21世紀を迎えて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 01:52 UTC 版)
「F-15 (戦闘機)」の記事における「21世紀を迎えて」の解説
冷戦構造下の1980年代において、F-15の後継機の開発を目的とした「先進戦術戦闘機計画」により、アメリカ空軍は既にステルス戦闘機F-22の開発に着手していた。しかし、ソビエト連邦の崩壊による冷戦の終結で、1996年末より運用を開始するはずだったF-22の開発・配備計画は先送りとなり、アメリカ空軍に配備されていたF-15は、なおも主力戦闘機であり続けることになった。このため、前述の近代化・延命改修が施され、AIM-120やAIM-9Xなどの新型ミサイル、JHMCSなどの新型機器の運用能力が追加された。なお、米軍が推進したのは現用機材の改修による近代化だったが、2000年にボーイングから公表された資料によると、既存機のF-15C+改修よりもF-15C+新造機導入の方がコストが安いとされている。 第4世代ジェット戦闘機の中でも初期に出現し、ハイスペックだが1970年代当時としても堅実・保守的であった機体ながら諸外国の戦闘機と十分に渡り合える性能を維持し続け、2025年を目処に現用の442機のF-15C/Dを全機退役させる予定だった。ところが、2007年11月2日に発生したF-15Cの空中崩壊事故を受けて保有する全機を検査した結果、ロンジェロンと呼ばれる機体の構成部品の厚さが規格よりも薄く強度不足である事が判明し、空軍の保有するA-D型機の約40%がそれに該当するとされた。しかし、2008年アメリカ合衆国大統領選挙で、バラク・オバマが大統領に当選したことにより、政策転換でF-22の生産ラインの閉鎖が決定、安全が確認された機体から機体寿命を8,000時間から10,000時間に引き上げるなどの延命措置が行われている。また、18,000時間への延長も検討されていた。 しかし老朽化やコスト削減などから空軍は2017年ごろにF-15のEPAWSSの搭載を含む近代化を停止した。当初は後継としてF-16を検討したが、最終的にはF-15EをベースとしたF-15EXを調達する事となった。
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