ヨンゲン:2つの演奏会用練習曲
リスト:2つの演奏会用練習曲
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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リスト:2つの演奏会用練習曲 | 2 Konzertetuden S.145 R.6 | 作曲年: 1862-63年 出版年: 1863年 |
作品解説
ワイマール時代に作曲された他の練習曲と違い、1862~63年にかけてローマで作曲された。この頃リストは、すでに50歳をこえているが、斬新な和声、洗練された技巧など、いずれも円熟期のリストの確かな自信が感じられる作品である。
リストの愛弟子、ディオニソス・ブルックナー(1834-90)にささげられた。
以下、いずれもタイトルは、作曲の際に与えられており、絵画的に作曲されている。
1.森のざわめき / No.1 "Waldesrauschen" 変ニ長調 ヴィヴァーチェ
原語の日本語訳で、“森のささやき”と広く知られていたが、それは誤訳であり、正確には“森のざわめき”と訳すのが適当である。
冒頭から、木の葉ずれの音を想わせる16分音符の3連符の伴奏にのせて、優美な旋律がなめらかに歌われる。曲は次第に高まりをみせ、嵐のようなクライマックスをむかえる。その後再び冒頭の穏やかさをとりもどし、静かに曲を閉じる。
2.小人の踊り / No.2 "Gnomenreigen" 嬰へ短調 プレスト・スケルツァンド
短い前奏に続き、敏捷な動きをみせる楽想は、タイトルどおり、軽やかな妖精の舞いを想像させる。スケルツォ風の曲。ウン・ポコ・アニマートで登場する楽想と、主要楽想が、交互に登場する。調性の激しい移り変わり、急激なリズムの変化、デモーニッシュな雰囲気ももちあわせた魅力的な練習曲。比較的演奏が容易な第一曲に対して、非常に高度な技巧を要求する。
カルク=エーレルト:2つの演奏会用練習曲
2つの演奏会用練習曲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/12 10:16 UTC 版)
2つの演奏会用練習曲(ドイツ語:Zwei Konzertetüden , S.145/R.6)は、フランツ・リストによって作曲されたピアノ曲集である。
リストがローマに移り住んだ翌年の1862年から1863年にかけて作曲。ジークムント・レーベルトとルートヴィヒ・シュタルクの編纂した教本『理論的・実践的大ピアノ教程』に収められる形で1863年に出版された。リストの弟子、ディオニュス・プルックナー(1834年-1890年)に献呈された。
斬新な和声、洗練された技巧など、いずれも円熟期のリストの確かな自信が感じられる曲集であり、3つの演奏会用練習曲とともに演奏会等でも好んで演奏される。
曲の構成
『3つの演奏会用練習曲』の場合と異なり、各曲の題名はリスト自身が与えたものである。
- 第1曲: 森のざわめき (Waldesrauschen)
ヴィヴァーチェ、変ニ長調、4/4拍子。 木々の葉ずれを思わせる6連符の音形が囁くように響き、優美な旋律が流れ始める。風が強くなっていくと共に木々の音は音域や音量を増していき、旋律も次第に高らかに奏されるようになっていく。高音の響き渡るクライマックスが次第に静まっていき、冒頭の音形が再現されると静かに終わる。
- 第2曲: 小人の踊り (Gnomenreigen)
プレスト・スケルツァンド、嬰ヘ短調、6/8拍子。 跳ね回るノームの動きを描写した作品で、メフィスト・ワルツとの関連も指摘される。前打音が多用される冒頭主題と、テンポを上げてアルペッジョを主体とする主題の二つが交互に奏されるロンド形式。作品の前半はほぼト音記号のみで書かれており、軽快な響きを持つ。
参考文献
- 『リスト: 演奏会用練習曲集』解説、全音楽譜出版社、2005(野本由紀夫)
- 福田弥『作曲家・人と作品 リスト』音楽之友社、2005
- "Liszt: Zwei Konzertetüden" (Henle, HN479) 解説 (Mária Eckhardt, Wiltrud Haug-Freienstein, 1994)
外部リンク
- 2 Konzertetüden, S.145の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- リスト: 2つの演奏会用練習曲 - ピティナ・ピアノ曲事典
- 2つの演奏会用練習曲のページへのリンク