1987年以降の暖冬異変
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 08:18 UTC 版)
日本では1987年から1995年にかけて暖冬年が続くようになりそれまで頻繁に訪れていた寒冬年が激減し、1996年が並冬になるまで9年間連続で暖冬が続いた(現在の平年値では1994年や1995年は並冬になっている)。特に1987年12月下旬 - 1988年1月、1989年、1990年の2月と12月、1991年の北日本、1992年、1993年、1998年2月は記録的な暖冬であったためマスメディア等から「暖冬異変」と言われたほどであった。1998年頃からは北日本の暖冬傾向は鈍化し2001年、2003年、2006年が寒冬、1998年、1999年、2000年、2005年が並冬になる等、北日本では暖冬年も多いが周期的に寒冬・並冬年も現れるようになった。しかし、2007年、2009年は1990年代前半の記録に匹敵、もしくはそれを上回るほどの記録的大暖になった。東日本と西日本、南西諸島では1990年代ほどの暖冬ではないが依然として暖冬年が多い傾向にある。2000年代では2000年1月、2002年1・2月、2004年2月及び12月、2007年(特に2月)、2009年(特に2月)、が記録的暖冬となり特に2007年は積雪のほとんどない北日本のスキー場などがマスメディアにより度々報道された。しかしながら、2011年は全国平均で平年並み(北日本で高温、西日本以南で低温)になり、2012・2013年・2018年は3ヶ月連続で低温になった。1月の西日本に限れば2011年から5年連続で低温が続いた。一方、2016年は1990年代前半および2007年に匹敵するような暖冬だった。 この暖冬の要因は地球温暖化と太陽活動が関わっているとされるが地球温暖化と太陽活動だけで全てが説明できる訳ではなく、はっきりとした原因はわかっていない。近年では北極の寒気を周期的に蓄積と放出を繰り返す北極振動(AO)や北大西洋振動(NAO)の関連性も指摘されているが両者の周期性は複雑であるため、現在でも詳しい事は解明されていない。その他、日本海の水温の上昇、太平洋高気圧の勢力の強さ、偏西風の変化、東方海上高度などが暖冬を図る目安となっている。
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