1960 - 1963年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/02 01:33 UTC 版)
「インペリアル (自動車)」の記事における「1960 - 1963年」の解説
1960年式インペリアルは多くの点でインペリアル車の中で最も象徴的かつアイコン的なモデルであった。1960年式モデルの外観は、攻撃的な形状の前部バンパー、大口の開いた網状ラジエターグリル、盛大に奢られたクローム類、庇のかかった4灯ヘッドライトといった非常に"1950年代"風な顔付きとボディ後部の羽を持っていた。幾つかのモデルではオプションでスペアタイヤを模したトランクの蓋のバルジ(張り出し)を注文できたが、この一過性の流行は1959年式モデルのプリムスでも取り付けられるようになるとインペリアルの購入者からは避けられるようになった。この年式のインペリアルの羽は、恐らく1959年式モデルのキャデラックを除けば今まで造られた中でも最も幅広で大きなものであった。この羽の最上部にはクロームの環状の傘に囲まれた砲弾型のテールライトが付いていた。1960年式モデルのラジエターグリルと前部バンパーは分厚いクロームの巨大部品であり、片側2灯式のヘッドライトの上に突き出した「畝の入った眉毛('furrowed brows')」状のフェンダーと共にこの車に重厚感を与えていた。ダッシュボード上のオートマチックトランスミッションを操作する押しボタンとクロームの凝った造作もこの車を際立たせていた。 1961年式モデルは前部フェンダーのえぐれた部分に短い支柱で「屹立」したヘッドライトを付けた全く新しい顔付きと更に背の高い羽を後部に持っていた。1962年式モデルでは羽は真っ直ぐに伸びたフェンダーに取って代わられ、1955年式モデルの様にその上に独立したテールライトが載っていたがこのライトは長さがあり流線型をしていた。ラジエターグリルは再び分割され、大きな屹立した円形の鷲のオーナメントが初めて付けられた。 技術陣は1962年式モデルに新しい細身のトルクフライト(TorqueFlite)・オートマチックトランスミッションを与え、これで変速機用の床トンネルの「盛り上がり」が小さくて済んだ。このことにより前席中央に座る者は非常に快適であった。1962年式モデルはインペリアル専用組立工場で製造された最後の車でもあった。これ以降の全てのインペリアルは通常のクライスラー・ブランドの他のモデルと同じ工場で製造された。 1963年式モデルでは再び分割ラジエターグリルが消え、幾つもの長方形のクローム枠で仕切られた形となり、テールライトは時流に則って初めて後部フェンダーの内に置かれた。加えて、デザイナーは2ドア・ハードトップの屋根のラインを4ドアのモデルに似せるように変更した。1963年式モデルは最後のヴァージル・エクスナー作のインペリアルであり、1953年式から1959年式モデルのインペリアルは自動車デザインとしての評価が最も高かった。
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