にこの旋律は7連符になって軽やかに鍵盤かけめぐる

第3番 変ニ長調ため息」 / "Un sospiro"
 広範囲にわたるアルペジオ伴奏上を、感傷的甘美な旋律歌っていく。この旋律始めの方で右手と左手交互に演奏するように書かれており、すなわち、1拍ごとに左手右手の上交差して弾くように書かれた、視覚的に華やかな曲である。この部分旋律伴奏楽譜上で判りやすくするため、珍しい3段譜で書かれているのも大きな特徴である。中間部は非常にドラマティック展開し再現部では右手、左手それぞれ分散和音奏でながら、交互に内声現れる旋律の音を拾って響かせるように書かれている


モシュコフスキ:3つの演奏会用練習曲

英語表記/番号出版情報
モシュコフスキ:3つの演奏会用練習曲3 Concert Studies / Drei Konzert-Etüden Op.24初版出版地/出版社: Hainauer, Augener, Bessel 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 アレグロ・パテーティコ 変ト長調 Allegro patetico, Ges-dur6分00 No Image
2 モデラート・アッサイ 嬰ハ短調 Moderato assai, cis-moll1230秒 No Image
3 ヴィヴァーチェ ハ長調 Vivace, C-dur3分00 No Image

3つの演奏会用練習曲

英語表記/番号出版情報
バッケル=グレンダール:3つの演奏会用練習曲3 Konzertetüden Op.32
ゴドフスキー:3つの演奏会用練習曲3 Concert Study  Op.11

3つの演奏会用練習曲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/25 04:53 UTC 版)

3つの演奏会用練習曲:Trois études de concert、S.144/R.5)は、フランツ・リストによって作曲されたピアノ曲集である。

概要

着手は1845年頃で、リストがピアニストとして一線を退きヴァイマルで職に就いた1848年までに作曲され、1849年に出版された。リストより年下の叔父であるエドゥアルト(Eduard Liszt, 1817年 - 1879年)に献呈された。

練習曲ではあるが機械的な技巧や耐久力のみを要求するのではなく、甘美な詩情にあふれた曲集であり、演奏会等でも好んで演奏される。

曲の構成

リスト自身は各曲に題名を付けていないが、フランスで『3つの詩的なカプリース』("Trois caprices poétiques") として出版された際にそれぞれ題名が付けられ、現在もそれが広く用いられている。

  • 第1曲 「悲しみ」 (Il lamento)
    アレグロカンタービレ変イ長調、4/4拍子。旋律と伴奏とを弾き分ける練習曲。「ア・カプリチオ」と指示された即興的な序奏に続き、切れ切れに歌われる主題が様々な調を転々としながら変容していく。長調ではあるが、減七和音の頻出や二度下降の動機(いわゆる「ため息」モティーフ)によってメランコリックな色調を帯びている。
  • 第3曲 「ため息」 (Un Sospiro)
    アレグロ・アフェットゥオーソ変ニ長調、4/4拍子。三部形式アルペジオと両手で旋律を歌い継いでいく練習曲。3曲の中で特に演奏機会が多く、リストの作品のなかでも有名な部類に入る。これは発表当時からのことで、弟子たちの演奏のために書いたカデンツァが複数残されている。流れるような甘美な旋律が曲を通して歌われ、後半には「タールベルクの三本の手」の技法が典型的な形で用いられる。小さな指示で、un poco agitatoの指示があるところにも注目したい。音符が上向きなところは右手で、下向きなところは左手で演奏するので、素早く手が入れ替わる難しさがある。

参考文献

  • 『リスト: 演奏会用練習曲集』解説、全音楽譜出版社、2005(野本由紀夫)
  • 福田弥『作曲家・人と作品 リスト』音楽之友社、2005
  • "Liszt: Drei Konzertetüden" (Henle, HN481) 解説 (Rena Charnin Mueller, Wiltrud Haug-Freienstein, 1998)

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